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忍び寄る影

世界の狭間での出来事。形容し難いその物たちは考えた。


「このどうしようもなく歪んだ世界は一度滅びなければならない」


「ならばどうする?」


「龍を解き放つ」



ただただ淡々と滅びを決行しようとする物達。龍となりし者達はどう動くのだろうか。

滅びの期限リミットは、着実に。近づいてきている

「私にも探知能力はありますよ。龍斗サンと違ってあまり発達はしていませんがね。それより…」


今僕と堺人は江流弩荘に戻ってきている。そして僕たち3人意外誰もいない居間で、ヒイロから説教を受けているところだ。


「黄泉川も黄泉川よ。こんな手紙おいといたら誰だって勘違いするに決まってるわよ!頭おかしいんじゃないの?!」


怒りのあまり口調まで変わっている。居間の彼女は龍ではなく鬼にしか見えなかった。


「ハイ…返す言葉もありません…」


あまりの迫力にただただ萎縮する黄泉川。助け舟を出すわけではないが、そこで僕は気になっていたことを質問する。


「そういえば二人は知り合いかなんか?初対面ではなさそうな雰囲気だけど」


「ハァ…クラスメイトですよ。真に遺憾ながら。そして私のことも気づいていたようです。龍化者探知能力は龍斗サンよりも優れているようです」


「ひでぇ…まあ半径4キロ位なら大雑把だけど分かるよ。ただ範囲は広けれど詳細情報まではわかんないけど」


個性豊かな、という感じなのだろうか。龍化者にも本当にいろいろなものがいる。まだ3人しか出会っていないが。


「なるほどな。そうだ、二人は今落着いているか?時々理性が振り切れてしまいそうにならないか?」


「どういうことです?」


「さっき僕は理性が完全に振り切れてた。自分で感情をコントロールできなかったんだ。ヒイロが来てくれてなかったら多分この街は焦土になってただろうと思う…」


自分自身の力の度合いはよく分からないが、少なくとも都市一つ灰にできる自信はあった。しようとも思わないし、自慢にもならないのだが。


「怖ぇ…確かに、あのときの龍斗サンはなんか獣じみてた。なんかおかしいなとは思ってたけど…今んとこ俺は大丈夫」


「それが私達にも適用されるなら…これは由々しき事態ですね…私も大丈夫ですが…」


「龍化者が3人も集まったんだ。よくよく考えれば何か起こらないほうがおかしいよな」


そうだ。人外が集まるときは大概何か大きな戦いの直前だったりする。


「一応確認しとくけど…黄泉川は敵意はないのか?」


「敵意があったらとっくの昔に血まみれになってるよ…どっちもだろうけど」


「3人目の龍化者か…なにかいやな予感がするな…」


彼らの危惧は現実のものとなるのだろうか。天のみぞ知ることである。天気が急に悪くなり出した。ゴロゴロと不吉な雷の音が、そう告げていた。









ここはどこか。形容し難い空間の中だ。言葉で言い表せない空間の中、二人の人らしき物が言葉を交わしていた。


「龍は何匹集ったのだ?」


「現在5匹が接触、残り4匹が個々に活動しています」


「そうか。何もないのも面白くはない。こちらで少し茶々を入れてみようか…フフフ」


空間が歪む。人のようなものの狂気に反応しているように。







「雷龍を動かせ!」



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