第一話~始マリ~
亜細亜の強国"大日本帝国"ーーー
その国は一九世紀の開国以来、急速に発展していき、
その過程で幾つもの隣国との対外戦争を経験し、
今や列強の一つに数えられる程成長していた。
しかし二○世紀に入り、
亜細亜進出を目論む東の大国"亜米利加合衆国"との対立し、
徐々に追い詰められていく。
そして時は昭和一九四一年一一月、
亜米利加に突きつけられたハルノートにより
追い詰められた大日本帝国は、
開戦を決意しようとしてしたーーー
一九四一年一一月 伊豆諸島沖
周りに地平線しか見えない海に漁船改造の特設監視艇一隻が哨戒の為に海に浮かんでいた。
「ふぅ・・・」
漁船の乗組員の一人が息をついた。
彼は領海内を哨戒任務のため、
陸地から離れて機銃を積んだ漁船に乗っていた。
そしていつまでも海を眺めているのは敵を見つけるためだ。
しかし現在大陸にて交戦中の支那軍閥がここまで攻めてくるはずがなく、
米国や英国とはきな臭い匂いはあるものの、今は攻めてくる気配はない。
なのでこの水平線が広がる何もない海を眺めている他にやることがなかった。
「今日も異常なし、か」
いつも通り異常が何もないと思い、
船室に戻ろうとしたその時だったーーー
ピカッ!!!
ズゴゴゴゴゴ!!!!
突然地平線が光り、辺りが照らされたと同時に船が木の葉の如く揺れだす。
「うわわわ!」
彼は突然の事に何が起きたか分からず、
船から振り落とされないよう何とかしがみつくしか出来ない。
そして必死にしがみついていた時、何もなかった筈の海に見たこともない物が現れていた。
「な、なんだありぁ!?」
すると船室から飛び出すように誰かが出てきた。
「おい、今のはなんだ!?」
出てきたのはこの船の艦長だ。
「あっ、あれです!」
彼は海に現れた何かに指をさした。
船長はそして絶句する。
「な、なんだあれは?」
ベテランである彼は当然彼より海に関しては詳しいのだが、
そんな彼でも判断がつきかねた。
そう、海に現れたら何かは、
言うなれば巨大な"門"の様なものだからだ。
船長はその事について報告すべきかどうか迷った。
"海に門らしき物体が出てきた"と報告しても
気が狂ったとしか思われないはずだからだ。
そう迷っていると門から船らしき物が数隻出てきた。
しかもその船は外国で探しても見つからなさそうな形状をしている。
そこでようやく彼は報告を決心した。
「おい、横須賀の鎮守府に打点しろ!」
そう言おうとしたが、また奇怪な事がおきた。
謎の船の前部が"紫色"に発光し、
船の周りに巨大な水柱が上がった。
「こ、攻撃してきた!」
「おい、早く連ら・・・・」
船長は言い終わる前に船に何かが命中、
彼らは海の藻屑となり、二度と浮かび上がることがなかった。
どうも横山上等兵です。
今回、いよいよ記念すべき第一話を
投稿させてもらいました。
国語の成績が悪い作者ですが
よろしくお願いします。
それではまた次回!!
ご意見、ご感想、アトバイスをよろしくお願いします。
2013.3/26 話を修正しました