第59話 二人きり ― 彩花と東雲の初めての深い会話
夕暮れの放課後、校庭の片隅。
彩花と東雲は初めて二人きりで座っていた。
「今日は……話せてよかった」
東雲は自然体の笑みを浮かべる。
彩花は少し照れながらも、勇気を出して口を開いた。
「悠真くん……昨日はごめんなさい。
私、はっきりしなくて……でも、今は……」
胸の奥でぐっと力を入れる。
「今は?」
東雲が少し首を傾げる。
「……私は、悠真くんのことが……好きです」
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◆二人の心の距離
東雲は少し驚き、そして穏やかに微笑む。
「そう言ってくれるの……嬉しいよ。
一緒に少しずつ、前に進もう」
彩花はほっと息を吐き、涙を少しにじませる。
「ありがとう……私、ちゃんと向き合うから」
東雲の自然体な優しさに、彩花の胸は高鳴る。
(……やっぱり、悠真くん……
私の気持ち、受け止めてくれる……!)
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◆一方、海斗の嫉妬
教室の窓から二人を見つめる桐谷海斗。
「……ちっ、やっぱり近づいてる……
俺も負けてられない……!」
海斗の胸に、嫉妬とライバル心が渦巻く。
彼は次の行動を考え始める。
(彩花の気持ちを揺らす方法……
俺が動かないと……!)
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◆白鷺ゆりの熱意
一方、収録スタジオでは白鷺ゆりが東雲に熱烈に質問をしていた。
「このシーンの“間”は、先生の文章だとこういうリズムですよね?」
東雲は淡々と答えるだけだが、ゆりの胸は高鳴る。
(……この人、普通なのに……
どうしてこんなに尊いんだろう……!)
ゆりの無自覚な熱意も、彩花の心を刺激する見えない存在として描かれる。




