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学科の皆と自己紹介、ただし男子の名前は覚える気がない

ソフィアに促されて教室内にいた六人の新入生は顔を見合わせる。数瞬の沈黙。一番初めに口を開いたのは教室にいる六人の新入生の誰でもなく戻ってきた先生に連れられて教室に入ってきた一人の生徒だった。

「こんにちは。皆さん、僕はカカオ・フォンデュ・ルミナールです。この度魔法分析科に所属となりました。一応、氏でわかると思いますが此処の担当教諭の子息です。そのせいで半ば無理やりこの専科に入ることになりました。が、やる気はちゃんとあるので大丈夫です。よろしくお願いいたします」

そう言ってその生徒は左胸に右手を当てて右足を引き、少し頭を下げる。その姿は父親のレイフォードによく似ていた。もっとも、レイフォードと違い黒く短い髪は綺麗に整えられ、黒い瞳はきりっとやる気に溢れていた。そして、もちろんだが無精ひげもない。

――カカオ・フォンデュ!?なんていう投げやりな名前なんだろう・・・。男子の名前なのに憶えてしまいそうだ。最悪だ。吐き気がする。

 とそのようにカナリアは一人で吐き気を堪えていた。

「いや、確かに息子だからってこの科に引きずり込みはしたけれど。そこまではっきり言わなくてもいいじゃないか」

 そう言ってレイフォードは教卓へと歩く。

「あぁ。それでは自己紹介は終わったか」

レイフォードの言葉にクロスフォードが答える。

「えっと新入生はまだです。だからカカオ君の自己紹介が新入生の最初になります」

「そうか。じゃあ、適当にそこの君から左回りで順番に自己紹介を頼む」

そう言ってレイフォードはカナリアを指し示す。吐き気を堪えていたカナリアは数秒の間、自分が指名されたことに気が付かなかった。

「カナリアさん、自己紹介貴方から見たいよ」

隣に座っていたリリーヌに肩を叩かれてようやくカナリアは気が付く。

「あ。すみません。カナリアです。平民なので氏はありません。よろしくお願いします」

カナリアはリリーヌに促されるままに自己紹介をして頭を下げる。

「それでは左回りですので次は私ですね。リリーヌ・フォルテ・アドレイスです。男爵家の娘です。よろしくお願いします」

そう言ってリリーヌは軽く頭を下げる。そして、次の人に促すように視線を向ける。促された生徒はその視線に答えるように頷いて言葉を続ける。

「次は僕ですね。僕はスピカ・ナイト・ミーティアです。僕の家は騎士階級なので貴族の方々とはあまり会う機会がありませんでしたが、これからよろしくお願いします」

そう言って頭を下げたのは年の割には背の高い体格のしっかりした男子にしては長い茜色の髪を首の後ろで括った碧い釣り目の生徒は爽やかに微笑む。その微笑みに女生徒たちがほんのりと顔を赤らめた。

 ――な、こいつ。天然たらしか。ふざけやがって。死に・・・いや。待て。落ち着け。これから同じ科で過ごす仲間なんだ。例え男子だからって嫌悪感は最低限に留めておかないと。・・・あれ?私もしかして男子ってだけで人を人として見てない・・・。それって、もしかして最低の屑どもと同じなのでは。う、嘘だ・・・

 カナリアは新たな事実に嘆いている間にも自己紹介は続く。

「今度は僕だね。僕はルーティ・エル・ホワイト。伯爵家の・・・確か、十・・・五,六男あたりです。僕の家は兄弟が多いのでいまいち自分が何男だったか、よく覚えていませんがよろしくお願いします」

そう言ったのは暗めの銀髪に丸い透明な瞳のとても背の低い男子生徒。彼はそのまま目線を隣の女生徒に移す。その女性は腰まで長く伸ばした淡い水色にも見える白髪に夕日のように紅い瞳が印象的なふわふわした白いドレスを着た背の高い線の細い人だった。

「皆さん、初めまして。私はスノウ・ティメルです。その私は一年生なんですけど二年の間病気で学校に通えていなかったので三年生と同じ年になります。よろしくお願いします」

スノウはそっと立って静かに礼をして座る。それと同時に隣の席の小柄な少女が立ち上がる。

 ――病弱なお嬢様だなんてあぁ、素敵すぎます。いや、違う。二年も学校に行けなかったなんてそんななんて・・・あぁ。大丈夫かしら。でも心配されすぎるのもきっと嫌よね。あ。もちろん一番はリリーヌ様です

「あ。その最後は私ですね」

その言葉と共に彼女は確かに立ち上がったはずなのに背丈があまり変わっていないどころか、むしろ低くなっているようだ。それに気づいたのか彼女は慌てて座り直す。立ったり座ったりするたびにツインテールにした金髪がさらさらと揺れる。深めの碧い瞳が長めの前髪に見え隠れしている。

「私はスズラン。スズラン・サンライトです。えっと、身長が低すぎてよく実年齢より五つほど幼く見られがちですがちゃんと先輩方とスノウさん、先生を除く皆さんと同い年ですから勘違いしないでくださいね。よろしくお願いします」

スズランはそう言って勢い良く頭を下げて思い切りおでこを机にぶつけていた。それを隣のスノウが気遣う。

――こ、これが合法的ロ・・・。待て。落ち着け。彼女は私と同い年だ。だから、だから、それは失礼だから。

とにかくスズランの可愛さに意識が飛びかけるカナリアであった。

名前は皆適当。

何より先生のご子息の適当感

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