第43話 告白後の反応と心情
放課後の教室。
彩花は胸の高鳴りを抑えきれず、告白の言葉を放った直後の緊張で手が震えていた。
一方の東雲悠真は、自然体でありながら少し目を丸くしている。
(……言えた……!
でも、どう思ってるんだろう……?)
悠真は無邪気に微笑む。
「うん……ありがとう。そう言ってもらえて、嬉しいよ」
彩花の心は一瞬で跳ね上がったが、同時に不安も押し寄せる。
(……嬉しい……でも……
これは“恋愛としての返事”じゃない……?
天才は無自覚だから……どんな風に受け取ったか分からない……)
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◆東雲の無自覚な受け止め
悠真は彩花の表情を見て、少し首をかしげる。
「ん?なんでそんなに赤くなってるの?」
彩花は顔を真っ赤にしながら俯く。
「そ、そういう……わけじゃ……」
悠真はただ微笑むだけで、告白の深い意味を完全には理解していない。
(……やっぱり無自覚……
でも……この優しい笑顔……余計に胸がざわつく……)
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◆心理的距離の変化
彩花は胸の奥で尊敬と恋心を再確認する。
(……言えたことは嬉しい……
でも、まだ返事は曖昧……
これからどうなるんだろう……?
少しずつでも、この距離を縮めていきたい……)
悠真は無自覚ながらも、彩花との距離を自然に近づけている。
その無防備さが、彩花の心をさらに惹きつけた。




