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役得?幻想にすぎません

作者に実体験はありませんが、多分そういう感じなんでしょう。無駄に理性が働くやつにとっては特に

「…ふふんふーんふーんふふーん♪…まぁ知らないんだけどね」


昨日のどちゃ降りとは打って変わって、今日は晴天洗濯日和である。気分がいいので鼻歌を歌いながらの家事である。昨日の夜は大変だった。ゴロゴロという音がする度キャァァという悲鳴がしたからだ。眠れるとかそういうレベルではない。朝起きたとき、妙に暑いと思ったら、全員が僕の布団にもぐりこんできていたのである。正直ヤバかった。多少耐性をつけていておいてよかった。男の子なら…分かるだろう?


「おふぁよぅ~龍斗サン…」


「あ、お目覚めか?おはよう」


大家さんが寝ぼけ眼をこすりながら、庭で洗濯を干している僕に向かって挨拶をしてきた。もうそろそろ皆が起きだしてくる時間か。朝食の準備をせねばなるまい


「つか、大家さん…パジャマめちゃめちゃはだけてますよ、とっとと身支度してきてください目のやり場に困ります」



「えへへ~ひっさつのうさつおうぎ~だきつき~」


雨でぬかるんでいる庭に裸足のままこちらに歩み寄り、抱きついてきた。ダメだこの人完全に寝ぼけてやがる。これ以上君達の想像の翼を羽ばたかせるもなんだ。その…僕の胸部に当たっているのあれの感触とか……僕の血圧が上がるその前に……さっきまで水をいじっていたので僕の手はとても冷たい。それすなわち…


ぴとッ


起きぬけの人には大分つらいだろう冷たさの手を大家さんの頬に押し付ける。びっくりして数歩後ずさりする大家さん。


「わひぃぃ?!」


「身支度してきてくださいね、大家さん」


よし、効果覿面!と思ったのだが…


「あっためてあげる~…ぎゅ~~~」


僕の手を握ってきました。…どうしましょう。とってもあったかいです。ハイそこで僕の理性がストップをかける!!


「早く行って身支度してくる!!以上!!」


「ふぁ~~~~い…」


少々つまらなさそうに歩き去っていく大家さん。


「ちょっと待って足拭いて足拭いて!!廊下が泥だらけになっちゃう!!」


気苦労は絶えない。




「フフフ、大変そうだな赤羽。何故か施設にいたころよりも表情が柔らかいようだな。なるほど、お前もオトコだったということか」


「うるせぇよチビ。昔から何かといちゃもんつけてきやがって、僕に恨みでもあるってのか?それとも最早使い古されたツンデレというやつか?」


「うるさい!!うるさいうるさいうるさいっ!!チビって言うな!!それが年上に対する態度かっ!!こうしてやる!!」


殴ろうと庭用のスリッパを履いて(内心ホッとした)僕に殴りかかってくる。対処は簡単。

頭を抑えればおのずとその他の部分もそれ以上前には出ない。ムンズ、と頭を掴もうと手を前に出す。


「甘い!!見切った!!」


頭を下げ、低姿勢で僕の真横に潜りこもうとした。した、ということは出来なかったということ。横に回りこもうと進めた足先をちょっと引っ掛けてやる。


「うわひっ?!」


ヘンな悲鳴だ。どれにしろ洗濯物は増やしたくないので襟首掴んで落下を阻止、そのまま持ち上げ、スリッパを脱がせ、反動をつけて部屋の中へと放り込む。


「ぬぉりやぁぁ!!」


「ああ~~~~」


ズシャァァァというすごい摩擦を表すのに便利な効果音とと共に、居間の畳の上をスライディングする茶倉。ヤベ、ちょっとやりすぎたか。畳、傷まないかなぁ…


「わちの心配をしろ!!わちの心配を!」


やれやれ、朝からやかましいのは昔から変わらない。ちょっとした懐かしさを覚えた。



ほのぼのいちゃラブばっかです。そろそろバトルパート入らないと…

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