表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/52

帰ってきた業火龍

もはや月一更新に成り果てましたボクの小説。一ヶ月がんばってこの量しかできてないってどうなのよ。



それでも見てくれてる皆さんに感謝しならがアップする次第です



もうすこしだ……後もう少しで100p点……フフフ…

こいつは何を考えている? 自ら敵の陣の中に飛び込み、あろうことか仲間にしてくれという。確かに、龍化者の戦闘能力は喉から手が出るほど欲しいが、それは戦闘能力だけの話である。


この選択をしたということは彼は自分から敵陣の真っ只中に突っ込むようなもの、自殺をしようといっていることと同じなのだ



「自ら敵の仲間に入って24時間命を狙われるかもしれないのに、なぜ君はそんな選択をする青年?」



「僕のようなものを増やしたくないから、だ」




蘭と恋を見やりながら青年は言う。無表情だが、その瞳はとても寂しげで、どこまでも悲しそうな色をしていた。



「…………なぜ他人のためにそこまでできる?」



「…他人の苦痛の表情は見てて反吐が出るからだ。僕の目の前ではそんなクソッタレな表情はしないで欲しい、こちらまで気分が沈む。だから……」



「うそだよ」



半ば会話に割り込んでくるように話し出した恋。気を失った姉をぼろぼろの触手で車椅子に乗せようとするが、先程の戦闘でぼろぼろになっているため少々乗せるのに難儀している。駆け寄るように歩み寄り、手を貸す青年。少々苦戦したが、蘭を車椅子に乗せることに成功した



「やっぱり、あなたは優しいよ」



「だから…」



「ちがわない。だってふつうならじぶんをころそうとしたヒトなんてみすてるもん」



「黙れ。餓鬼が解ったようなクチをきくな」




殺気を放ちながら恋を射殺すような視線で睨み付ける。だが恋は怯まない。彼女の青年を見る目はいつも彼女が姉に向けている視線と同じものだった。信頼しきっている、とても親しいものに向ける視線。純真ゆえのまっすぐな瞳で彼女は彼を見据える。その瞳に曇りなどひとかけらもなかった





「青年よ」



「なんだ老け顔」



「……青年の話、承諾しよう」



「ほう? いったいどういう風の吹き回しだ?」



青年自身もまさか承諾してくれるとは思ってもみなかったのか? 素でびっくりしている様子が見て取れる



「ただし青年には私や部下の24時間の監視下の元で生活してもらう。それでいいなら私が話をつけてやろう」



「トイレや多少のプライベートは保障されるんだろうな?」



「誰が好き好んでお前の愚息を見たがるものか」



「千切るぞボケ」



「ぐそく?」



「「お前はまだ知らなくていい」」



小さい子に悪影響を与えてはいけません。自重しましょう














「これからお前に生活してもらうところへ案内する。荷物をまとめろ」



「もう終わってる。ここから近いのか?」



「電車を使って少し歩けばすぐだ。交通費を出しておけ。150円だ」



「それくらい持ってくれよ年上なんだし」



「年下はこういうときだけ年上に甘えようとする。悪い風潮だと私は思うぞ?」







蘭恋姉妹は私の72柱の能力で先に本拠地へ転送しておいた。蘭は医務室へ直行させ、恋は自室待機の命を下した。



異例中の異例の話。自分たちの敵であるはずの人物を、自分たちの組織の一つの歯車として組み込もうというのだから。カタブツ上司にどうやって話をつけてくれようか……


青年と私は今一番近い龍殺しの隠し拠点に向かっているところだ。そこに理解のある同志たちが数人住んでいる




「………ホントにこっちへいくのか?」



「ああ、この道が最短ルートだ。どうかしたのか?」



「最短じゃなくていいから別ルートへ行こうそうしよう」



「……青年、顔色が悪いぞ?どうした」



「…………」



「家出してきた家が近くにあるのか?」



「人の心を読むんじゃねぇよ変態」







~~~~~~~~~~~~





そのとおり。今僕たちが歩いている道は江瑠弩荘へ直通の最短ルートだったのだ。あ、あの家のワンちゃんの犬小屋の屋根の色、青色から赤色に変わってる。ペンキがはげてきてたからなぁ。僕が近づいても吼えずに擦り寄ってきてくれたっけ。



この「チカン注意!」の張り紙がしてある電柱から少し行ったところに僕の家出してきた家がある。もうやめて、僕のライフはとっくにゼロだよ?!





「ついたぞ、ここだ」



どうみても江瑠弩荘ですほんとにありがとうございました









年代劣化だろうか、少し煤けたような色になっているインターフォンを押すソロモン。古めかしい木製の引き戸の向こうから「はーい」というくぐもった返事が返ってくる。そしてドタドタという木の床を踏みしめてこちらに迫ってくる音。




何方どなたですかーってお兄ちゃん! 久しぶりだねー」



「ああ。ここによるのは数ヶ月ぶりだったか」



「もう、帰ってくるなら連絡くらいしてよね~。……あれ?そこの門の陰に隠れてる人って誰?」



「何をしている青年、こっちへ来い」




渋々出て行く僕。嫌な予感しかしません




「り、り、り……」



あれ? なんかさっきより風強くなってません?なんか天候も悪くなってきたような……




「りゅーーーーとさぁぁぁぁぁああん!!!!!!!!」



「「だぁぁぁうるせぇぇぇ!!」」






思いっきり抱きつかれてさめざめと泣かれました。ご近所さんが見たら昼ドラ展開になってるとしか見えないでしょうね。どうしたソロモン、そんな鬼を射殺すような目でこっちを見るな





そしてなんとなくこの台詞が頭に浮かんだ



「ソロモンよ、私は帰ってきた!!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ