表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/86

優先順位 / 庭 / ドア / 匂い / 樹

お題

『優先順位』をお題にして140文字SSを書いてください。



【優先順位】

父母の優先順位ははっきりしていて、一番に兄。なんといっても跡取りだもの。それから祖父母。家賃を援助して貰っているからね。妹。理由なし。犬のジャッキー。これは解るよ。それから幾つかあって、最後が僕。でも僕は別に気にしていないよ。だって、僕のリストには、父母は入っていないからね。





お題

『真夜中』と『足元』を使って140字SSを書きましょう!


【庭】

さわさわと若葉のさやめく真夜中の庭に、少年は一人ぽつんと佇んでいた。青白い月が頭上に留まった時、足元がざわざわと蠢き始める。彼の影が立ち上がり手を差し伸べた。その顔は漆黒の闇。表情などない。だが彼には笑っている様に思えた。彼は影の手を取った。ふわりと浮き上がる。あの月を目指して。





お題

『ドアを開けて』を最初に使ってSSを書いてください。



【ドア】

ドアを開けて僕は踏み出した。未来へ。自ら掛けた鍵を開けて。空は果てしなく広がり光が降り注ぐ。僕の背後でドアがキィっと軋んで閉まった。四季を巡り年月を重ねて再びここへ舞い戻った。古ぼけて薄汚れたドアが僕を迎えてくれた。こんなにも小さかったのか。僕を守り育んでくれていた心のドアは。





お題

〔どこまでだって、追いかける〕です。

〔体言止め禁止〕かつ〔匂いの描写必須〕で書いてみましょう。



【匂い】

何度も後ろを振り返った。どこまでだって、追いかけてくるあいつがいないか確かめる為に。独特の匂いが又辺りに漂い始めている。饐えた様な匂いだ。ツンと刺さる様な腐った肉の匂いに、胃が逆流しそうになる。僕は口を抑えて立ち止まった。肩で息をして辺りを伺う。上を見上げた時、僕の時が止まった。





お題

『頭上』と『木陰』を使って140字SSを書きましょう!



【樹】

広々とした丘陵に立つ一本の大樹。その木陰で彼は眠っていた。爽やかな風が彼の髪を嬲り、頬を撫でていく。麓では彼の国が滅び新しい国が立つ。永劫繰り返される人の営み。その木の根の底で何が起ころうと構うこともなく彼は眠る。頭上の星が巡りその時が来るまで。人々の全ての声が怨嗟に変わるまで。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ