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虹の橋シリーズ3【灰色娘】

《 お題 》

〔わからないとはいわせない〕です。

〔「!」の使用禁止〕かつ〔風景描写必須〕で書いてみましょう。



【降下】

ぷすんぷすんと音がする。定員オーバーの特急彗星。項垂れた尾っぽを引っ張っても、のろのろのろ。わからないとはいわせない…僕はちらりと空を睨む。震えるあの子は俯いたまま。溜息一つ。「行くよ」虹色のスカーフを高く放つ白黒マーブルの渦の中。あの子の小さな手を握りトンと彗星から飛び降りた。





《 お題 》

『髪』と『太陽』を使って140字SSを書きましょう!



【旋回】

虹色スカーフに風を受け、白黒マーブルを旋回する。くうるりくるり。灰色娘は怖がってぎゅっと瞼を閉じたまま。昼の国の太陽が染めた金の髪を靡かせて、僕は風に問い質す。「ここはどこ?」狭間の国の…遠ざかる渦巻き。「灰色野原」呟く娘。ふわりと降り立つ霧の中。灰色娘は今にも溶けてしまいそう。





《 お題 》

『空飛ぶ』と『恋人』を使って140字SSを書きましょう!



【疾風】

風の途絶えた灰色野原は霧の中。七日七晩眠ったままの灰色娘、どんどん透けてきているよ。この子はそのうち霧になる。僕は心配で堪らない。その時吹いた一陣の風。僕は虹色スカーフを高く放った。恋人のように大切に灰色娘を抱き締めて。風の随に僕らは空飛ぶ木の葉のよう。孕んだ風にゆらりと揺蕩う。





《 お題 》

『お腹すいた』を最初に使ってSSを書いてください。


【朝陽】

風の裾端に巻きつけて、僕らは空を横切った。ここはどこ?金色の朝陽が見えて来た。とろりと蕩ける目玉焼き。「お腹すいた」灰色娘が呟いた。ああ、良かった、目を開けた。「しっかり僕に掴まって」ぼくはそろりと手を伸ばし、金色の光を掬い取る。灰色娘の小さな口に、指先からぽとりと落とす蜜の味。





《 お題 》

旅に出よう』を最初に使ってSSを書いてください。



【蜜】

「旅に出ようよ」僕は笑って訊いてみた。灰色娘は頷いた。灰色の瞳を輝かせて。灰色娘は腕を伸ばす。金の光を両手で掬う。とろとろ滴る金の蜜。指の隙間から零れ落ち、灰色娘を染め上げた。金色に。僕はびっくり仰天金ピカ娘の手を取った。まず訪れるは朝の国。自分を忘れた金ピカ娘。きみの家はどこ?








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