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第三三話〜軍港攻撃作戦〜中編②

"ドラクロア"に駐留していた異帝軍は当初は善戦はしたものの

元々無理に徴兵された上に士気が低くさらに主力の大半が抜けていたことから

各所で帝国陸軍と少し交戦して相手が強いことが分かると

降伏する兵士が相次ぎ、

約半日が過ぎた時には市街の四分の一を失陥していた。

そして東部では王国抵抗軍が「王国解放」を合言葉に次々に異帝軍を撃破していき、

東部の陥落は敵の増援がない限り確実視された。





"ドラクロア"東部の市街



「撃ち方やめっ」



神岡は敵の拠点らしき商店から約数名の異帝軍の兵士が

手を頭の上で組んで出てきたので発砲の中止を命じた。

この世界では"頭の上で手を組む"というのは抵抗の意思なし、

つまり降伏を示す意思表示らしい。

そして神岡はその敵に軍刀を向けたまま接近して、

大声で怒鳴った。



「降伏するか?」



リアのおかげで言葉が通じないことは全くないので

敵兵は頭の上で手を組んだままゆっくり頷いた。


神岡は軍刀と突きつけながら降伏してきた敵兵を味方の方へと連れて行き、

味方へと辿り着くと神岡はリアを呼んだ。



「リア、そっちの兵士に降伏してきた敵の連行を頼む」



「分かったわ」



リアは抵抗軍の兵を呼び、神岡は降伏してきた敵を引き渡す。


神岡は合流した帝国陸軍一個小隊を加え、

中央部にあると思われる敵司令部を占領すべく進撃をしていた。

その勢いは敵と少し交戦するだけで相手はすぐ降伏してくる程で

さしたる抵抗をほとんど受けず突き進んでいく事ができた。




「あとどれくらいで中央部だ?」



「ん〜、この調子だとあと少しで中央部に着くと思うわ」




「よし、このままの勢いで進むぞ」



そして神岡が前進の号令を掛けようとしたその時だった。



「ワァァァ!」



辺りを包み込むような大音響と共に

進もうとした先の家という家から三十人ぐらいの敵が飛び出してきたのだ。



「なっ!?」



神岡はあまりのことに驚愕したがすぐさま拳銃を構え、発砲する。

まわりの兵士も次から次へと撃ち始めたが

敵は怯むことなく突撃の喚声を上げ、銃を撃ちかけながら突き進んでくる。



「何だこいつら!?」



倉本が絶叫しながら軽機関銃の引き金を引く。

しかしそれでも敵は怯まず、逆に撃ち返してきた。



「擲弾筒あるか!」



神岡はそう叫ぶと、慌てたように陸軍の兵士の一人が

地面に伏せて持っていた擲弾筒を台座の部分を地面に立てた。



「てぇぇーっ!」



ポン、という音が鳴ったかと思うと敵へ手榴弾が飛んでいった。

そして刹那、野砲の着弾音を思わせるような破裂音が戦場に響き渡った。


凄まじい音に驚いた神岡だが家から出た火災の煙を腕で防ぐように前方を見た。

擲弾筒の飛ばした手榴弾による爆煙で何も見えない。

すると数人の人影が見えた。

味方も見つけたのか人影がなくなるまで撃つ。

拳銃の玉を撃ち尽くして新しい弾倉に変えようとしていると再び人影が見えた。

狙いを定めて撃とうした時、

神岡はその人影が先ほど降伏してきた敵兵のように頭の上に手を置いているのに気づいた。



「よ、よせ、撃つな!敵が降伏してきたぞ!」



慌てて神岡は自分と味方に言い聞かせるように言った。

何人かが銃を撃とうとしていたが銃口を下げる。

その人影は近づいてくるにつれて、

異帝軍の兵士だということが分かった。



「こ、降伏する」



その中の異帝軍の兵士の一人が声を絞るように言った。

どうも横山上等兵です。

今回は更新が遅れた割には話が進みませんでしたがいかがでしたでしょうか?


それではまた次回!


ご意見、ご感想、アトバイスをお待ちしております。

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