神官、凱旋に意気込む。
パレードだよね、パレード!
某夢の国のパレードを思い出して、私はウキウキする。
あのときは見る側だったけど、今回は私が主役だ!
「イエーイ!あっ!オシャレしないと!」
「神官の服に、オシャレなんかあるのか?」
ムッ!剣士さんは笑ってるけど、これは気持ちの問題だい!
旅の間によれよれになった神官服を伸ばしながら私は思いを馳せた。
同じように旅をして、やっとスタート地点だった王都に辿り付いた私たち。
顔パスな姫さまのおかげで、大歓迎な状態で城へと入れてもらた私たちは謁見の間で魔王討伐成功の報告を終えた。
膝を着いて頭を下げていたから私は一言もしゃべらず、専ら姫さまが話してくれたけど…ちょ、獣人さんとエルフくんも跪いてよ!
ハラハラしつつ進行する報告会と、周囲で上がる歓声を止めたのは王さまだった。
頭を上げて立つようにいわれた剣士さんと私が立ち上がるのを見た王さまは、まず魔王討伐のことを労ってくれる。
さすが姫さまのご両親って感じの、渋いイケメンの王さまと美女なお妃さまに感謝されてテレテレしてる内に、凱旋パレードとその後の晩餐会の話になっていた。
魔王討伐っていうすごい偉業のため、相当盛大にしてくれるらしい。やったね!
どんな豪華な料理が出るんだろうと涎を拭きながら聞いていると、なんと姫さまはご両親に結婚の報告をし出す!
もちろん、その横に立つのは剣士さんだ。
そういえば、『魔王を倒した者は我が娘を(以下略)』って話だったね。
よかった、姫さまは剣士さんと無事に結婚出来そうだ。
一妻多夫だったら、獣人さんやエルフくんも夫になってそうだけど、ここはそんな世界じゃないみたいだから安心だ。
だって、愛し合う二人を引き裂くのっていやじゃん?
胸を撫で下ろす私は、御褒美をくれるっていう王さまに『おいしいご飯食べたいです』と答えておいた。
おい、なんで笑うんだよ。ささやかな願いじゃんか。
王さまとお妃さま、残って更に話を煮詰める姫さまと剣士さん、姫さまの世話をするために残るエルフくん、しばらく暇だから準備してもらった部屋で休むらしい獣人さんと別れた私は大神殿に戻ることにした。
追い出されるように魔王討伐に出されたとはいえ、大神殿には青髪くんと後輩がいる。
二人に黙って出掛けたことを謝ろうと思ったんだ。
いや、あのデブハゲが悪いんだけど、ここはけじめとしてね。
「獣人さん、行って来るね!」
「おう、行ってこい」
頭をポンポンしてくれる獣人さんにえへへって照れ笑いを向けてから、出掛けていく。
びっくりしたように目を見開いて私を見る門番たちに、胸を反らして偉そうな態度で門をくぐる。
『ふふん!どうだ、恐れ入ったか!』と、別に魔王に止めを刺したわけでもないのにそんな態度を取ったから罰が当たったのだろうか。
…それが理由かは、わからない。
「どどど、どういうことー!?」
あの、デブハゲとその腰巾着に拘束された私は自室へと放り込まれる。
「どういうことだと?そんなこともわからないのか。お前のような礼儀もわからぬ孤児の代わりに、我が息子が英雄として表に出てやるといっているんだ」
「なななな、なんだってー!?」
どういうこと!?
えっ、私の代わりにデブハゲの息子が私のフリをしておいしいご飯を食べるってこと!?
あれ、デブハゲの息子って確か青髪くんだよね?
さっき、デブハゲの横に無表情で立ってた。
彼が魔王討伐の立役者の一人で、神官?
「えぇぇぇぇぇ!?」
私、魔王討伐したのにその功績を取られちゃったみたいです、ハイ。




