第58話 心の整理 ― 彩花、東雲への想いを自覚
放課後。教室は静まり返り、夕日が窓から差し込んでいた。
彩花は机に手を置き、じっと遠くを見る。
(……もう、はっきりさせないと……
東雲くんのこと、このまま放っておいたら……心が壊れそう……)
昨日までの出来事が頭をよぎる。
東雲の自然な優しさ
白鷺ゆりの作品への熱意
海斗の突然のアプローチ
彩花は深呼吸をし、心の奥で整理を始めた。
(私、好きなんだ……悠真くんのこと……
誰よりも近くで見ていたい……)
---
◆決意の瞬間
彩花は自分の机の上にあるノートを閉じ、机に両手を置く。
「よし……決めた……!」
彩花の瞳は真剣だった。
(……どんな結果でも、伝える。
昨日断ったことも、全部正直に……)
机を片付けると、彩花は教室を出て校庭へ向かう。
---
◆校庭での邂逅
東雲は図書室の近くで、ノートを広げていた。
創作の続きをしている様子だ。
彩花は息を整え、ゆっくりと彼の前に立つ。
「悠真くん……」
東雲は顔を上げ、穏やかに微笑む。
「彩花さん、どうしたの?」
彩花は一歩近づき、目をまっすぐに見つめる。
「昨日は……ごめんなさい。
私、はっきりしなかった……でも……」
言葉が少し詰まる。
「でも……私、悠真くんのこと……好きです」
---
◆東雲の反応
東雲は少し驚き、そして微笑む。
「そう言ってくれるの……嬉しいよ」
その自然体の優しさに、彩花の胸は一気に高鳴る。
(……やっぱり……この人……
私の気持ちを受け止めてくれる……)
彩花は深呼吸し、少し涙ぐむ。
「これから……ちゃんと向き合いたいです」
東雲はゆっくり頷き、穏やかに言った。
「うん、もちろん。
一緒に、少しずつ前に進もう」
---
◆三角関係の波
校庭の端で、偶然海斗が二人を見ていた。
「……くっ……やっぱり……悠真、ズルいな……
俺だって、彩花ともっと近くなりたいのに……!」
海斗の胸の奥で、嫉妬とライバル心がさらに燃え上がる。
一方、白鷺ゆりはSNSで今日の収録のことを更新し、東雲への純粋な熱意を爆発させる。
彩花の心も、海斗の嫉妬も、ゆりの熱量も――
すべてが次の波乱の布石となっていた。




