エンピツ
――もしもし、どうしたの? 悠くんからなんて珍しいね。あ、え、そうだっけ? うわぁーごめん! うんうん、明日持って来てくれると嬉しいな~。ごめんね? まさか鉛筆忘れてくなんて……アホだな私……。
今? 今はね……お風呂上がったとこ。うん、さっぱりだよ~気持ちかった。悠くんは? ……え、ゲーム? まだやってんの? いやいや、悪くはないけど、私はやらないからな~。隣で見てる方が好き。今日みたいにね。……えっ? うん、楽しかったよー。ありがと。なんか……見てるとわくわくするんだよねー。やってる方がわくわくする? そりゃ、悠くんはそうかも知んないけどっ。私は見てるだけで良いんですー。……次はお菓子持参だね。……ジュースも? えー、それは買ってくの大変だから一緒に行こうよ。悠くんが荷物持ちね。ふふふ。お世話になります。
えっ、好きな人? 悠くん、いるの? ……いない? そうなんだ。私? 内緒。まぁでも、素敵な人なのかなって予感はしてるよ。誰かって? だから、内緒。えー? じゃあ、今度教えたげる。ちゃんと好きになってから、ね。
うん、うん。じゃあ、また明日ね。おやすみなさい。