表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不思議アリスは人形使い  作者: ワンコ
18/65

演目十八:カルラ

アリスside




「ウンウン。絶景かナ、ヤマガミ!」



アリスは、吹き飛ばされたヤマガミを見て満足そうに頷いている。



「あ、主!」



ナーシャはいち早く正気を取り戻し、膝を付き頭を垂れる。



「申し訳ございません!!足止めせよとのご命令、完遂する事が出来ませんでした!!罰は如何様にでも…」



下唇を噛み、悔しそうな表情で俯いているナーシャ。

そこに『知らない女性の声』が響く。



「アリス様ァ、どうだ?あたしのパンチ!」



俯いたままナーシャは息を呑む。

顔を上げるとそこには、白いふさふさした耳とボサボサの長髪白髪。張りのある胸に胸部しか隠れていないタンクトップ。下はデニム柄のパンツを履きチラチラと白いふさふさの尻尾を覗かせている女性がいた。



「お、おまえは…っ」



ナーシャは立ち上がり瞳を潤ませ、女性を見つめる。



「…っ…ナーシャ!」



女性もナーシャを見ると、目を見開き、口元に手をやる。

二人は見つめ合い走り近付く。

距離がだんだんと近づいていき、零距離となる。

そして------。



「死に晒すがいい!駄犬!!」


「駄犬はてめぇだろう!ナーシャァァ!!」


「「「「「「ええええええ!!??」」」」」」



殴り合い。

ナーシャは撫でるように、女性は殴る蹴るを繰り出している。

その場にいるアリスを除く冒険者達から驚きの声があがった。



「はっはっはっ!」


「いやいやいや!笑い事じゃないから!!止めなくていいの!?」



その光景を見て高笑いしているアリスにヒナミは慌てる。



「あー?面白いんだけどナ…しゃーなしだな!ナーシャ!カルラ!」


「はっ!」


「あぃあぃ」


ナーシャとカルラと呼ばれた女性。



「紹介……ん。する前に」


「我が主よ…来ます」


「アリス様…来るぜ」


「え?」



何かを察知した三人は喋るのをやめ、ヤマガミが吹っ飛んだ場所を見る。

それにつられて、ヒナミと冒険者達も見る。

そこには------。



『キュァァァァァァァァァ!!!!』



怒りに身を任せたヤマガミがいた。辺りを踏みつけながら前進してきている。



「ふん。ナーシャの撫切で倒れないのはこの回復…再生力、ネ。ナーシャは下がってナ」


「だ、大丈夫なの、これ!?」


「問題ねェぜ…カルラ!!」



アリスがカルラを呼ぶと、気の抜けた返事が返ってくる。



「あぃあぃ」


「お前の力…魅せつけナ!」



アリスの指示を受けたカルラは軽く二、三回ジャンプして一気に加速。

一瞬でヤマガミの前に躍り出たカルラは、腕を限界まで後方に伸ばし、怒りによって真っ赤に染まったヤマガミの顔へと振りかぶる。



「カルラ…ぱーんち!!」



とすっ



軽いパンチがヤマガミの顔に当たる。



「「「…………………」」」


「……ねぇ」



ヒナミはアリスに蔑んだ目で見る。



「バッ、ヒナミテメェ…っ!オレサマのお気に入りの一つであるカルラがこんなモンじゃネェだろ!!」


「やりナ、カルラ!」


「あぃあぃさー!」



カルラはもう一回加速し、今度はヤマガミの腹の中心部真下に行き、拳を振り上げる。

その動作を見、アリスは口を開く。


「自動殲滅型人形黒犬のナーシャ…それに対となる人形。自動殲滅型人形『白犬のカルラ』」


「カルラの攻撃は単純に殴る蹴るしか出来ない」


「え?」



ヒナミは驚きの声を出すが、アリスは気にせず続ける。



「だが、カルラは単純な分、火力がスゲェ。オレのコレクションの中で一、二を争う程だゼ。当たれば一発で粉砕」


「じ、じゃあ!なんでさっきのパンチは」


「へっ!それは前段階…本番はこっからダ!今からするのは」



カルラは拳を握る。握った拳は徐々に焔が灯る。その焔は彼女を覆うくらいの大きさとなり、彼女の体に赤い刺青模様が走る。



「創造爆殺」



カルラが口に出す。焔を纏った拳をヤマガミの土手っ腹にぶち込み、そのまま真上に打ち上げる。



ヒューーーーっと風きり音が聞こえ------。




ドォォォォォォォォォォォォォォン!!!!!




大爆発。

ヤマガミ内部を中心に赤い焔で出来た大輪が浮かび上がる。

そして、内部から爆殺。ヤマガミだったモノの破片らが焔を纏って落ちていく。



「一発目の殴りは相手を創造…今回はヤマガミを火薬に創造し爆弾にし、二度目の殴りで点火させ、爆弾と化したヤマガミを爆発させる『創造爆殺』」



と、オレは技の説明し、口を開けポカーンとしてる冒険者達に、ドヤ顔を決め込んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ