第29話 踏み込んだ相談と心の距離
放課後の教室。
彩花はノートとペンを手に、東雲悠真の隣に座った。
昨日までよりもさらに積極的に接近している。
(……もう、勇気を出して……
少しでも私の気持ちを伝えられるように……)
胸の奥で尊敬と恋心が入り混じり、彩花の手はわずかに震えていた。
---
◆踏み込んだ相談
「悠真くん……その……キャラクターの心の動きについて、もっと具体的に教えてもらえますか?」
悠真は顔を上げ、自然体で微笑む。
「もちろん。どんな場面で迷った?」
彩花は少し恥ずかしそうにノートを差し出す。
「例えば……キャラクターが迷ったり悩んだりするとき、読者に自然に伝える表現のコツとか……」
悠真はノートを覗き込みながら、丁寧に答える。
「キャラクターの立場に立って感情の流れを追うこと。
迷いや葛藤も、自分がその場にいるつもりで想像すると自然に表現できる」
---
◆心理的距離の縮まり
彩花はノートにメモを取りながら心の中でつぶやく。
(……普通の顔なのに……
無自覚なのに……
近くで話してるだけで胸が高鳴る……)
尊敬と恋心が混ざり合い、彩花の顔は赤くなる。
(……もっと近くで聞きたい……
次は……少しずつ、私の気持ちも……)
---
◆小さな勇気
彩花はノートを閉じ、少し声を震わせながら一言。
「ありがとうございます……悠真くんと話すと、本当に文章のことが分かります」
悠真は自然体で微笑む。
「そう言ってもらえると、僕も教えるのが楽しいよ」
その何気ないやり取りで、心理的距離は確実に縮まっている。




