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14.北の島へ ナーパム王国国有鉄道 サロナ島線

ヒルデ魔法店、二度目の社員旅行。


 ナーパム王国で鉄道路線が走っているのは、「本島」と呼ばれるナーパム島と、センディ県北部のサフロから船でつながる「サロナ島」の二つ。

 北部センディ県の最北・サフロ港から、サロナ島につながる国鉄唯一のフェリーがつながっている。

 

 さて今回はハロスカ以来のヒルデ魔法店の旅行という体を取っているため、マリエラが一緒である。

 マリエラは今回、帰りにモオーシ線経由で途中のハラキで途中下車をすることを希望した。

 というのも、ハラキに親戚がおり、少し話をしてみたいという希望があった。

 無論それで問題ないのだが、一つ問題が起きた。

 今回の目的は、サロナ島の観光というよりは、サフロから北に行く私鉄・オートナで一泊し漁港の朝市に行くことをメインにしている。

 サロナ島は今回「オマケ」であり、夕方にサフロに到着し、オートナに向かうことになる。

 したがって理想のルートは、センディ本線経由の特急「サフロ」1号でサフロ港→サロナ東港→西サロナ→サロナ東港→サフロ港→サフロ→オートナが理想だった。

 しかし、当日の特急「サフロ」1号の指定席、二等席が取れず、同じようなルートが使えるモオーシ線経由の特急「ドラゴン」1号になってしまった。

 

 そして当日、特急「ドラゴン」1号・サフロ港行に乗車した私とマリエラ。

 二等車が取れたためゆっくり行ける。

 5時50分にウォーミア発なのでさすがに早起きしたのが祟ったのか、二人してモオーシくらいまで寝てしまった。

「はるみさんはモオーシこないだ行かれてましたよね?

 どんな町でした?」

 モオーシ、最近よく行く街だが、降りてみると小さな地方都市なので、何度も降りることもないが。

「単なる地方都市、観光地は、センディ神殿くらいだったね」

「神殿ですか…」

 最近鉄道に少し興味の出てきたマリエラとしては、鉄道のことを言った方が食いつきがいい。

 

 特急「ドラゴン」はセンディ本線のトミズワスの駅に到着した。

 ここで降りればセンディ地下鉄に乗れるが…さすがに今回は無理だ。

 そしてセンディに到着する。

 ここからは未乗区間になるが…実は前回センディに来た時、西トミズワス~センディ間に乗っていない上、今回は行きかえりともモオーシ線経由になってしまったため、センディ本線が「西トミズワス~センディ」間以外完乗という微妙な結果になってしまうのだが…まぁ近々センディには来ようと思っているので、とりあえずそれは気にしないことにする。

 

 さて、特急「ドラゴン」1号はセンディ本線の未乗区間、センディからサフロ港の間を走る。

 うっすらと雪が積もり、ウォーミアとは全く車窓が違う。

 センディの次ハクダンまでくると、今度はひらひらと雪が舞っていた。

 そんな一種幻想的な風景の中を走ると、特急「ドラゴン」はサフロ港に到着した。

 雪が舞う中、サフロ港行のフェリーに乗車し、センディ本線特急の二等車乗車客専門の二等船室でサロナ島へ向かう。

 3時間ほどかかって、サロナ港に到着し、サロナ東港の駅に向かうと普通列車がホームに待っていた。

 

 西サロナの駅まで行ってサロナの中心街まで戻ってきたがフェリーまでは時間があるので少し途中下車をする。

 サロナ島は、北の海の幸を使った刺身がすごくおいしい…のだが、なぜかサロナ島の名物は豚肉をデミグラス風のソースで絡めた『ソーシー』。

 確かに、センディ県北部やサロナ島は酪農も盛んだけどさぁ…と思いながら食堂で『ソーシー刺身盛り』を注文する。

 さすがに刺身も食べておかないと…と思いつつ、ソーシーを一口。

 …前言撤回、めっちゃおいしい。

 サロナ島の食に対する拘りを見た気がした。

 

 次のフェリーでサロナ島からサフロ港に戻ると、目の前には特急「サロナ」と普通センディ行が待っていた。

 もちろん、特急の5分後に出発するセンディ行普通に乗り、すぐ近くのサフロまで移動すると、17時を過ぎていた。

 ここから今日の最後、オートナ鉄道に乗り換える。

 サロナ島は「ソーシー」を売りにしているのに対し、オートナは刺身を前面に押し出している。

 宿は駅から3分程度歩くところにあるが、その下にあった居酒屋で夕飯を済ませ、翌日早いので早めに寝ることにした。

 

 オートナで一泊後、オートナの魚市場で魚を見てみることにした。

 あらかじめ宿にお願いし、ここで買った魚をさばいてもらえることになっていたためである。

 イワシや貝などが並ぶ容器を眺めながら私は鯵とエビを数匹購入、マリエラもエビとホタテを購入して帰ることになった。

 

 宿の朝食で鯵やホタテを楽しんだあと、10時までのチェックアウト時間をフルに使い、10時少し過ぎのオートナ鉄道のサフロ行に乗った。

 サフロからは指定席を取っている特急「ドラゴン」を待ち、しばしの待機。

 帰りも特急「ドラゴン」に揺られながら、ゆっくりとくつろいでいると、ハラキに到着した。

 

 ハラキではマリエラは親戚に会うため一度散会し、街を散策した。

 前回は夏祭りのさなかだったため、ゆっくり見る時間もなかったが、今回は町をゆっくり見られた。

 

 とりあえず駅前からしばらく歩いたところにあるハラキの郷土博物館で時間をつぶす。

 17時の閉館時間までゆっくり過ごすことができた。

 そのままハラキの駅に戻り、マリエラと合流し、急行「トキムイ」に乗車し、ウォーミアに一路向かう。

 ナータム、トリーダ、そしてウォーミアに停車し…そう、ウォーミアを過ぎてターキアに向かうことにした。

 急行「トクリム」終点のターキアに到着すると、すぐに再びタバ線に乗り換える。

 そして、隣のキンシ-に向かう。

 ここまでが国鉄の区間である。

 前回はここで王国首都圏高速鉄道4号線に乗ったが、今回は2号線のタカバ方面に乗車した。

 今回の旅のちょっとしたオマケだが、王国首都圏高速鉄道2号線をこれで乗車しきっておきたかった。

 キンシーを発車して、数駅で先日ツバイ鉄道のキセサへと到着する。

 キセサではツバイ鉄道に乗り換える人が多く降りるのか、車内が一気に空いた。

 ここからジュクの間は王国首都圏高速鉄道の中で最も空いている区間ではあるのだが、それでも少し遅いとはいえ夕方通勤時とあってそこそこの乗車率であった。

 4号線乗り換えのタカバを過ぎれば、ジュクは間もなくである。

 

 ジュクからはウォーミア鉄道でウォーミアに戻り無事ヒルデ魔法店に到着。

 ヒルデ魔法店のサロナ島観光はこうして終了した・

 


  乗車録:ナーパム王国国有鉄道 センディ本線 センディ~サフロ港

                 サロナフェリー線 サフロ港~サロナ東港

                 サロナ線 サロナ東港~西サロナ

      オートナ鉄道 サフロ~オートナ

      王国首都圏高速鉄道 2号線 キンシー~タカバ~ジュク


今回のサロナ島、距離的には、仙台~盛岡くらいに北海道に相当する島があるイメージです。

なぜか北の旅行のついでに王国首都圏高速鉄道まで乗ってしまう鉄道マニア。

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