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暗闇

カシャーン


お皿の割れる音で私は我に返った。

今日は25日。

私はバイトに入っている。


「申し訳ございません・・・」

私は床にちらばったお皿を拾う。

「イッ・・・」

破片で指を切り泣きそうになるがなんとか堪える。

「申し訳ございません・・・。」

お客さんたちが少しざわめく。

さやかと他のバイトの子がフォローをしてくれて、なんとかその場をおさめてくれた。


「菜々穂、大丈夫?顔色悪いよ?」

「ごめん・・・」

「ちょっと休憩言ってきな。」

バイトの先輩に言われ私は店の裏に回った。


私の頭の中はぐしゃぐしゃだった。


長塚との突然の別れ


ハルキの行動・・・・


どうしていいかわからない・・・


「菜々穂。」

私の名前を呼んだのは長塚だった。

「昨日は急に悪かった・・・・」

私は何も言えずに長塚を見た。

「勝手だと思うけど・・・」

長塚は話す。

「子供できて、なんか大切にしなくちゃって思えたんだ・・・。それにハルキ君に言われたんだ。」

ハルキの名前が出て私は昨日のことを思い出す。

「お前が風邪ひいたとき、俺見舞いに行ったんだよ。そしたらハルキ君がいて・・・」

(風邪のとき・・・?)

長塚が来たなんてハルキから聞いてなかった。

「言われたよ、あんたは一生菜々穂を大事にできるのか!?って・・・答えられなかった・・・・。」

朦朧とした意識の中、夢でみた光景。

あれは現実だったんだと知る。

「俺はお前が好きだけど、でも、大切にはしてやれないって思い知らされた・・・」

あのとき見たハルキの顔は今まで見たことのない顔だった。


私のためにあんなに怒ってくれてたんだね・・・


(優しすぎだよ、ハル・・・)


「菜々穂!!」

裏口が急に開き、さやかが顔を出した。

「さやか・・・。どうした・・・」

私の言葉をさえぎってさやかが早口で話す。

「はやく病院行って!!今、あんたの友達から店に電話あって・・・」

「ちょ、さやか落ち着いて!!」

「いいからはやく!!はやく総合病院行って!!ハルキ君が!!」

そう言ってさやかは私の携帯を押し付けた。

長塚は車を出すと言ってポケットから鍵を出し私の腕をひっぱった。



携帯には留守電が入っていた。

長塚の車に乗り私は留守電を聞く。


『俺、拓実・・・』


拓実の声はふるえていた。


『ハルキが・・・死んだ・・・』



目の前が真っ暗になった






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