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ぼくの道。

作者: かえる


ぼくは行く。道を歩く。

右には海。左には山。


ぼくは行く。道を歩く。

海に入ると水はしょっぱいし、カナヅチな僕は溺れてしまうから、ぼくは行かない。

山に入ると虫は出るし、山道を登るのは辛いから、ぼくは行かない。


ぼくは行く。道を歩く。

ただひたすらに、同じ道を行く。

つまらないけど。本当は寄り道してみたいけど。

迷子になるのは怖いし、なにかあったらどうしようって不安にもなるから、ぼくは行けない。


ぼくは行く。道を歩く。

同じ景色。同じ匂い。

変わらない。同じことの繰り返し。


ぼくは今、ぼくから逃げている。




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