わからずや / 誤解 / 交渉
お題
〔わからずや〕です。
〔会話文のみ禁止〕かつ〔「明かり」の描写必須〕で書いてみましょう。
【わからずや】
わからずや……。涙が溢れて声にならない。もうこれっきり走れないかもしれないのに。薄暗い廊下をゆっくりと踏みしめて、あいつはフィールドに向かう。痛めた足をテーピングで固めて。開かれた扉から差す眩しすぎる明かりが、外へと導く。逆光の中、あいつはちらりと私を振り返り、にっ、と笑った。
お題
『ドレス』と『恋敵』を使って140字SSを書きましょう!
ありゃりゃΣ(゜д゜;)
【誤解】
真紅の裾を翻し、あなたは私の前を通り過ぎた。私を一瞥することもなく。私の傍らに立つあなたの恋人が、馴れ馴れしく私の肩に手を掛けた。私はすいっと足を踏み出す。「ごめんなさい。気分が悪いの」鮮やかなドレスの海の中に、私はあなたの真紅を探す。解って、私は決してあなたの恋敵じゃない。
お題
『お先にどうぞ』を最初に使ってSSを書いてください。
どうぞ、( ^ω^)_凵 どうぞ
【交渉】
「お先にどうぞ」
その言葉に、着飾った紳士は船と船を繋ぐ細い板切れの上で、実に優雅なお辞儀をした。右足を引き、左手を横水平に流し、右手は胸に。彼が身体を起こした時、いつの間にか握られていた短剣が一路に飛び、マストの前に立つ船長の胸に突き立った。和平交渉不成立。時の声が上がる。