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第二七話〜果テナキ曠野 踏ミ分ケテ〜前編

年が開けて一九四二年になった。

普通なら新年を祝ったりするために休日になったりするのだが

月月火水木金金である帝国陸海軍が戦地で祝う事をしても休みにしたりはしない。

ましてや

異世界で情報を集めている部隊に休みはあるはずがなかった。



一九四二年一月二日


さて、命令によりこの世界の調査をすることになった神岡だが

何から調べるか悩んだ。


そんな時、リアから"帝国"改め"異帝"と呼称されることとなったハズペリオ帝国の占領に抵抗している者たちとの接触を提案してきた。

現在、抵抗者達は大多数が地下に潜伏していて

彼らは王国復活を願っており

ある者は武器を盗んできたり、またある者は占領軍兵士から情報を聞き出していた。

神岡はこれを聞いてこの抵抗者達との連絡をリアは取り合ってもらったところ、

この世界の情報を教えてもらうことになった

ので

とりあえず一度会う事を神岡は決めた。





という訳で新年早々にもかかわらず軍刀と拳銃、そして持ち運びしにくい三八式歩兵銃を担ぎながら

神岡と倉本、そしてリア以下十名程が

新年を森の中で過ごす羽目になったのである。



「リア、あとどれくらいだ?」



神岡が先頭を歩いているリアにそう言った。

彼らはリア曰く、森の出口付近にいるらしいが

歩けど歩けど森から出られそうな出口が見えない。



「あと少しよ」



そう森の木々の間を軽やかに飛び跳ねながら

進んでいるリアが答えた。

その軽やかぶりは歩きになれている皇軍将兵である彼らも目をみはるべきほどだ。



「しかし・・・本当にこの方向であってるのか?」



森に入った当初はまだ平らな場所だった森が

進むにつれて石や草木が多く見られ、

段々と険しくなっており、

思わず神岡は不安げに言った。

それにリアは素っ気なく応じる。



「大丈夫よ」



「本当にか・・・」



神岡は確か森はそれ程大きくはないと聞いていたが

幾ら何でも時間がかかりすぎているような気がしていた。

しかしこの辺りの地形が唯一分かるリアがそういうのであれば

神岡とて黙る他なかった。






さらに歩くこと数時間、陽はすでに高く上がっており

周りの風景も入った直後に戻りつつあったが

未だに出口が見えなかった。



「まだか神岡?」



三八式よりさらに重い軽機関銃を担いでいるのに

少ししか息を切らしていない倉本が神岡に疑問をぶつける。

すると数時間前とかわらずに汗一つ流さずにいた神岡が口を開いた。



「・・・リア、まだか?」



それを聞いた前方でだいぶヘロヘロになりながらも

神岡一行に合わせながら歩いているリアが

途切れ途切れに言った。



「こ、この丘をの、上ったら抜けれるわよ・・・」



そして気力を振り絞るかのように丘を一歩ずつ進む。

そして丘を登りきった先には広大な草原が広がっていた。



「や、やっとか〜」



その草原の凄い広さよりも森を抜けれた感動の方が大きかった倉本がそう言いながら座り、

周りの兵士も見習うかのように座り込んだ。

ただ神岡とリアだけは立ったままである。



「リア、それで協力者とは連絡を取れるか?」



「ち、ちょっと待って」



するとリアは腰に掛けてあった袋から何やら

水晶玉のような物を取り出した。



「何だそれは?」



「いいから見てなさい・・・」



そしてリアは水晶玉に何か話しかけるかのように喋り始める。



(何をしてるんだ?)



一見すればただ独り言を喋っているだけにしか見えない。

あの水晶玉が連絡を取るための道具とはどういうことなのだろうか?

すると独り言を終えたリアが言った。



「神岡、仲間に今この場所を教えたから

あと数分もすれば迎えがくるわ」





どうも横山上等兵です。

今回は更新が遅れに遅れ、しかもなんか中途半端に・・・

しかし応援してくれている方々のためにも頑張って行こうと思いますのでよろしくお願いします。

それではまた次回!



ご意見、ご感想、アトバイスをお待ちしております。

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