奇談 参考資料 ―オカルトと科学―
いつもお読みいただきありがとうございます。
執筆のために色々調べ物をしたのですが、ひょっとしたら本編以上に興味を惹かれる内容かも。
というわけで参考資料・補足解説です。
ここに挙げた参考資料はとても魅力的なものですので、興味があればぜひ。
■丑の刻参り
丑の刻(午前1時から午前3時ごろ)に神社の御神木に憎い相手に見立てた藁人形を釘で打ち込むという、日本に古来より伝わる呪術の一種。
七日目で満願になるが、人に見られると効果が失われると言われている。(呪いが跳ね返るとも)
大まかな設定は『地獄先生ぬーべー』シリーズ+ネット情報+諸々のちゃんぽんなので正式作法ではありません。
千鶴さんが唱えた呪い返しの呪文はネット発のもので出どころはわかりませんでした。
なお、刑法上、丑の刻参りで呪殺に成功しても「偶然死んだ」と解釈されるだけなので犯罪になりません。
ただし、
・深夜の神社に忍び込む=不法侵入罪
・ご神木に五寸釘を打ち付ける=器物損壊罪
・「呪ってやる」と脅す=脅迫罪
にそれぞれ該当しますので、丑の刻参りは実行するだけで二つの軽犯罪に該当します。
実際、丑の刻参りで逮捕された例があります。
こちらをどうぞ
https://tocana.jp/2014/08/post_4716_entry.html
■降霊術とハリー・フーディーニ
降霊術とはその字面通り、霊を降ろす儀式の事です。
特に19世紀のアメリカで流行しました。
発明家として世界的に知られるトーマス・エジソンも降霊会のヘビーユーザーでした。
その19世紀のアメリカで活躍したのが奇術師のハリー・フーディーニです。
フーディーニはマジシャンとして活躍する傍ら多くの霊能力者のインチキを暴いていました。
その動機はフーディーニが懐疑論者だったから……ではなく、最愛の母ともう一度会いたかったから。
そう。彼は本物の霊能力者を探していたんです。
(結局、見つからなかったようですが)
アメリカの降霊術について詳しくはAmazonプライムで配信されている 「ロア~奇妙な伝説~シーズン1 Epsode4. 死者の音」(Amazonスタジオ制作)をどうぞ。
ちなみに20-21世紀においてもマジシャンは霊能力者のトリックを暴く側に回ることが多いです。
現代の代表例だと心理学者でマジシャンのリチャード・ワイズマン、懐疑論者の代表格であるジェームズ・ランディなどでしょうか。(日本でもナポレオンズがトリックを暴いてましたね)
特にランディは超能力者・霊能力者のトリックを暴くのに積極的ですが、彼がそんなに熱心なのは最愛の母にもう一度会いたいから……ではなく、少年時代に宗教儀式のインチキを暴いたせいで拘置所に拘留された恨みらしいです。
恨みの力、恐るべき。
■オカルトと科学
金縛りは仏教用語の「金縛」を訓読みにしたもの。
金縛は、悪霊などを身動きできないように抑えて鎮めることで、そこから転じて身動きが取れなくなる状態を金縛りと呼ぶようになった。
科学的には「睡眠麻痺と入眠時幻覚」による現象。
「体がほとんど動かない」(睡眠麻痺)、「幽霊のようなものが見える」(入眠時幻覚)は特殊なレム睡眠下で発生する現象。
詳しくは超常現象の追及をライフワークとしているライター、本城達也さんの「超常現象の謎解き」をどうぞ。
大変に面白いです。
http://www.nazotoki.com/kanashibari.html
また、「23人のうち1組の誕生日が一致する確率」ですが、これは正しく数学的な理論に基づいています。
詳しくはサイモン・シン著『フェルマーの最終定理』をどうぞ。
最後に、これは言うまでも無いと思いますがエピソードのタイトルは東野圭吾先生の「探偵ガリレオ」シリーズのもじりです。
■魔術都市プラハ
創作ではなくマジ。
魔術王ルドルフ二世は特に錬金術を奨励しており、プラハには錬金術師博物館なんてものも存在します。
藤田和日郎先生の大ヒットコミック『からくりサーカス』もこの時代背景を土台にしています。
じつは去年、プラハに行ってきたんですが時間が足りなくて見たい博物館すべてを見ることができませんでした。
プラハ城敷地内にある黄金小路が錬金術師の工房だったというのも本当。
往時の錬金術師の工房を再現した建物まであります。
また、黄金小路にはあのフランツ・カフカも執筆小屋を持っていたとか。
ティコ・ブラーエ、アイザック・ニュートンが錬金術に傾倒していたのも本当。
一般的にブラーエは「おしっこを我慢しすぎて死んじゃった笑うに笑えない人」として有名かと思いますが、錬金術による水銀中毒が死因と言う説もあるとか。
知ってる人は知ってると思いますが、旧初台駅は実在します。
テレビでも時々取り上げられてますが、取材記事があったのでこちらをどうぞ。
https://www.huffingtonpost.jp/2017/11/24/old-hatsudai_a_23287153/
後書きの後書き。
私が制作・脚本・チョイ役で参加した低予算映画「11月19日」が2019/5/11より一週間限定で商業的に劇場公開されることになりました。東京は池袋の劇場で単館・レイトショー上映されます。
シネマトゥデイに取り上げられました
https://www.cinematoday.jp/movie/T0024121
こちらは公式サイト
https://sorekara.wixsite.com/nov19
では、また会いましょう。




