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第十九話〜神岡、驚愕ス〜

この話の副題

〜日本御都合主義〜

「そういわれてもな・・・」

神岡は戸惑いながら目の前にいる

リアという娘とリドリーにそういった。





あの後、神岡は自分達の素性や

どうしてこんな所に来たのかを詳しく話した。


すると急にリドリーと"魔法"という物で

言葉が通じるようになったリアが

いきなり頼みたいことがある、

と言ってきたのだ。


あまりに急なことに戸惑ったものの、

神岡は話を聞くとこの島には

昔テコバレイア王国という国が存在していたのだが

突然ハズペリオ帝国が侵攻してきて敗北、

現在はその帝国の占領下にあるそうで

自分達はその帝国に対する抵抗組織の

一員だと明かしてきたのだ。


そして最近、占領軍の動きが慌ただしくなったので

リドリーが調べたところ、帝国軍が敗れたと聞き

しかもすでに上陸しているらしい、という

情報を得た。


これを聞いた元王国の女王は

ハズペリオ帝国の支配下から脱する好機と考え、

世話役だったリアは元王国の女王から

密命を受け、自分達を探していたのだと言う。


もちろん帝国軍の兵士に見つかってはならず、

慎重に探していたらしいので神岡は、

(だからあんな所に隠れていたのか・・・)と

一人、納得していた。


それはさておき、事情を聞いた神岡は思わず

「そうはいわれてもな・・・」と言った訳である。





「自分は一介の兵士ですし・・・」



神岡は余りにも重大な事なので

何とか断ろうとしていた。


確かに彼らから話を聞いて、

その帝国からこの人達を助けたい、

という気持ちはあったのだが

もし独断で助けようものなら最悪、

その帝国との全面戦争に発展するかもしれない。


そうなると前回の東京空襲の様な惨事が起こり、

本土に敵が上陸してきて戦場になる、という

事が起こりかねなかった。


もちろん精強なる我が帝国陸軍や

無敵連合艦隊が総力を上げて阻止に動くだろうが、

神岡は敵の巨大な鳥が民間人を無差別に

襲うなんていう物は見たくない。


それに対してリドリーとリアも国の命運が

掛かっているので一歩も引かない。




「いや、こうしている間にも

帝国の圧政によって犠牲者が出ておる。

それから早く助けたいんじゃ!」



「そうよ、だからお願い!」



神岡に食い入るかのように詰め寄ってきたがそれを見て神岡は急に雰囲気を変え、こう言った。



「・・・リドリーさん、リアさん、

あなた方の国や国民を思う気持ちはよく分かります」



「なら・・・!」



「しかしあなた方が背負っている物の様に

私もあなた方と同じように背負っている物があるんです。

わかってください」



「・・・しかし」



リドリーが何か言おうとしたが、

それを聞くそぶりを見せずに

そのまま小隊が集まっている方へ向かった。


すると倉本が納得がいかないような顔で

話しかけてきた。



「おい、助けないのか?」



「俺たちの任務は情報収集と現地人との接触だ。

助けろとは命令されてない」



「しかし!?」



倉本が声を荒げたが神岡は素っ気なく答えた。


「くどい」


倉本はその一言で黙り込み、

そしてそのまま小隊を集めて

引きかえそうとした時だった。



「待って!」



声を上げたのはリアだった。



「あなた、確か情報を集めてたのよね。

それならとっておきの場所があるんだけど」



すると神岡は振り返った。



「それが?」



「そこはね、私たちの秘密の場所なの。

そこを見ても遅くはないと思うわ」



それを聞いて神岡はほんの少し考えて込む。



「・・・分かりました。

そこを見てからにしましょう」







神岡率いる小隊はリアの言う秘密の場所へと案内をしてもらうことになり行軍していたが、

道中には山あり谷あり沼ありで

さすがの皇軍である神岡と倉本以外、

道のりに苦戦していたが、

リアやリドリーは顔色一つ変えずに

上り下りしていた。


そしてさらに将兵を苦しめていたのが

歩くに連れて強くなる異臭である。


しかしそれ以外特に障害はなく

そして約一時間が経過しようとしていた。




「まだか、リア?」



「え〜と、もう少しで・・・あった!」



リアがそう言いながら指をさした先には

木々がない場所があり、

そこから異臭が立ち込めてきた。



「なんか臭いな・・・」



「あぁ・・・」



神岡と倉本がそんな感想を述べていたが

リアは構わず言った。



「着いたわ」



「・・・何かすごい臭うんだが」



倉本が鼻をつまみながら言った。



「見て驚かないでよね」



リアはそう言って神岡の腕を引っ張っていく。



「足元を見てみて」



そう言われるがまま、神岡は足元を見ると

地面から何やら滲むように

水らしきものが出ていた。



「これは?」



「これはね、ただの水じゃないわ。

なんと、燃える水なのよ!」



エッヘン、と誇らしげにリアは語った。



「・・・は、はぁ」



聞いていた倉本や兵士達は

そう答えるしかなかった。


そこから出ている燃える水というのは

本当にごく少量しか出ておらず

何に役に立つのか分からない。




しかし神岡はこれをみて絶句していた。



なぜならそれは神岡の記憶が正しければ

国家の血液と呼べる代物ーーー







原油だったからである。


どうも横山上等兵です。

今回はいつもより早い更新に

なりましたがいかがでしょうか??


さてこの世界で神岡率いる小隊は

まさかの原油を発見しました。

この後、日本はどうなるか・・・


それではまた次回!!


ご意見、ご感想、アトバイスをお待ちしております。

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