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日常

朝、目を覚ますと隣りにいたはずの人はもういない。

私はゆっくりと上半身を起こしぼーっと周りを見る。

ここは有名な高級ホテルの一室。大学生の私にこんなところに泊まる余裕はない。お金を出すのは私が寝るまで隣りにいた男。

バイト先のレストランのオーナーの息子、


『長塚司』


29歳既婚者。

いわゆる不倫の関係。


私は近くに落ちてるバスローブをはおりシャワーを浴びるためにバスルームに行く。

バスルームには使われたあとのタオルがあった。長塚が使ったあと。

そうやって長塚は私のあとを消して奥さんのいる家に戻る。それを悲しいと思うことも妬ましいと思うこともない。

だってそれは当たり前のこと。

私は別に長塚を愛してるわけじゃないし、独り占めしたいわけでもない。

長塚といれば、自分じゃ泊まることのできない部屋、なかなか食べることのできない料理、欲しかったものが手に入る。ただそれだけ。

まぁ、あとはお互いの身体の相性が合ったからというのもある。


そう思うことがこの関係をうまく続ける秘訣。


そんな関係が続いて1年半、まわりにあやしまれることなく関係は続いている。

私は見たかんじ真面目に見えるし、長塚はバイト先みんなの憧れな人間。みんなと同じようにミーハー風に長塚の話題をし、長塚はみんなに平等に優しく接する。

誰にもばれない。だから続けれる関係。


AM10:00

私も長塚のあとをシャワーで流しホテルをチェックアウトして、1人で暮らすアパートに帰る。

ご丁寧に長塚は家までのタクシー代をおいて帰ってくれていたので、それを使って家まで帰った。

「ただいま」

誰もいないのをわかっていても言ってしまう言葉。

私は昨日干しておいた洗濯物をとりこみベットに横になる。

携帯の電源を切ってたのを思い出し、鞄から携帯を出し電源をいれた。

起動するまでまち、しばらくするとメールがきた。サブディスプレイに名前があらわれ私はなんとなく溜め息をついた。

「ハルか…」


『一条ハルキ』


幼馴染みで大学も一緒の男。昔から面倒見がよく、誰よりも私のことをわかってくれる、優しい存在。

メールは昨日の夜来ていたもので、今から会えないかというものだった。私はメールを返すのがめんどくさいので、電話をすることにした。

アドレスからハルキを呼び出し発信した。コールが4回なったところでハルキの声が聞こえた。

『菜々穂?お前今何時だと思ってるんだよ?俺が連絡したの昨日だぞ!?』

「電源切ってたの。それより何?昨日じゃないとダメな用だった?」

『いや、臨時収入が入ったからメシでもおごろうかと思って。今日の夜は?バイト?』

「ううん、休み。それより何?臨時収入って。」

『それは、あとで話すよ。んじゃ、6時に駅でいいか?』

「いいよ、じゃあ、あとで。」

電話を終え、私はベットに置いている目覚まし時計を手にとった。時間は13時、私は何かする気にもならず、16時まで寝ることにした。ここから駅まで徒歩15分、16時に起きて準備すれば十分だ。

16時に目覚ましをセットし、私は目をつぶった。





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