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第一八話〜異世界人、日本人ト接触ス〜後編

どうもお久しぶりです。

久々の投稿になりましたが

なぜこんなにも遅れたのかと言いますと、

スランプに陥っていたり、

外伝を執筆していたり、

テスト勉強に励んでいたりetc・・・

まぁほぼ九割が個人的な理由です。

すいませんでした。


それでは久々の"異界の日章旗"をどうぞ!!

森の中で起きた大日本帝国陸軍と

異世界人との初めての接触の結果は

散々たる物であった。


神岡中尉の頬にはその証である真っ赤な

手形の紅葉がある。



「何をやったんだ?」



倉本が呆れたかの様な口調で神岡に

なぜその様な状態になったのかを尋ねた。



「お、俺は何も知らんぞ・・・」



神岡からしてみれば草むらを覗いて見たら

何故か人がいて叩かれたのだから

状況は全く把握できていない。



「$€#、#%=£&@&!」



先ほど神岡を叩いた女性は

駆けつけていた兵士に取り押さえられ、

それからずっと何かを叫んでいた。



「なぁ神岡・・・何言ってるか分かるか?」



「さぁ、俺も何を言ってるか分からん」



神岡を叩いたこの女性にその時の状況を

聞けば何か分かるかもしれないが

ここにきて新たな問題が発生していた。



言語である。



神岡と倉本は陸士出身だけあって

ドイツ語は勿論、当時としては珍しく

片言程度であるが英語等もある程度は出来た。


しかし取り押さえた女性は

どの言語にも当てはまらない言葉で喋っており、

何を言っているか理解できないのである。



「で、どうする神岡?

このままじゃ埒があかんぞ」



「・・・・とりあえず連隊本部に

「あんた方待っとくれ!!」・・・!!」



連れていくか、と神岡が言おうとした時、

突然聞き慣れた言葉と年寄りらしき声が

聞こえてきた。


あっけにとられて振り返ると

森の奥から一人の老人が

ものすごい必死な顔で走ってきた。


そして小隊の兵士達には目もくれず

ゼェゼェ、と息を切らしながら

神岡達の目の前まで来て止まる。



「誰だ貴様」



倉本が警戒しながら老人に言った。



「わ、儂はすぐそこの村の村長をやっておる

リドリーと申すものじゃ。

その子は儂の知り合いでな。

頼む、幾らでも金は払うからその子を放してくれ!」



リドリーと名乗った老人はそう言うと

いきなり土下座して必死に頼み込みはじめた。


その老人を見ていた神岡は一応、

兵士に取り押さえるのをやめるように言い、

そして拘束されていた女性は

拘束が解かれたと同時に老人の背後へ行き

縮こまった。



「おぉ、ありがとうございます。

お礼は何なりと・・・」



「とその前に貴様はなぜ我々の言葉が

通じるんだ?」



神岡は先程の様子を見ていて、

どうやらこの老人は拘束していた女性と知り合いらしく、

という事は言葉も同じものを使うはずである。


そう考え、言葉が通じないはずにも関わらず

なぜこうして老人だけ通じているのか疑問に思い、

とりあえず尋ねた。




「あんた方は魔法も知らんのかね?」



「・・・はっ?」



老人の答えに神岡達は呆気にとられた。



「貴様、俺たちとおちょくってるのか!」



"魔法"というふざけた答えに激昂した倉本は

ガチャッ、と持っていた軽機関銃を

老人達に向けて構えようとしたが、

神岡の手に遮られた。



「下ろせ、倉本」



「いやしかし魔・・・」



「もう一度言うぞ、下ろせ」



すると倉本は大人しく銃を下げ、

後ろに下がった。



「すいません、今のは気にしないでください」



そう言って深々と神岡は頭を下げた。



「あぁ・・・しかし魔法も知らんとは

何処か遠くの傭兵かね?」



「そういえば自己紹介がまだでしたね。

自分達は大日本帝国陸軍第一○一歩兵連隊所属

の神岡 悠斗と申します」



「"カミオカ"というのか。

では改めて自分はリドリーという者じゃ。

こっちの娘はリアという」



「ではリドリーさん、リアさん、

よろしくお願いします」



そして神岡はリドリーと握手した。





こうして大日本帝国陸軍と異世界での

協力体制が出来たのであった。

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