専科決定
互いに挨拶がすむとクロスフォードは其の儘専科の話を続ける。
「それで、二人とも専科を決めてないなら僕と同じ科に来ないかい?いや、僕の所属する科は例年人気がなくてね。このままでは存続が危ういんだ。有力貴族がいるなら人数が少なくても大丈夫なんだけどね。僕の所属する科はそうではないからね。一人でも多く、具体的には今年の新入生がせめて七人は欲しくてね。こうして声をかけてるんだ」
クロスフォードは正直にものを言う。その正直な口ぶりにカナリアは少し呆れてしまう。
「クロス、正直すぎますよ。カナリアさんがひいてます。ところで、クロスの専科って?」
リリーヌがクロスフォードに問う。その問いにクロスは嬉々とした顔をした。
「よく聞いてくれたね。リリーヌ。僕の専科は、その名も魔法分析科。魔法とは如何なる原理で成り立つのか、そういったことを勉強する科でね。どうかな」
その説明にカナリアとリリーヌはそろって首を傾げる。
「聞いたことのない科ですわね。そんな科が存在していたなんて」
そのリリーヌの言葉にクロスフォードは苦笑いで答える。
「はは。この学校には五十近くの専科があるからね。中には君たちが知らない科だってあるさ」
その言葉にカナリアは少し考える。
--ふむ。面白そうだし、ゲームには出ていない科だから、危機回避にも役立つか。でも、本当に切実に人員不足そうだし。平民の私が入ったら・・・。でもリリーヌ様はきっとこの科に。
「あの、クロスフォード様。私は平民です。そんな私が魔法分析科に入ったらもっと人気なくなりますよ」
カナリアは伏し目がちにクロスフォードに申告する。クロスフォードはカナリアの言葉に少し思案するような顔をする。そして笑う。
「そうかな。カナリアさんが入ってくれたら人気はなくなるかもしれないけど、知名度は上がるよ。言い方は悪いけど、そのめ・・・カナリアさん見たさに入ってくれる人もいるかもしれないし」
最後の方は苦い顔をしてクロスフォードは言う。
「それはつまり、平民である私を物珍しさ見たさに入る人がいるだろうということですか」
「うん。まぁ、そうなんだけど。いや、大丈夫だよ。カナリアさんに不利益になるようなことはさせないから。リリーヌの友達だからね。僕ができる限り守るよ」
クロスフォードはそう言って笑う。その笑顔はとても魅力的で普通の女性なら今ので惚れていたかもしれない。しかし、その笑顔は男性不振気味のカナリアには胡散臭いものに思えた。その一方リリーヌは安心したように微笑む。
「よかった。カナリアさん。安心して。クロスは爵位は低いけど魔力がとても高いの。彼の庇護下に入ればそこそこ安全よ」
--そこ絶対じゃないんですね。リリーヌ様。いえ、そちらの方が信頼できるのですが。
「で、二人とも専科は」
「私はクロスと一緒ならどこでも。面白そうでもありますし」
「私も魔法分析科にしたいと思います」
そうして、カナリアとリリーヌは専科を決めたのだった。
ちなみにゲームでは本来カナリアはリリーヌと行動を共にせずその結果同学年のオリーブに声をかけられ一緒に様々な科、といっても主要な魔法魔術科(紅のルート)、神聖魔法科(白のルート)、魔法武術科(紫のルート)、魔法薬学科(緑のルート)のいずれかを選ぶことになる。
それぞれの科の特徴は・・・考えてない。でもきっと大丈夫。
だって、きっと話には出てこない、はずだから。
その分魔法分析科の設定を考えないといけない。




