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シナリオ / ワイン / 口癖 / 密度 / 駅

《 お題 》

『新婚ごっこ』をお題にして140文字SSを書いてください。


【シナリオ】

ぴらぴらした白いエプロンをして、あいつはうきうきと台所に立っている。目玉焼きかゆで卵か、なんて嬉しそうに訊いてくる。まるで新婚ごっこだ。一体これは何の罰ゲームなんだろう?振った女が女房役。旦那役は爆睡中。振られた俺は、目玉焼き、何て言っている。シナリオを変えてやりたい、略奪愛に。





《 お題 》

『晩餐』と『赤い』を使って140字SSを書きましょう!


【ワイン】

赤いワインをなみなみと注いだ。メインディッシュは仔牛のソテー。ピノ・ノワールが貴方のお気に入り。蝋燭の灯火に赤が揺れる。減らないグラスを眺めながら、仔牛を切り分け口に運ぶ。「早く一人の晩餐に慣れなくてはね。ワインはちゃんと用意してね。私は飲めないけれど」傍らの執事に微笑み掛けた。





《 お題 》

『時間がない』を最初に使ってSSを書いてください。



【口癖】

時間がない。口癖のようにあなたは言う。レストランのキャンセルは何回目?いいの、私は一人でも。最上階のバーの窓際の特等席で広がる光の海を眺めるから。もう解っているわ。私と過ごす時間はない。だから私はにっこりと笑いかける。向かいに座るあの人に。時間がないの。次は私があなたに言う番ね。





《 お題 》

「朝の病院」で登場人物が「離れる」、「蜜」という単語を使ったお話を考えて下さい。



病院、嫌い


【密度】

蜜のようにとろりと絡みつく朝日を掌で掬った。僕の魂がこの身体を離れた途端に、空気の密度が濃くなった。否、僕の密度が薄くなったのか。溶かしたガラスの様なねっとりとした金色の空気に混ざりながら、掌に巻きつけられた光の束に捕まって高く高く登って行く。遥かに小さく白い病院が霞んで見えた。





《 お題 》

「朝の駅」で登場人物が「貪る」、「鍵」という単語を使ったお話を考えて下さい。



お、駅は初めて!


【駅】

泥酔して駅を降り過ごし、知らない無人駅で慌てて降りた。涼やかな風が心地よくホームのベンチでそのまま眠りを貪った。夢の中の小さな民家。僕の手には真鍮の鍵。鍵穴に差込み引き戸を引く。小鳥の囀り、重なる緑、葉擦れの音と顔に当たる強い陽光。目覚めた僕の手から、小さな鍵がチャリンと落ちた。





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