表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したら孤児の少年になってたんだけどっ!  作者: くろくろ
転生1回目終了・大神殿自室→冥府の神の御前
1/45

冥府の神は終わりを告げた。

「終了か、早いな」


そんな、嫌そうな顔しないで下さい。

のっぺりした顔なのに、はっきりわかるくらい顔をしかめるって、どんだけ私が嫌いなんですか。

前回は、私が暮らしていた世界の神さまが、あなたを勝手に連れて来たんであって私のせいじゃないですよ。


大体私だって、まさかこんなに終了が早いとは思っていませんでしたし。


「死因は呪詛らしいな。どれほど恨まれていたのだか」


男とも女ともわからないしゃがれた声が、私の死因を口にするけど、恨まれてたってわけじゃないです。

冥府の神であるなら、死因以外もわかるんじゃないんですか?


「いちいち把握してられるか。こっちは忙しい」


前にお会いしたときも、忙しいっていってましたが、職務怠慢では?


「…そんなにいうのであれば、さぞ見応えのある人生だったのだろうな?」


聞く者をヒヤッとさせる、冷たい声。

こちらを見る目も、声同様冷たい。


これで、大したことがなかったら、どんな目に遭わされるだろうか。

相手は神だ、人間ごときが想像出来る恐ろしいことくらい、簡単に出来そうだ。


ここに来て、自分は神どころか人に話せるようなことをしてきたのか疑問を感じる。


孤児院スタートで、自分の能力の高さに天狗になって、大神殿に行って使いっ走りにされて。

あぁ、びっくりしたよ魔王討伐するためのメンバーに無理矢理されたんだっけ。

最初は、モンスター倒すのを見てるだけで、ツラかった。みんなに馴染めないで、寂しかった。

でも、強引にみんなの輪に入れられて、打ち解けられて、殺伐としそうな旅路だったのに、良く笑ってた。

魔王戦なんて、正直死ぬかと思ったけど、なんとか生きてて。


剣士さん、姫さま、エルフくん、獣人さん、みんなが好きで、旅が終わってもずっと仲良くしてもらえると思ったのに。


呪いに(むしば)まれて、痛みにのたうち回りながら最期に見たのは、一人っきりの自室。


「では、見てやろう。お前の2度目の人生を」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ