観光 / 意味 / 大当たり / 影 / アートアクアリウム
お題
「昼の橋の上」で登場人物が「なぞる」、「ラジオ」という単語を使ったお話を考えて下さい。
【観光】
ラジオで聴いた観光コースをなぞって回った。始りは駅。お寺に神社にあんみつ屋。坂道の古風な町並み。繁華街を抜けた橋が終着。川沿いは満開の桜。見とれる僕の前にひらりと一枚の紙が舞う。何気なく捕まえると僕が来た道と同じメモ。矢印は逆。「お昼の天屋は?僕はまだだ」差し出して彼女に尋ねた。
お題
〔君を忘れて〕です。〔パロディ禁止〕かつ〔キーワード「心臓」必須〕で書いてみましょう。
映画のセリフであったな
【意味】
「忘れて」と君は言った。君を忘れて、僕に生き続ける理由があるのだろうか? 僕は押しつぶされそうな心臓の痛みに耐えかねて、胸を抑えて歯を食縛る。意味を読み解き、価値を見出し、目的を、夢を得る…それが生きるという事だと思っていたのに。その全てが君なのに。君を忘れて僕に何が残るんだ?
お題
『夢に出てきたんだ』を最初に使ってSSを書いてください。
あれ、前にもやった?
【大当たり】
「夢に出て来たんだ!この数字!」僕は手にした新聞を持って大声を上げた。夢で見た数字。運試しで宝くじを買った。まさか本当に当たるなんて! 僕は交換所に走り出した。その数字に全く別の意味があったなんて。それがまさに今日の日付だったことに気が付いたのは、目の前に車が迫った瞬間だった。
お題
『未来』と『陽だまり』を使って140字SSを書きましょう!
いい感じのお題
【影】
未来はこの陽だまりのように穏やかに温かく僕を照らすものだと信じていた。この中で微睡む僕の前に、君が立ち影を落とす。手を伸ばせばそこに温もりがあるのに、君の影が僕を捉えて放さない。どうしても抜けられない苛立ち。僕は君を倒して立ち上がった。立ち上がった僕は陽だまりに落ちる影になった。
お題
「夕方の水族館」で登場人物が「好きにされる」、「秋」という単語を使ったお話を考えて下さい。
【アートアクアリウム】(マンボウシリーズ2)
特別イベントの「夕方の水族館」。茜色のライトに照らされて、イメージの中踊らされ、好きにされる海の生物。ヒトデは舞い散る紅葉となり、珊瑚はさながら風に舞う雪柳。秋の空に泳ぐのは雲のイワシ。目まぐるしく変わるライトに目眩く移り変わる世界。寂寥たる深海にこれ以上何を望むのか。
おまけ
【誕生日】
水族館のテラスで茜色の空を眺めながら嘆息した。本当は観覧車からこの夕陽を見たかったのに。こんな風に好きにされるのはもう嫌。私の意志を訊いて貰えないのは嫌。陽が落ち切った後「こっち」と手を引かれた。宵闇の紺青に仄かな光が飛び交う中庭へ。「これを見せたかったんだ。お誕生日おめでとう」
(ボツにした奴。季節が違う~。初夏でした)