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第二四話〜歩兵ノ威力ハココナルゾ〜前編

"えるふ"の協力者から通報によると敵は100名前後でどうやら先遣隊らしく、

これを受け連隊司令部は神岡率いる小隊に敵の足止めと可能ならば撃滅せよと命令した。


この命令にはまだ現地の人や"えるふ"を信用できず

経歴に汚点のある神岡にやらせ失敗しても惜しくはない、

という空気があったのは否めず、

それを神岡は感じ取ってはいたが気にせずに

直ちに出撃した。




異世界 巨木の森



「あれが帝国の先遣隊か」



草で体を擬装して草むらの中に隠れている神岡は静かにそう言った。



「耳長の奴ばかりだな・・・」



と隣で神岡と同じように草で体を擬装して軽機関銃を持っている倉本が言う。


神岡は事前に帝国の軍隊の組織等についてリアから聞いており

その話によると敵の帝国軍には色々な種類の物の怪がいるらしく、

例えば上陸作戦の時に姿を見せた"赤鬼"や

神岡達のように人間もいるらしいのだが

本隊や精鋭部隊には殆ど編成されているのが"えるふ"で

かなりの強さを誇るらしい。

しかし最近では後方に配属いるため士気が低いらしいが。



「まぁ、とりあえずは目の前の敵だな」



と、神岡はそういった組織より目の前の敵に集中する事にした。

というより敵に集中しないとあの上陸作戦の時と同じように

緊張のあまり何かを吐いてしまいそうになる。



「で、どうするんだ?」



倉本がそう聞いてきた。

その額には汗が滲んでいる。



「いいか、敵は幸いにも此方には気づいていない。

俺が合図したら倉本以下四名は手榴弾を投げろ。

それで敵が混乱した隙をついて突撃する」



「分かった」



倉本の背後で待機していた兵士達も一緒に頷いた。

一方敵はまだ気づいてないらしく、段々と近づいて来る。



「まだだ・・・」



敵との距離が近づくにつれて手榴弾を持っている倉本達は今にもそれを投げそうになるが神岡はそれを抑え、

そしていよいよ敵の兵士の顔がはっきり分かるほど近づいた時に神岡は叫んだ。



「今だっ!」



それを合図に倉本達が一斉に安全ピンを抜いて起爆筒を叩き手榴弾を投げた。

手榴弾は弧を描いて飛んでいき、

そして手榴弾は敵の集団の中へと放り込まれ炸裂、"えるふ"を多数吹き飛ばす。



「行くぞ、突撃っ!」



神岡は持っていた軍刀を抜いて草むらを飛び出し、

それに見習うかのように背後にいた兵士達も銃剣を光らせて突撃を開始した。


敵は最初は思わぬ攻撃に驚いているらしく

大半が驚いて動けなかったりと

散発的にしか抵抗できておらず、

すぐさま木の陰に隠れて応射してくる者もいたが

それでも撃退出来るほどの弾幕は張られていない。


そして激突。


たちまちお互い銃剣で突いたり銃底で殴り合い、

血しぶきが森の中に舞う乱戦になった。


神岡は抜いていた軍刀で最初は銃をまともに構えていなかった敵兵を叩き切り、

次に後ろにいた敵を突く。

そうしている間にも味方が次々と敵と切り合わせていき押していってる。

すると敵兵の一人が背後から銃を振りかざして殴りにかかってきた。

即座に神岡は振り向いて横に一閃、

その敵兵は銃を持ったまま、もんどりうって倒れる。


敵は数こそ上だがもともと士気が低く、

しかも不意を突かれたこともあって逃げ出す兵士が出はじめ、

ついに敵は次々となだれを打って敗走していった。



「ハァハァ・・・」



神岡以下、生き残った兵士は黙ってそれを見送る、

というよりそれしか出来なかった。

軍刀はすでにボロボロになっていて、

銃剣は折れているものが多かった。


しかし勝ったことは分かり、

敗走していく敵兵を見ながら諸手を挙げて

「バンザイ!」と全員で叫んだ。






刹那、



ピィィィゥン



そう上陸作戦の時に見た"紫色"の光と共に森の奥から何かが飛んできた。

それは神岡達のすぐそばで轟音を上げながら

爆発する。



「ぐっ!?」



神岡もそれに吹き飛ばされて思わず倒れた。

そして奥から出てきたのはーーー



一体の西洋の鎧と槍を持っていた"巨大な人"であった。

どうも横山上等兵です。

今回はいかがでしたか?

戦闘の描写は相変わらず難しかったです・・・

さてさて次回は突如現れた"巨大な人"、

一体神岡率いる小隊はどうなるのか!?

それではまた次回!


ご意見、ご感想、アトバイスをお待ちしております。

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