庭 / 映画館 / ドア / あの日 / 恋
《 お題 》
〔最愛〕です。〔「!」の使用禁止〕かつ〔手触りの描写必須〕で書いてみましょう。
【庭】
芳しい香りをそよそよと運び、柔らかで儚い薄紅を散らさぬ様にそっと撫でる。萌え出ずる命の輝きに目を細め、緩やかに包み込む。カサカサと葉擦れの声に耳を傾け、くすくすと笑って私は応える。その枝葉を揺すって。照りつける日差しが私をこの場から追い立てるまで。それまでここに。私の最愛の庭に。
《 お題 》
「夜の映画館」で登場人物が「幸福になる」、「足音」という単語を使ったお話を考えて下さい。
【映画館】
夜間上映の映画館に、滑り込む様に入り込んだ。広々とした会場に観客は疎らだ。汽笛が鳴り響く。私は真ん中の席に座りほっと息をつく。背後から聞こえていたあの足音はもういない。大音響の外国語になぜか安堵する。一人ではないだけで幸福になれる事もあるのかと、私は隣の見知らぬ男に笑いかけた。
《 お題 》(英国紳士シリーズ3)
『お先にどうぞ』を最初に使ってSSを書いてください。
【ドア】
「お先にどうぞ」その紳士は優雅に閉まりかけたドアを押さえた。私は驚いて彼を見上げる。私の様な女に今までそんな事をする男はいなかった。私は背筋を伸ばし、つんと上品そうな笑みを浮かべお礼を言い、振り返る事なくヒールの音を響かせて歩く。私を今だけ良家の淑女にしてくれた彼に感謝しながら。
《 お題 》
〔恋をした日〕です。
〔キャラの年齢操作禁止〕かつ〔「女性」の描写必須〕で書いてみましょう。
【あの日】
カフェのテーブルで表を眺めていた僕の前を、彼女は颯爽と横切っていった。スニーカーにジーンズの何の変哲もない格好で。隣のテーブルの椅子をひく。甲高い声。コロコロと笑う。ぱっと光が射した様に明るくなった。一年前の今日だよ。僕が初めて恋をした日だ。僕は目の前の彼女の手をそっと握った。
《 お題 》
『嫌味なくらい、できたやつ』をお題にして140文字SSを書いてください。
【恋】
眉目秀麗学業優秀。常に笑顔でソツのない会話。嫌味なくらい、できたやつ。第一印象そのままに彼は学校一の人気者。そんな彼の目が追うのは、ボサボサ頭の暗いあの子。話しかけても俯くばかり。ぷいっと何処かへ行ってしまう。一体何処が気に入ったのか。本に恋は異なもの味なものとはよく言ったもの。




