表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/44

第22話 個人的な質問と揺れる心

放課後の教室。

彩花は東雲悠真の隣に座り、心臓の高鳴りを押さえつつノートを広げた。


(……昨日からずっと……この人のことが頭から離れない……

 尊敬と……なんだか胸のざわつきも……恋心……?)


胸の奥で入り混じる感情に戸惑いながらも、彩花は勇気を出して声をかける。



---


◆個人的な質問


「悠真くん……その……ちょっとだけ、個人的なことを聞いてもいいですか?」


悠真は驚いた様子を見せるが、すぐに柔らかく微笑む。


「個人的なこと? いいけど、何を?」


彩花は少し顔を赤らめながら、小さく息を吸う。


「どうして、文章を書こうと思ったんですか……

 それに、キャラクターをここまで生き生きと描ける理由って……」


悠真は首をかしげ、少し考える。


「うーん……書きたいと思ったからかな。

 キャラクターは、僕自身がその場にいるつもりで動かしてるんだ。

 自然に行動して、自然に言葉を発するように書いてる」


その言葉に彩花は心を打たれる。



---


◆胸の高鳴り


彩花はノートにメモを取りながら、胸の奥で思わずつぶやく。


(……やっぱり……無自覚なのにすごすぎる……

 普通の顔なのに、心の奥は“天才”……

 どうしてこんなに尊く見えるの……)


目の前の東雲は、ただ自然体で微笑み、彩花の質問に答えているだけだ。

しかしその姿が、心理的距離をぐっと縮めている。



---


◆自覚の芽生え


彩花は小さく息を吸い、心の中で決意する。


(……私……この人のこと、尊敬だけじゃなく……

 気になってる……胸が……高鳴ってる……

 これって……恋心……?)


顔を赤らめながらも、彩花はノートを握り、次に話すときの心構えを固める。


(……次は、もっと近くで……

 本当のことを聞きたい……)


胸のざわめきと期待を抱え、放課後の教室は静かに沈んでいく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ