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エピローグ

ハルキのお葬式が終わり、新年を迎えた。

ハルキが居ない初めての年。


私は夕方、長塚と一緒にあの海へ来た。


「ハルと約束してたんだ、来年、もう今年か、夏にこの海に連れてきてくれるって。」

「そうか・・・」

「指きりしたのになぁ・・・」

長塚は黙って海を眺める。

「ハルのウソツキ!!」

大声で私は叫ぶ。

「ば~か・・・」

私は涙を流す。


ハルキが居なくなってから3週間、私の涙は止まらない。

部屋にあるテディベアを見ても、気分転換にケーキを作ってもハルキの顔が浮かんでくる。


部屋に置いていたハルキの本にはちゃんとサインがあった。

まだ慣れてない手つきのハルキのサイン、きっとこの世で一点のプレミア物だ。


ハルキの本はベストセラーになり100万部を突破したとテレビか何かで言っていた。

拓実や直樹、塔子に美晴も徐々にだが元気をとりも出している。




「菜々穂。」

泣いてる私に長塚が名前を呼ぶ。

「出産予定日決まった。」

「いつ?」

「10月21日」

私は言葉を失った。


私とハルキの誕生日・・・


「女だったらさ、菜々穂ってつけようと思うんだけど。」

真剣な長塚に私は苦笑する。

「ダメだよ!!悲しい恋をする子になっちゃう。」

「でも、いい女になると思う。」

「ばーか。」

私が笑って言うと長塚も笑った。

「私と長塚さんは似てるんだよね。」

「え?」

「私たちをいつも支えてくれるかけがえのない人がいたからお互い惹かれあった。」

「・・・ああ。」


だからきっと、長塚が結婚していなかったら付き合ったりしなかった。


「長塚さん、一つだけ約束して。」

「ん?」

「もう2度と浮気はしないって。」

長塚は私をまっすぐ見て返事をする。

「約束するよ。」

私は満足して笑顔でうなずく。


いつも傍にいても、大切な人は一瞬でいなくなってしまう。

私たちはそれを知った。


黙って海を眺めていると長塚がポツリと呟く。

「男だったらさ、ハルキってつけようかな・・・?」

本気か冗談かからない表情で長塚が言う。

私は笑顔で賛成する。

「きっと、かっこよくて優しい子に育つよ。」



私が恋をし続ける、朝の海のような素敵な人に・・・






読み終わったあなたに


大切な人が浮かびますように

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