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青い空、白い砂浜、そして天使達  前編

いやー疲れました。なにがって、そりゃキャラに着せる水着の資料探しにです。だから遅れたんや……堪忍やで。ぶっちゃけ後半キャラの水着きめてなry


4WDの車内は丁度向かい合わせに座れるバスのような座席となっていた。



現在4WDは高速道路を移動している。乗客たちは思い思いの時間を過ごしている。あるものは持ってきていたお菓子をみんなとシェアして食べている。あるものはビニール袋を顔の前へ構え、青ざめている者もいる



「大丈夫? アンタ」


「だ、大丈夫よ……ちょっと幻覚薬飲んだみたいな症状でてるけど…」



  一般的に言うとそれは大丈夫ではない。車に酔ってダウンしているのはオカマスキンベッドこと斬隠 蒼頭流 梅剣である。名前はかっこいいのに、色々と残念だ



「ねぇねぇ、これ食べる?」



 恋が気分の悪そうな梅剣に持っていたお菓子を差し出す。聖母のような表情だ、純真な心遣いに癒される。アメとか酔いを緩和してくれるものだろうか



「あら、ありがとう……」



梅剣の手に乗っていたのはまごうことなきサラミだった。



「え、遠慮するわ……き、気分がいいときになら貰うんだけど……うぷっ」


「ちぇー」



 こいつ、確信犯か?! やっぱり姉妹は姉妹か…そう思った瞬間



ダガン!!  チュイン!



「あら? 何か失礼なことでも思ったのかしら?」


「なんでもないですハイ」



 鉛玉が飛んできて僕の頬を掠め、車の窓ガラスにひびを入れた。なんか前のほうで『私の車がァァァ!!』とかいう絶叫が聞こえたような気がするが、気のせいだろう。これ以上はマズい。流れ弾的な意味で



「恋と言ったな、アメ食べるか?」


「たべる!」


「あ、私もー!」


「イチゴ味ある?」


「任せろー」


 さらっと恋をアメで手懐けている茶倉。しかも一昔前の棒付きキャンディーである。どこで手に入れたんだ。大家さんと春沙さんも揃ってキャンディーをペロペロしている。


と、隣に座っていた花華が話しかけてきた



「り、龍斗様?」


「ん? なんだ花華」


「よ、よければお菓子などいかがでしょう?」


「マジ? ありがと。丁度口寂しくなってたトコなんだよ」



 差し出されたのはクッキーだ。透明な袋に小さなクッキーがたくさん入っている。緑や茶色の色のクッキーも混じっているが、抹茶味やチョコ味もあるということだろう。ひとつつまんで食べてみる。


 美味しかった。どうやらプレーンだったらしい、素朴な甘さが口の中一杯に広がる。安心感のある甘味だった



「うん、うまいなこれ。あ、これやるよ、アーモンドチョコ」


「は、はい! ありがとうございますの。よ、よかったですの…」



 自分の荷物からアーモンドチョコを出していると、ボソッと聞こえたほっと安堵するような独り言。もしかして



「これ、手作り?」


「ふぇ?! は、はい! そうですの!」


「わざわざありがとな」


「はぅぅ…」



 クッキーの旨さに頬を緩めてると、花華は顔を赤くして俯いてしまった。嬉しかったのか、口角を上げ、ニヤニヤしている雰囲気があった。


 最近花華が僕に対する態度がどんどん軟化していってる気がする。そのうち液化しそうな勢いだ



 女の子が3人揃えば姦しい、か。そんなことを思っていると僕の正面に座っていた知らない女の子が口を開いた。



「チッ、だらしのねぇオカマだ。梅剣お前走って点いてきたほうがよかったろ。できねぇこともないだろうし」



 口が悪い女の子だ。銀色のショートヘアー、何事にも興味なさげの赤い瞳。彼女もおそらく龍殺しのメンバーなのだろう、常人ではないオーラを放っているような気がする。そしてどことなく似たような人を知っているような…



「そんな無茶……でもないのか? 龍殺しメンバーみたいだし……てか、君とは初めましてだよな?」


「それがどうした。化け物がアタシに話しかけるな」



 なんだろ、僕この娘によく似た人知ってる。僕の隣の隣の席に座ってる人みたいな



「あら? なぜこっちを見るのかしら」


「気にするな蘭」



 若干殺伐としているとマイナさんが助け舟を出してくれた



「一応紹介しておくわ、彼女は蒼空ソラちゃん。最近ソロモン隊長の部隊に配属された人外殺しのベテランよ」


「うるさいな……もう話しかけるな。私は寝る」



 なるほど、彼女から感じたのは殺気の類だ。蘭とそっくりの、戦闘狂の気配。類は友を呼んだのだろうか



ヒュッ  ドカッ!!



「何か失礼なことでも思ったのか?」


「なんでもないですハイ」



刃渡り20センチ近いジャックナイフが飛んできて僕の頬ギリギリの座席に突き刺さる。それにしてもこの車内、殺伐としている。今度は前のほうからシクシク泣く声が聞こえた




あれから。目的地到着までの間にかなり色々あった



梅剣が吐いたり、蘭と蒼空が僕に銃弾や刃物を飛ばしてきたり、梅剣が吐いたり、梅剣の隣に座ってた黄泉川がガッツリアレにまみれたり、恋と大家さんと春沙さんが黄泉川と目線を合わせないようになったり、梅剣が吐いたり。



混沌カオスだった。目的地に到着したころ、全員が意気消沈していた。ガン寝していた蒼空と舞奈さん除いて



「っくぁ~~~……やっと着いたか。んでお前らなんでそんなやつれてんの?」


「…………」チーン



「な、何とか到着したな……それぞれ、荷物を取り出して海の家に向かうぞ、と言いたい所だが私は少しだけ用がある。先にいっててくれ、道は道なりに進んでいけばたどり着くだろう」



 先に僕たちを進ませたソロモンは隣町まで瞬間移動でファブ○―ズと消毒液と雑巾を箱単位で買いに言ったとか





~~~~~~~~~~~~~~~~~~



「あら、ハイビスカスが咲いてるわね。私たちが住んでいるところには咲かないはずだけど……ホント、私たちどこに連れてこられたのかしら」


 ヒイロが指差すほうに目をやると、ハイビスカスやヤシの木など南国の植物が生い茂っていた。そういえば僕たちが住んでいるところは風土的に南国といえる場所ではない。ただ僕たちは高速道路を走っていただけのはずだが…



「あら、綺麗ですの……私の所有する植物園も負けていませんが、花は自然に咲いているほうがやはり美しいですわ」


「それわかる。なんか逞しく美しくってのがいいのよね」



 本当に珍しく花華に同意するヒイロ。あの戦い以来、わだかまりが残らないように僕は二人を強制的に仲直りさせ、花華にヒイロの友人に謝りに行かせたりして関係の緩和化を図った。


 ヒイロの友達は彼女を許したようだ。それどころかなぜか付き添いで付いていっていた僕も巻き込んでその後喫茶店へ行ったりした。おおらかというか図太いというのか。ヒイロの友達に感謝だ



 話はそれたが、それ以来二人は極力会わないようにやってきたフシがあるのだ。が



「あら? 珍しくあなたと意見が合いますわね」


「似たもの同士なのかもね。文字通り」


「あらあら。色々と共通点もありますしね」



 戦いあった中でも、その過去を乗り越えてお互いに歩み寄ろうと頑張っている、ほんの少し大人に近付いた二人を見ながら思う。ケンカした後仲良くなるって青春だなーと






~~~~~~~~~~~~~~~~



ヤシの木道をしばらく道なりに進んでいると、急に視界が開けた。




 青い空。白い砂浜。底まで見えるほど透明な海。眼前に広がっていたのはそんな世界だった



「おぉ………すげぇ…」


「キャッホーイ!」



 恋と大家さんが満面の笑顔を振りまきながら海へと走っていく。その後をやれやれといわんばかりの雰囲気で蘭と茶倉が付いていっている。


 景色に見蕩れていると、舞奈さんが後ろから歩いてきた。お菓子でパンパンに膨れ上がったリュックを背負っている



「名も無き島よ。ソロモン隊長が個人所有しているプライベートビーチらしいわ。どこにあるのか、一切が謎に包まれている島よ」



 パラパラと何らかのパンフを捲っている舞奈さん表紙は『おいでませソロモンの島へ!』と書いてある



「ちょっと待って、舞奈さんそのパンフどっから持ってきたの?」


「そこのヤシの木にパンフ入れが括り付けてあったわ」


「なにこの微妙に配慮が行き届いてる感じ」



 ツッコミを入れていると向こう側から誰かがやってくる



「やぁ、よく来たね。待っていたよ」



 現れたのは大人と青年の丁度中間のような雰囲気の、顔立ちの整った男だ。サーフィンでもしていたのか、脇にサーフボードをかかえ、海水に濡れた髪は後ろへ掻き上げられている。彼を見るなり黄泉川が「(イケメン爆発しろ…)」と呟いた



「いやぁ、思ったよりボクが早く付いちゃってね。荷物冷蔵庫に入れて時間空いちゃったから、ヒマつぶしにサーフィンしてたのさ」


「久しぶりね、兄さん」


「あぁ、大きくなったねマイちゃん。綺麗になったとおもうよ」



 舞奈さんと兄妹?! そういえば若干似ているような……いや、似ていない。恐ろしいほど似ていなかった



「やぁ、キミたちとはほとんど会ったことなかったね。ボクは如月守人。天月高校で主に3年生を教えてる教師だ」


「あ、赤羽です」


「キミのことは舞奈からよく聞いてるよ。それじゃ、海の家に行こうか。荷物置いて着替えないとね」



 そうして僕たちは守人先生についてビーチを歩き出した。踏みつける砂の感触が新鮮だった






~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



 天月高校、そして舞奈さんのお兄さんとくればおそらく龍殺し……危険分子としてトップレベルに危険視されている僕だ。有名になって然るべき、か



「はは、不本意ながら有名になっちゃったな…」


「まぁね。キミの作った煮物は美味しいらしいね、ぜひまた作ってきてよ!」



 予想斜め上だった。そういえば舞奈さん、僕が作る和食を気に入っていたな。舞奈さん専用に煮物を別の鉢に用意している。だがそれすら完食してみんなの分に手をつけるほど気に入ってくれている


 兄妹、ということは舞奈さん経由で知ったのだろう。守人先生も大食漢なのだろうか



「兄さんは小食よ、舌は肥えているけれど。実家では兄さんが食べ切れなかった分を私が食べてたのよ」


「また僕の思考を読んで……なるほど、だから……」


「いやぁ、たくさん食べるようには頑張ってるんだけどね……小学校のとき、給食は昼休み全部かかってやっと食べきってたよ……」


「やめてください」




 少し歩いたところに海の家らしき建物があった。テンプレどおりの海の家である。看板には『海の家・リヴァイヤサン』と書いてある。海の悪魔の名前を使うのも痛々しい気がするが



「あれ? こんな看板あったかな? ……まぁいいや。さて、こっちだ。更衣室はこの店の奥だよ。男女別れて着替えようか」







~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



「遅いなぁー女性陣」




 数分後、先に出てきた男性陣はパラソルやビーチボール膨らませに精を出していた。パラソルを数本まとめて持ってきたところで守人が話しかけてくる




「赤羽クン、そこの荷物海の家の中に入れといてくれるかい? 適当な場所に置いといて欲しいんだ」


「うーっす」


「あ黄泉川クン、着替え覗こうとしてもムダだよ? 龍化者避けの色々かかってるからね。何が起こるかわからないし、そうでなくても女性陣に消し炭にされちゃうよ?」


「ぎくぅ?!」


「口でぎくぅとか言ったぞあいつ……まぁ茶倉いるし、生態電流感知されて即バレは必死だな。もれなく内臓がミディアムだぞ」


「そうだった……畜生……畜生……」


「逃れられたとしてもあそこには龍殺しトップレベルの戦士たちがひしめいてるからね、国ひとつ滅ぼせるんじゃないかな」



この組織、普通の人はいない。と



「はーい、おまたせー!」


「ん? おぉ……うぉお……」




青い空。白いビーチ。そして水着の天使たちが光臨した










「…………なぁ龍斗さん…」


「わかってる黄泉川。皆まで言うな」







「「(生きててよかったッッ!! 我等が人生、一片の悔い無しッッッ!!!)」」




「なぜかしら、急に鉛玉打ち出したくなっちゃった」


「気が合うな、私も何かを細切れにしたくなってきた」



 巨大な槍と巨大な銃を構えた悪魔が天使たちに混じっていた







~~~~~~~~~~~~~~~~~~




「りゅーとさーん!」


「ふぉおうぁあぁ?!」



 背中に衝撃とマシュマロのような感触。大家さんだ。水着でいつものノリでくっつかれるとまずい。



「は、離れて大家さん! アカン! アカンて!!」


「あっ私水着だった! ……ゴメンね?///////////」


「自分が水着だって忘れてたのかよ?!」


「えっと……その、似合ってるかな?」





 改めて大家さんのほうを見る。少し恥ずかしそうに上目遣いでこちらを見てくる大家さん。



 ピンクを基調とした花柄のツーピースタイプ。胸部には大胆に大きめのカットが入っており、強調されている。腰にはかわいいフリルが付いており、全体的にかわいらしさを押し出したデザインとなっていた



「あーっと……その……かわいい、と思、う…」



 畜生かみまくりだ。誰か僕の舌を切り落としてくれ…



「本当?! やったー!」



 両手を挙げて体全体で喜びを表してる大家さん。…………揺れた。




「ちょっとー、大家さんズルいよー! りゅーとさん、私たちのもどうかな?」



 やってきたのはその他江瑠弩荘メンバーだ。それぞれがとても個性的で、とても似合っている


 春沙さんは黄緑と白のチェックを基調としたツーピース、トップの肩紐の部分にフリルが付き、これまた彼女のかわいさを引き立てている。



「うん、かわいいと思うよ」


「なーんか温度差感じちゃうなー……やっぱ巨乳派なの? りゅーとさん。私みたいな断崖絶壁には興味はないの? ヨヨヨ……」


「そ、そんなことないぞ?!」


「えぇー、それっておっぱいであればなんでもいいってコトー? もーエッチなんだからー!」


「ちが……」


「ぷぷ、慌てちゃってかーわーーいぃー♪」


「ぇえいこの小悪魔小娘…」



 完全に僕のことを弄んでいる。年下に振り回されるのは年上の仕事だ、と聞いたことがあるが、僕の場合は完全におもちゃにされているだけだ。と、後ろから恥ずかしそうに花華が話しかけてくる



「り、龍斗様!」


「ん? 花華か」


「その……私の……どうでしょうか?」



 青を基調としたビキニトップ、ボトムはパレオが着いている。風に揺られパレオが靡き、綺麗な足がちらと目に入る



 服を着ているときはあまり意識していなかったが、彼女、かなりスタイルがいい。出ているところは出て、引っ込んでいるところは引っ込んでいる。




「…………」


「あの…龍斗様?」


「あ、ごめん、見蕩れてた。なんかスタイルいいなーって。水着も似合ってるし」


「見蕩れ…ぁぅ……」


「か、顔赤くして俯かないでよ! なんか僕悪者見たいじゃんww」



ピシャァァァン!!



「デレデレすんじゃねぇー!」


「どぇぇ?!」



僕のすぐ真横に雷が落ちてきた。茶倉だ。


 黄色を基調としたワンピースタイプ。胸の真ん中に着いたリボン、ボトムの短めのスカート状の部分からちらりと見える健康的な足。


 てっきり大人っぽいものを選んでくると思ったが、今回は己のスタイルに合わせたものを選んできたようだ



「何だお前! マジなんなんだよ?!」


「龍斗の目がいやらしい目をしていたからな」


「なッ……してねぇよ!」


「フン、どうだか」


「…………あー…」


「…………なんだよ?」


「そのーなんだ。似合ってると思うぞ」


「お前にほめられてもな。キモい」


「いいぜ久々キレちまったちょっと校舎裏来いや」


「ここ学校じゃねぇしプギャーwwww」


「覚悟しやがれテメェェェ!!」


「ぎゃーヘンタイが怒ったーwwww」


「待ちやがれェェェェ!!」



白い砂浜、走り回る二人を見て彩音と花華は闘志を燃やしていた




後半へ続くのじゃ

くぅ~疲れましたry


後編は他のキャラの水着姿やな。画像検索とウィキ先生片手に書いて来よう…

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