第二六話〜帰還後〜
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あの"巨人"を神岡が撃破したのと同時に
敵は戦意を喪失してその場で降伏するか、逃亡をした。
降伏してきた者を神岡はリア達と共に連行を手伝ってもらい
そして連行後、神岡は部下と共に治療を受けることになった。
十二月三十日 王国残党の村"デルエコンタ"特設野戦病院
「ふぅ」
神岡は野戦病院の壁にもたれかかりながら一息つく。
野戦病院といっても兵舎として利用する予定だった村の家の内二軒を
使用しているにすぎないものだったので
環境自体は良いとは言えなかったが第一○一連隊は
本土に配置されていた部隊なので
幸いにも麻酔等の医薬品はあり、
また"えるふ"達が奇怪な魔術を使って手伝ってくれたこともあって
何とか部隊の負傷兵全員が治療を受けれた。
「神岡、ちょっといい」
不意に横から聞き慣れた声がし、首を傾けるとリアがいた。
「リアか。どうした?」
「どうしたって貴方の怪我が気になるから来たんじゃない」
神岡はあの戦闘では気づかなかったのだが
帰還途中、背中に小銃の弾らしきものによって作られた銃創があることが分かり、
そのため背中には包帯が巻かれている。
「そうか、心配をかけてすまんな」
神岡はそう返した。
そして二人とも話題がないせいか会話が続かない。
「あの・・・」
「神岡中尉でありますか?」
リアが何か言いかけたが突然現れた一等兵に遮られた。
「ん、なんだ?」
「連隊長殿がお呼びになっております」
「分かった」
神岡は立ち上がりその場を後にした。
さて神岡は悩んでいた。
報告なら帰還してからすぐに済ませており、
咎められるようなことはしていない。
せいぜい思いつくことと言えば
あの未だに存在が信じられない"巨人"に関する事ぐらいである。
「やはり"巨人"のことか・・・」
森から鎧を着た"巨人"がいきなり現れて
我が小隊が損害を蒙った、というのは
普通なら誰も信じはしないだろう。
だからこそ彼は脚色せずに報告したのだが
やはり駄目だったのかもしれない。
そうこう悩んでいる内にいつの間にか連隊長のいる部屋の前まで来てしまった。
「・・・仕方が無い」
覚悟を決めて入口の戸を叩く。
「神岡中尉、参りました」
「入って来い」
戸を開けて入ると連隊長が古そうな机を前にして椅子に座っていた。
その机の前で神岡は直立不動になる。
「さて、君を呼び出した理由についてだが
昨日の報告についてだ」
やはり、と神岡は思う。
さすがに"巨人"については報告しない方が良かったか、
と後悔したが仕方が無い。
「お言葉ですが、自分はありのままに報告しました。
咎められる筋合いはないと思います」
「いや、報告の事自体で呼び出した訳ではない」
「は?」
連隊長の言葉に神岡はひどく困惑した。
ならば尚更のこと、ここに呼びつける必要は無いはずだ。
すると連隊長はその困惑を見透かしたように続けた。
「君の"巨人"についての報告を含めて上に伝えた所、
どうやら上も上で困ってるらしい。
帝都が謎の化け物に空襲されたことも考えると
貴様の言っていた"巨人"もいるかもしれない、とな」
「は、はぁ」
「しかし情報が余りにも不足しているので
今後の判断が出来ないらしく、
この際に現地に派遣されている部隊から適任者を選び出して
情報収集をその適任者に任すことになったそうだ」
ここまで言われれば誰でも察しはつくだろう。
冷や汗を流しながら神岡は口を開いた。
「まさか・・・」
「そうだ、これからは君に現地の情報収集の任務についてもらう」
そう連隊長は有無を言わせないように言った。
どうも横山上等兵であります。
今回は執筆がとにかく苦労しました。
それではまた次回!
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