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第五話~南雲艦隊、反転ス~

ーーーここはどこだ?



「確か・・・俺は赤城で・・・」



大日本帝国海軍中将南雲忠一は、

見たこともない風景に驚いていた。


彼はハワイ作戦の為に単冠湾から空母"赤城"、"加賀"、"飛龍"、"蒼龍"、"翔鶴"、"瑞鶴"、を主力とした第一航空艦隊を引き連れて出撃したはずだった。


しかし彼が今見ている風景は、

第一航空艦隊旗艦の赤城内ではなくーーー





帝都の大空であった。



南雲はまるで体が宙に浮いているかのように空を飛んでいたのだ。



「これはいったい・・・」



彼はなぜ帝都の空に自分がいるのか考える。

しかしその思考は横に何かが横切ったことで中断された。



「な、なんだあれは?」



横切ったもの、それは自分より遥かにでかい鳥に人が跨っていたものだった。

しかも一羽や二羽ではなく、空を覆い尽くさんとするほどの大群であった。

南雲がただ呆然と見ていると、その鳥から黒い塊が落ちていった

そして落ちていった先で爆発が起き、火の手が上がる



「い、今のは爆弾か!?」



驚いていると今度は鳥が地上に向かって急降下していく。

その先には燃え盛る家から逃げ出そうとしている男がいた。

そして鳥にのった人は持っていた槍でその男を突き刺す。

他の鳥に目をやると同じように襲っていた。



「何だ、こいつらは?ーーーーー









「閣下、起きてください」



「う・・・ん・・・ここは?」



南雲は誰かに声をかけられたので目を開けると

そこには青い服を着た人と見慣れたものが目に入ってきた。



「あの、閣下は仮眠をとるから一時間後に

長官室へ来て起こしてくれとおっしゃったので」



「そうか・・・」



南雲はベットから起き上がると足を見た。

さっきの夢の中のように宙ではなく、

しっかりと地面についている。



「今はどの辺りだ?」



「はっ、今は北太平洋のど真ん中です」



やはりあれは夢かと考えたが、

それを聞いて南雲は入口の扉を開き艦橋へ行く。



「閣下、よく眠れましたか?」



そこで最初に迎えてくれたのは源田実中佐であった。



「あ、あぁ」



南雲はあの夢の事を言おうとしたが、その考えを頭から消す。

自分でもあの夢の内容はあまり分からないからだ。


とそこへ、扉がバン、と大きな音を出しながら開いた。



「閣下!連合艦隊司令長官より電文が!」



入ってきた士官らしき兵士がそう言う。



「なに?例の通告にしては早すぎるな」



現在第一航空艦隊はハワイ作戦を悟られぬべく無線封止を行っており、

無線封止が破られるのは開戦か否かの通告の時だけであるはずだった。



「まぁいい、読め」



「はっ!宛 第一航空艦隊

発 連合艦隊司令長官山本五十六

帝都空襲ヲ受ク

コレハ演習二非ズ

敵艦隊ハ小笠原諸島付近二存在スル模様

第一航空艦隊ハ作戦ヲ中止、

タダチニ引キ返セ」



艦橋内の時が止まった。

誰もが目を合わせる。



「そ、それは間違いではないのか?」



戸惑いを隠しきれていない士官の一人が言った。



「いや、演習に非ずとありましたから、

間違いではないでしょう」



「しかしいったい何処が・・・」



「アメリカだ!アメリカに決まっておる!」



機動部隊参謀長の草鹿少将が叫ぶ。



「閣下!帝都空襲はアメリカの仕業です!

報復にハワイをやりましょう!」



南雲は黙って聞いていた。



(もしや・・・あの夢は・・・)



彼は仮眠の時みたあの帝都が攻撃を受けている夢を思い出す。

あれは現実、あるいは予知夢だったのだろうか?

南雲は確かめるべく、報告に来た士官に聞いた。



「君、敵はどこの国か電文にあるかね?」



「それは敵は不明とありますが・・・」



「・・・全艦に通達、

ハワイ作戦を中止、本土に引き返す」



南雲のその言葉に周りの参謀が驚き、

その決断に反対するかのように草鹿が言った。



「閣下!なぜです!」



「帝都が空襲を受けたんだ。

戻って本土を守らねばならん」



「しかし帝都が空襲を受けたというのに、

報復もせずに黙って帰るとは帝国海軍の

名折れです!」



「ばかもん!帝都が空襲を

受けたというのにその敵を見逃す事こそが

帝国海軍の名折れだ!」



その一喝に草鹿は黙りこんでしまう



ふと見ると源田は未練があるらしく、

何か言いたげだった。

それもそのはず、源田は一年前からこの作戦の立案、実行へと苦労してここまでやってきた。

それなのにここで中止になるということは

まさに彼にとって無念の他ない


「源田君、大丈夫だ。

ハワイは逃げたりしないからな」



南雲そう励ますと、

源田はただ「はっ」とだけ言った



「全艦に通達!国籍不明の艦隊が

帝都を攻撃した!

作戦はただちに中止、これの撃滅に向かう!

これは連合艦隊司令長官の厳命である!」

どうも横山上等兵です。

今回、ハワイ作戦が中止になり、

第一航空艦隊による真珠湾攻撃が

中止になりました。

さて次回はどうなるか・・・

それではまた次回!


ご意見、ご感想、アトバイスをお待ちしております。

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