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燃え上がる贖罪の焔剣

お久しぶりです。どうでもいいですが、ゴジラのMADを見てたら急に創作意欲がわいてきまして。今回はちょっとだけ多めになっております




ガァーーーーン!!!








乾いた銃声が寒空の下に響き渡る。水龍の背中から赤い液体が、噴水のごとく噴出するのとほぼ同時に。






「あ、え?」




僕の目にはゆっくりと、埃っぽい床に仰向けに倒れていく水龍の姿がスローモーションのように映った。




「あ……ああ…」











うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーー!!!!!!!













「あっはぁ、見事心臓ど真ん中、めいちゅ~~う♪」



「えへへ♪さすがお姉ちゃん♪」



外から声。確実に犯人だ。今の僕にある選択肢はたった一つ。



「殺す」



「おいおい……俺が憑いてなくてもこれかよ……しょーがねぇ、行くぞ!!」








「ふぅ~~ん、貴方が話題の赤羽クン?思ったより優男っぽいわね」



「でーたによるとおからがにがてだって。こどもっぽ~~いwww」



外にいたのは少女二人。納戸色の短髪を風に揺らめかせる姉らしき少女、そして鳶色の長髪を後ろで一括りにしている妹らしき少女。



姉のほうの右手にはライフル並みに大きな銃、左手にはいろいろ仕込んでありそうな大きな篭手をつけ、前に戦ったソロモンが身にまとっていたような不可思議な模様の縫い付けられた服を着ている



妹のほうは近未来的な(?)車椅子に乗っており、服装や車椅子にも姉と同じような不可思議な模様がついていた





「…………龍殺しか」



「あったり~~い、私は皐月さつき らん。龍殺し最強の重火器使いでーす」



「おなじく! 皐月 れん!! りゅうごろしでいちばん機械大好き!!」



一見無邪気な姉妹だ。先ほど彼女らは水龍を射殺したばかりであるにもかかわらず、純真無垢ゆえのタチの悪さだろうか。まったく罪の意識を感じていないらしい



「龍殺しねぇ……なんでこいつを撃った?」




もうピクリとも動かなくなってしまった水龍を見ながら僕は問う。彼の周りには、大きな赤い湖ができていた。蘭と名乗った少女がしたり顔で話し始める




「私たちは龍殺しの中でもどっちかってーと急進派って流派っぽいとこにいるのよ。早い話がただ観察するだけじゃつまんないから片っ端から龍化者ぶっ殺して行こうって言う考え方のやつが集まった集団なのよ」




「いわゆる過激派ってやつか。道理でクソッタレな雰囲気なわけだ。ということは、僕も殺しに来たのか?」




「えくすたしぃぃ~~、またまたせいかーーい!!正解したご褒美に私と恋特性の龍化者用・特製鉛の弾丸を差し上げま~~す♪」





言うが早いが常人離れした速さで銃口をこちらに向け、彼女の言う「特製弾丸」を放ってくる。やっちゃってもいいよね?答えは聞いちゃいないし聞く相手もいないのだけれど




交互に突き出した拳に一時的に気を滞留、一気に炸裂させる。いわば気のショットガンである。怒りの感情に反応して龍化能力が上がっているのか、一発一発が着弾するたび大爆発が起こる。当然弾丸は打ち倒される





「覇龍拳………撃!滅!」




「反応速度は上々、少なくともズブのド素人ではなさそうね。いいわ、楽しくなってきちゃった!!逆境であればあるほど燃えちゃうじゃない!!」



「お姉ちゃん!またどえむになってるよ!」




「楽しくおしゃべりしてんじゃねーーーよ!!」




砂を拾って思い切り投げつける。目潰し兼散弾。え?主人公らしくない?もとより主人公意識なんて無いのだけれど



「あまぁ~~い!!」



蘭の左手の篭手が一瞬にして拡張、薄いビーム(?)膜を張り砂の散弾を無効化した。すごいテクノロジーだな。………計画通り(笑)



「そっちがね」




「「え?」」




「うぉらぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!!!」




龍棘を長めに伸ばしておき、大地に突き立て、てこの原理で思い切りひっくり返す。ちゃぶ台返しって知ってる?あれを大地で再現したような感じ。彼女らには巨大な壁が自分たちを押しつぶそうと迫ってくるように見えるはずだ




「なめないでーーー!!」



恋という妹の車椅子から鋭い刃物のついた触手のようなものが無数に伸び、ひっくり返ってきた大地をばらばらに切り裂く。予想通り(笑)



土壁に身を隠しあらかじめ空中に飛び上がっていた僕は、翼を思い切り羽ばたいて土を彼女らにプレゼントする。その結果、大量の土砂が二人に降り注ぐ。これが僕の気持ちですってか?



「これがホントの土石龍ってな」



「「くっ……恋(お姉ちゃん)だけは守るんだからぁぁーーーーー!!!」」




二人が同時にシールドらしきものを発生させ、土石流を防ぐ。だが、圧倒的な質量の土砂を華奢な二人が耐え切れるはずも無い。







「………あっけな」




「う~~ん……こういう…のも……悪く…な…」




「うぅ……」




やっぱりやりづらい。女と戦うってのは。地上に降り立ち、土だるまと化している二人を観察する。次の瞬間蘭の眼に生気が戻る




「油断してんじゃないわよ!!」





左腕を振り上げ、気迫らしきもので土砂を一気に吹き飛ばしてきた。すさまじい轟音とともに土砂が一気にあたりに降り注ぐ。よくぞ女の身であの量の土砂を吹き飛ばせたものだ。



オイオイちょっと、ニット帽の毛糸の間に入ったら取れないんだから勘弁してくれよ。洗濯機の洗濯槽が砂だらけになっちまうじゃないか。コインランドリー出禁なんて聞いたことがない



まてよ?龍気迫をもうチョイ発展させれば傘とか作れるんじゃね?やばいな、雨の日とか傘いらずだな!!




「ぶち抜けぶち抜けぶち抜けぶち抜けぇ!!」



銃の横の部分から大量の使い終わった薬莢が飛び散っていく。銃口から大量の鉛弾が大量に僕に放たれる。



「消えろ消えろ消えろきえろぉ!!」



妹のほうは先ほどの触手を縦横無尽に操り、僕の皮膚を切り裂こうと振り回してくる。触手を掴み他の触手を受止めたり、銃弾を触手で防御しながら、僕は思案する。




もとより気絶ですまないようにしようと思っていたのだが。これ以上彼女らに「まだ戦って倒せる相手だ」という幻想を抱かせてはならないだろう。絶対に敵うはずのない相手だと思わせて、尻尾を巻いて逃げ帰らせたい。まだ犯罪者になりたくはない



先ほど水龍と戦ったときに、胸の奥ででちりちりと燻っていた新たな力。目の前には自らのエゴイズムで他人を容赦なく殺した敵。発火剤は十分だ




翼で羽ばたき、風を投げつける。物理的なものは防げても非物理攻撃なら多少は怯む。そうして僕は一旦距離をおき、心を落ち着ける





めらめらと両の拳から炎が燃え出す。それは溶けたマグマのように下へと流れ落ちていく。それに伴って龍棘も伸び、さらに鱗が腕全体を被い、凶悪な、刺々しい篭手の様な形に変化する。まるで木の成長を早送りで見ているようだ。






燃え上がる炎はやがて固まり、程なくして強大な熱を放つ剣になった。





        「龍棘剣………業焔龍皇カイザー・オブ・フレア

この炎の剣は連載当初からずっとやりたかったネタです。後もう一つやりたいことがあります。極限龍化もそうですが、それ以外にももう一つ。お楽しみに



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