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第二十二話〜米国ノ動キ〜後編

ホワイトハウスの執務室に

今のアメリカ合衆国を動かすことが可能な

メンバーが集まっていた。


陸軍からはジョージ・マーシャル参謀総長と

ヘンリー・スチムソン陸軍長官が、

海軍からはアーネスト・キング海軍作戦部長と

フランク・ノックス海軍長官が出席し、

そしてルーズベルト大統領と国務長官のハル、

OSS(米国戦略情報局)のウィリアム・ドノヴァン少将がいた。



「それでは会議を始めようか」



ルーズベルトが言った。



「OSSから日本に関する事で何か情報は入っておるかね?」



そう言われ口を開いたのはドノヴァン少将だった。



「・・・残念ながらトウキョウが攻撃を受け、

海軍がそれを撃破したということ以外は

何も掴めておりません。

ジャップは珍しくも今回の件では

情報封鎖等を行っているので派遣している情報員の

活動に大幅な制限がかかっておりますので」



「そうか、では海軍はどうかね?」



「大統領閣下、我が軍もOSSとほぼ同様の事しか分かりませんでした」



そう言ったのはノックス海軍長官だ。



「ジャップの海軍の使っている解読した暗号をも

念入りに調べましたが

何もわからなかったというのが現状です」



海軍には情報局というのがあって

そこでは色々な活動が行われており、

その活動の一つに日本の外務省及び海軍の電報を

傍受して解読を行なっている。

そこで得られたものは非常に役に立っていたが

今回の件だけは分からなかったらしい。



「しかしここまで奴らが隠していることは

一体なんなのでしょうか?」



ノックスの発言にマーシャルは困惑したように言った。

それを見たルーズベルトはハルと顔を合わせるとお互い頷く。



「さて諸君、実は日本で起きていることについて

重要な事を知っている人物を別室に待機させてある。

ここで諸君の同意があればここへ呼んでも構わないかな」



部屋がざわめいた。

しかし大統領に異論を言おうとする者はいない。



「それではハル、連れてきてくれ」



するとハルは一旦部屋を退出して、

鞄を持っている一人の男性を連れて戻ってきた。



「彼は英国から来てくれた特別な人物で

今回の件で重要な事を我が国に知らせにきてくれました。

呼び名については"ミスターC"と及びください」」


ハルが彼を紹介し、後ずさる。



「英国から来たと言っておりましたが、

日本ついて何かご存知なのですか?」



マーシャルの問いに"ミスターC"は頷いた。



「今、日本で起きていることについてですが

率直に申し上げましょう。

ずばり日本を襲ったのは怪物(モンスター)です」



部屋が先ほどより遥かにざわめいた。



「・・・貴官は正気か?

日本を襲ったのがモンスターだと!?

ふざけるのも大概にしろ!」



キングが思わずが怒鳴り散らすが"ミスターC"は顔色一つ変えない。



「ではキング作戦部長、こちらを見ていただきたい」



すると"ミスターC"は持っていた鞄を開けて、

一枚の写真を取り出し、キングへと差し出した。


キングは黙ってそれを受け取り、

見終わると驚いた顔になっていた。



「こんなトリックか何かか・・・」



「そこにある写真は本物ですよ」


その写真には、まさに"ドラゴン"と呼ぶのに相応しい生物と

それに跨っている人が写っている。

米国も日本に大使館を中心として情報網を

張り巡らしていたはいたが

このような情報は掴んではいない。

もっとも大使館があの日の空襲によって

炎上してしまったという事を日本を通じて知ったのが。



「しかし、どうやってこの事を・・・」



「英国情報部を舐めないで頂きたいものですな」



そう"ミスターC"は誇らしげに言った。




彼の正体は英国に数ある情報局の一つ、

英国情報局秘密情報部"MI6"の長官、

スチュワート・ミンギスという人物であった。


英国というのは情報を武器として

世界各地を次々へと制覇していった、

と言っても過言ではなく

今では大英帝国の栄光も衰えてはいたが、

それを支えていた情報網は健在であり

こうして日本で起きていた事も正確に掴んでいたというのは

まさに驚嘆の一言に尽きる。



「しかしなぜこの事をわざわざ我が国に?」



「これを伝えると決めたのは我が大英帝国首相のチャーチル氏です」



「というと?」



「日本海軍はどうやらこの不明の敵との海戦で痛手を食らったらしく

暫く日本は海軍も陸軍も動かないでしょう。

ならば動けない日本をいくら挑発しても無駄でしょうから

別の方法での米国の対独参戦を考えて欲しい、との事です」

どうも横山上等兵です。

今回はいかがでしたか?

次回は異世界での神岡達に視点が戻ります。

そして目標として12月8日に投稿できたらなぁ・・・

と思っております。


それではまた次回!


ご意見、ご感想、アトバイスをお待ちしております。

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