パスタ / 蠍 / st.バレンタインデー / 初恋 / 坂道
お題
#リプできた単語を入れてSSを書く 「パスタ」
【パスタ】
「好みの男?私はどんな人でも好き。でも食べ方の汚い人は駄目ね、生理的に」スプーンの上でパスタがくるくると巻かれ、艶やかな紅い唇が開かれる。一口で運ばれ僅かに入り損ねた一本を、唇を窄めてスルリと啜る。愛しいきみは、今夜も誰かのベッドにスルリと入り、シーツに巻かれて食べられるのか。
お題
#リプできた単語を入れてSSを書く 「さそり」
【蠍】
「あの辺りには近寄るな、蠍の巣がある」男は恐れるどころか、目を爛々と輝かせて小躍りし、「宝の山だ!俺のものだ!」と宣言すると、熱砂の上を、その巣に向かって走り出した。蠍の毒がドラッグになると広まってから、こんな旅人が急激に増えた。「生きて戻れたらな」その背に、案内人は呟きかけた。
お題
「夜の階段」で登場人物が「決める」、「チョコレート」という単語を使ったお話を考えて下さい。
食べたい…
【st.バレンタインデー】
寒々とした高台の夜の階段に座り込み、僕は鞄から取り出した小箱に掛かるリボンを解く。中身は当然チョコレート。今年も手作りだ。その一粒を口に含む。柔らかな甘さに、心がぽっと温まる。毎年、いつの間にか忍ばせられている同じ小箱。今年こそ送り主を突き止めよう。そう心に決めて夜空を見上げた。
お題
『キスしようよ』を最初に使ってSSを書いてください。
Σ(゜д゜lll)
【初恋】
「キスしようよ」私は真剣な眼差しを彼に向けた。彼は笑って「いいよ」と答え、私の髪にキスを落とす。「もっとちゃんとしたの」私が膨れて唇を尖らせると、「いいよ、また来年に。きみがひとつ年を重ねる度に、僕は新しいキスを上げるね」彼はにっこりして私の頭を撫でた。もう、子ども扱いはやめて。
お題
「夕方の坂道」で登場人物が「笑う」、「めまい」という単語を使ったお話を考えて下さい。
坂道~
【坂道】
茜色に染まる坂道で、何が可笑しいのかあなたは急に笑い出した。僕は惨めに俯いて、その場に釘付け。あなたはどんどん坂道を上がる。やっとあなたは足を止め夕陽を背にくるりと僕を振り返った。「好きよ。本当に」この言葉の残酷さに、僕はくらりと目眩を覚えた。もうやめて、義姉さん。お願いだから。