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第26話 心の一部を打ち明ける
放課後の教室。
彩花はノートを閉じ、悠真の隣で少しだけ深呼吸をする。
(……勇気を出さなきゃ……
ほんの少しだけ……私の気持ちの一部を……)
胸の奥で尊敬と恋心が入り混じり、手はわずかに震えていた。
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◆小さな告白の一歩
彩花は小さな声で切り出す。
「悠真くん……その……私、昨日からずっと文章のこととか、いろいろ考えてて……
あなたの書く作品、本当にすごいなって……思ってます」
悠真は顔を上げ、自然体で微笑む。
「ありがとう。そう言ってもらえると、僕も嬉しいよ」
彩花は顔を赤らめ、心の中でさらに一歩踏み込む。
(……ほんの少しでも……伝えられた……
でも、まだ“全部”じゃない……)
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◆心理的距離の縮まり
悠真は無邪気にノートを覗き込み、アドバイスを続ける。
その自然体のやり取りが、彩花の胸を高鳴らせる。
(……普通の顔なのに……
無自覚なのに……
こんなに心がざわつくなんて……)
彩花は少しずつ、自分の恋心を認めていく。




