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嘘・・・だよね?
病院に着き、長塚が受付の人に何かを聞いて私の腕をひっぱり連れて行った。
病室から医者と看護婦が出て行くのが見えた。
私は病室に入る。
そこには泣いているハルキの両親と呆然としている拓実と直樹の姿、そしてうずくまって泣いている塔子と美晴がいた。
最初に私に気づいたのは拓実だった。
「奈々ちゃん・・・」
拓実の声でみんなが私に振り向く。
「ななほぉ・・・」
泣きじゃくった顔で美晴が私に抱きつく。
「バイクに乗ってて、猫をかばったらしい。ここに来たときにはもう・・・」
最後まで言えずに直樹が涙を流す。
「菜々穂ちゃん・・・」
泣きながらハルキのお母さんが声をかけた。
おばさんがどいたことでハルキの顔が見えた。
ただ寝てるだけのように見えるハルキ。
でも、全然動かないハルキ。
私は近づきハルキに触れる。
冷たい・・・
昨日感じたぬくもりはなかった。
私はただ立ち尽くしてハルキを見続けた。