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magus hunter 紐育魔術探偵事件簿  作者: ニコ・トスカーニ
東京奇談 3
76/120

東京編の登場人物、怪異の設定等

東京編も三本になってしまったのでちょっとまとめ

まず軽く登場人物設定について


風宮千鶴(かぜのみやちづる)


 20代後半。身長158cmの平均的な慎重でスリムな体型。丸の内の有名企業の受付嬢を足して平均値を出したような顔をしている。

 ニューヨーク編に出てきた風宮和人の姪。ぱっとしない旧家の分家に生まれるが、才能を認めらて本家で魔術の手ほどきをうける。

 日本の本家で東洋の術を、英国で西洋の術を学び東京で祓い屋を開業する。

 ごく真っ当な倫理観の持ち主。学究肌。

 名前の由来は私のご先祖様と霊能者の御船千鶴子から。


長南天明(おさなみてんめい)


 20代半ばぐらいの青年。寺院の次男坊。微かにだが力がある。

 大学卒業後に警察官になったが配属先の交番が田舎で暇だった。

 夜勤中の暇つぶしに書いた小説が文学賞に通りデビュー、退職。

 その後鳴かず飛ばずで、ウェブに文章を寄稿したのをきっかけにウェブサイトの編集部から社員として

誘いを受け専業ライターになる。

 取材の過程で実家から風宮家を紹介され千鶴に対面。コンビを組むようになる。

 名前の由来は霊能力者の長南年恵と画家、神道家の岡本天明から。


エピソードに出てきた諸々について


・悪魔憑き事件


 1976年にドイツで発生したアンネリーゼ・ミシェル(1952 - 1976)の保護責任者遺棄致死事件の事です。

 教皇庁における「悪魔」の定義は生前に悪行を犯した人間が堕ちた存在らしいです。

 悪魔祓いはその儀式の過程で悪魔に名前を言わせるのが正当な手順なのですが、ヒットラーとかユダの名前が彼らが生前の悪行で地獄に堕ちたからなのでしょうね、キリスト教的な考えでは。

 なお、このアンネリーゼ事件を元に映画『エミリー・ローズ』(2005)が作られています。


・おとないさん


 集まった一人一人が怪談を披露し、一話語り終えるたびに蝋燭を一本ずつ消していくという「百物語」

 これは永い太平の世となった江戸時代に特に流行ったもので「おとないさん」はその中で語られたものの一つです。

 記述は杉浦日向子先生の『百物語』と地獄先生ぬ~べ~シリーズを参考にしています。


 杉浦先生の『百物語』が何を参考に書かれたのかは不明ですが、

延宝5年(1677年)の『諸国百物語』、宝永3年(1706年)の『御伽百物語』、享保17年(1732年)の『太平百物語』など江戸時代には多くの百物語が編纂されています。

 杉浦先生は江戸風俗の研究家として知られた人物なのでこのうちのどれかかあるいは全部を参考にしているのでしょう。たぶん。


・リャナンシー


 アイルランドの伝承に出てくる妖精。

 男性に憑りつき、精気を吸い取る代わりに芸術の才能を与える。

 アイルランドの詩人が短命なのはリャナンシーに憑りつかれているからだという伝承があるそうです。


 日本人でリャナンシー知っている方は少数派だと思いますが、ヤマザキコレ先生の『魔法使いの嫁』

に出てきたので知名度も少し上がったかもしれません。

 ちなみに『美しい人 優しい人』は思い切り『魔法使いの嫁』から影響を受けています。

 http://www.globe.co.jp/information/myth-fairy/fairy1.html


・ダウン・バイ・ザ・サリー・ガーデンズ


 アイルランドは伝統音楽が非常に盛んな国でその伝統が廃れたことも途絶えたこともありません。

 長年イギリスの統治下にあったわけだから凄いことです。

 アイルランドではおおよそ人の住む場所であればどこにでもパブ(酒場 public houseの略)がありますが、パブに行くと地元の腕自慢が毎晩のように演奏を披露しています。


 ヴァン・モリソン、U2、シニード・オコナーなどアイルランドはポップミュージックでも多くの人材を輩出していますが彼らは全員伝統音楽を経験しています。

ヴァン・モリソンは伝統音楽界の長老バンドであるチーフタンズと共演してアルバムも作っています。


 ダウン・バイ・ザ・サリー・ガーデンズ(Down By The Salley Gardens)はアイルランド音楽のメジャーナンバーで作者不詳の伝承曲です。

 有名になったのはアイルランドの国民的詩人でノーベル文学賞を受けているウィリアム・バトラー・イェイツの詩集に含まれていたことから。

 実際はアイルランドの老婆が歌っていた歌の断片に基づくものでイェイツの創作ではありません。

ちなみにこんな内容です。


柳の庭を下ったところで愛する人と逢ったんだ

彼女は白雪のような足で柳の庭を抜けて行った

彼女は僕に言った

恋は木の葉が茂るみたいに気楽に

でも若くて愚かだった僕は肯けなかった


川のほとりの原っぱに愛する人と立っていて

彼女は白雪のような手を僕の肩に掛けた

彼女は僕に言った

人生は堰に草の茂るみたいに気楽に

でも若くて愚かだった僕は今涙で一杯だ


詩的ですねぇ。

東京編の数が増えたので別出ししました。

https://ncode.syosetu.com/n9384es/

ほぼ同じですが表現などを微妙に修正してます。

では、また

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