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16.完乗の盲点 ナーパム王国国有鉄道 タバ線

未乗路線を確認すると…案外こういうことはよくあります。

 

 大切なものはいつも目の前にあるとはよく言ったものである。

 まもなく約束の一年が経過するにあたり、準急「マニルユクエ」の旅を終えた段階で未乗路線を確認した。

 そこでここまで未乗でよく残ったなという区間があった。

 この世界で過ごすのも1か月余り。

 今回はそこに乗りに行こうと思う。

 

 今回は休日にゆっくり起き、ウォーミアへと向かった。

 乗車するのは、モオーシ線のナータム行普通電車。

 これでトリーダまで向かう。

 トリーダからは、ツバイ鉄道のトリーダ線に乗車する。

 ツバイ鉄道はこの世界に来てごく初期に、気まぐれに乗って以来の乗車になる。

 そしてツバイ鉄道タバ線のナグレーマに到着した。

 ナグレーマからツバイまでは一度乗車しており、その際はツバイ神殿でツバイ焼きを買った覚えがある。

 そんなことを思い出しながら、カスクバエで急行に乗り換える。

 そのまま急行でツバイを通り過ぎ、カキワを超えて、終点のタバに到着。

 そう、今回の目的路線は、国鉄タバ線。

 王国首都圏の中にあり、全線電車区間であるにもかかわらず、なぜか1年近く乗る機会がなかった。

 というのも、この近辺、魔法具工業地帯がなく、沿線に漁港の多い地域なので、出張で来る機会があまりなかったためである。

 

 タバで国鉄タバ線に乗り換え、ターキアとは逆方向のキャースに向かう。

 キャースはナーパム王国では食卓に必ず並ぶ「ソース」の定番『シャユソース』の主な生産地である。

 これをラスクにしみこませ、硬さをなくした「ソフトラスク」はナーパム王国のおやつの定番で、魔法店のティータイムでもよく出てきた。

 

 キャースからは急行「サザヌム」に乗ることにした…しかもこの世界で初めて一等車に乗ることにした。

 席は確かにいいし、一度乗ってみたかったが、長距離に行くにも、一等車を乗せていない急行列車を多用したりする癖が出て、余り乗る機会に恵まれなかった。

 そして急行列車唯一の一等車を連結する急行「サザヌム」に乗るのが最後になったのは、めぐりあわせだろう。

 とはいえ30km程度の短距離列車なので料金はさほどでもない。

 列車はタバまで各駅に止まり、その次はフナビに停車する。

 キャースで買った「シャユソース弁当」を食べながら海岸線を見ていると、もうすぐ国鉄の未乗路線が終わってしまうな、とそんな少し寂しい感想が頭をよぎる。

 このタバ線のキンシーで降りれば国鉄は全線制覇になる。

 漠然とサロナ線、ヘタノ線、カンセイ本線のビマス支線やフッキー港線など候補はいくらでもあったのに、なぜかこのタバ線が最後になったのか。

 不思議なめぐりあわせだと思う。

 ウォーミアに召喚され、鉄道路線を制覇した挙句、最後に乗ったのがこのタバ線だった。

 ただ、それだけなんだけどなぁ…。

 

 急行「サザヌム」をキンシーで降り、王国首都圏高速鉄道の4号線に向かう。

 国鉄と同じように、この4号線・キンシー~タカバ間が王国首都圏高速鉄道の最後の未乗路線だった。

 キンシー~ターキア間はほぼ国鉄と同じルートで走り、そこから2号線のタカバまでを短絡するのが、この4号線である。

 珍しく私鉄にも直通せず、環状でもない路線。

 しかも2号線のタカバを直結しているため、若干乗りにくく、最後に回ってしまった。

 

 こうして国鉄、王国首都圏高速鉄道を始めほとんどの路線を完乗した。

「…残るは…」

 最後1路線、残った路線には、タバ線以上に因縁を感じた。

 


  乗車録: ツバイ鉄道 トリーダ線 ナグレーマ~トリーダ

             タバ線 ツバイ~タバ

       ナーパム王国国有鉄道 タバ線 キンシー~キャース

       王国首都圏高速鉄道 4号線 タカバ~キンシー


実は今回で、ナーパム王国国鉄は全線完乗なのですが、そのラストが住んでいる首都圏内のタバというあるあるでした。

最後、今まですでに一度話題に出ている路線で最後になります。

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