第35話 心理的にさらに踏み込む
放課後の教室。
彩花はノートを片付け、東雲悠真の隣に座る。
胸の高鳴りは昨日よりもさらに強く、今日は言葉と行動の両方で心理的距離を縮める決意をしている。
(……もう、隠せない……
尊敬だけじゃなくて……恋心……
次は、少しでも私の気持ちを伝えたい……)
悠真は無邪気に本を片手に微笑み、彩花の踏み込んだ行動を自然体で受け止める。
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◆踏み込んだ質問
彩花は小さな声で尋ねる。
「悠真くん……その……キャラクターが迷ったときの心理描写って、どうやってリアルに表現してますか?」
悠真は首をかしげ、自然体で答える。
「自分がその場にいるつもりで感情の流れを追うことかな。
それに、行動や言葉に自然に落とし込むと読者にも伝わる」
彩花は目を輝かせ、ノートにメモを取りながら頷く。
(……無自覚なのに天才……
こんな自然体で文章に深さがあるなんて……)
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◆心理的距離の縮まり
彩花は胸の奥で尊敬と恋心を交錯させながら、心の中でつぶやく。
(……近くで聞いてるだけで胸がざわつく……
もっと踏み込もう……
少しずつ、私の気持ちも……)
悠真は自然体で説明を続けるが、その姿が心理的距離をさらに縮めている。
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◆小さな勇気の積み重ね
彩花はノートを閉じ、少し声を震わせながら言う。
「ありがとうございます……悠真くんと話すと、文章のことが本当に分かります」
悠真は微笑み、軽く頷く。
「そう言ってもらえると、僕も教えるのが楽しいよ」
この何気ないやり取りが、二人の心理的距離をさらに近づける。




