記憶の温度
《 お題 》
〔おおきなこども〕です。
〔キャラの年齢操作禁止〕かつ〔温度の描写必須〕で書いてみましょう。
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【温度】
彼は大きな子供だった。
太陽のように明るくはしゃぐ日もあれば、
明けることを拒否した夜のように冷たく閉ざされた日もあった。
彼の感情の温度計が壊れているのに気づいていたのは私だけ。
うねり続けるその温度差に疲れ果てた彼を励ます友人達。
彼の命の灯が消えた時、
これは緩慢な殺人だと私は思った。
《 お題 》
『空が青いね』を最初に使ってSSを書いてください。
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【空】
「空が青いね」と彼は言った。
澱んだ汚い空を見上げて。
彼の瞳に映るのはヒマラヤの蒼穹。
究極の青を追い続ける彼は、目の前の空を見なかった。
その空の下に立つ彼女も。
遠く遠くにいる彼に、彼女の声は届かない。
彼がやっと振り向いた時、彼女は別の空を見つめていた。
彼女を暖かく包んでくれる空を。
《 お題 》
『刹那』と『暁』を使って140字SSを書きましょう!
#140ss_odai2
https://shindanmaker.com/418984
【暁に】
暁に夫が首を吊った家に彼女は未だ住んでいる。
だって、ここが彼女の家でもあったから。
他に行く所もなかったから。
彼がぶら下がっていた梁の下で朝食を食べ、今日も仕事に向かう。
それを見つけたその刹那、浮かんだ安堵を彼女は忘れてはいない。
だが、解放は一瞬。
後は、延々と続く日常を生きるだけ。
《 お題 》
〔きみのつめたさ〕です。
〔「かぎかっこ」の使用禁止〕かつ〔「赤」の描写必須〕で書いてみましょう。
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【雪の中】
日はとっぷりと暮れていた。
探しに行こうとしたその時、玄関のドアが開く。
娘は、髪の毛から水を滴らせ、全身ぐっしょりと濡れていた。
表に出ていただけなのに、川に嵌ったみたいに。
一緒に雪かきしてた隣の兄弟に、
気絶するまで殴られて雪の中に埋められていたと言う。
視界は赤。
怒りよりも絶望の色。
《 お題 》
『あげられない』を最初に使ってSSを書いてください。
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【不毛地帯】
あげられない、もう何もないから。
人間らしい温かな想いは憎悪の熱で蒸発し、
乾いた大地にはどんな感情も育たない。
戻らない時間、
変わらない過去、
残り僅かな未来に、
せめて持ち込まないように口を噤み、目を瞑る。
縋る瞳に、瞼を閉ざす。
ほぼ実話です。




