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掌 / 屋上 / 隠れ家 / 看板 / 爪

《 お題 》

〔君と眠るベッド〕です。

〔会話文のみ禁止〕かつ〔キーワード「てのひら」必須〕で書いてみましょう。



【掌】

小さな掌が僕の人差し指をぎゅっと握って離さない。ベビーベッドに寝かせる度に泣いて起きる君を抱き締めたまま、自分のベッドに横たわる。硬い敷布に横向きになり腕枕。時に台風のように暴れまわり、時に寒い夜の日溜まりのような僕の息子。小さな君とこうして同じ寝床で眠れるのはいつまでだろう?





《 お題 》

「朝の屋上」で登場人物が「幸福になる」、「ミルク」という単語を使ったお話を考えて下さい。


【屋上】

温かい珈琲とカレーパン、ミルクチョコ。会社の屋上で雲のたなびく薄紫の空を眺めながら朝食を取る。夜勤明けの僕が幸福になる穏やかな時間。その静寂が、けたたましく階段を上がりバンッと開かれたドアの音に破られる。泣き濡れたその子の顔に僕は驚いて顔を伏せ、おずおずとチョコを一粒差し出した。





《 お題 》

『隠れ家』と『絶望』を使って140字SSを書きましょう!



【隠れ家】

山中の小さな一軒家が、幾年月を過ごした隠れ家だった。絶望に打ちひしがれ自らの日々を終わらせる為に分け入った、山奥深くにぽつんと佇む家だった。そこに住む老人と、娘と、共に暮らした。死ぬ事を忘れて。その幸せが今終わろうとしている。じりじりと取り囲む足音。馬のいななき。迎えが来たのだ。





《 お題 》

『捨てないで』を最初に使ってSSを書いてください。



【看板】

「捨てないで」と書かれた看板の前に立っていた女の子にぎょっとして、僕は車を停めた。バックして声を掛けた。「捨てられたの?」頷く女の子。霧雨に黒い髪が濡れそぼっている。取り敢えず車に…嫌、それじゃあ誘拐と間違われる。まず警察に電話だ! その子の後ろの「ゴミを」の文字に胸が痛んだ。





《 お題 》

〔食い込ませた爪〕です。

〔感動詞禁止〕かつ〔「女性」の描写必須〕で書いてみましょう。



【爪】

扇の様に広がる黒髪。苦悶に歪む白蝋の面。私は既に事切れた彼女が私の腕に食い込ませた爪を引き剥がす。血の滲む爪痕。それよりも…。私は彼女の爪をパチン、パチンと爪切りで切った。私の血痕の残る爪を。薄らと笑みを浮かべながら。ちゃんと身成りも整えてあげるからね。美しい君にふさわしい様に。










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