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第8回

その日、神戸勝樹はSASUKE 3rdステージクリアのパズルを組み立てていった。少しずつ、でも着実に。

3rdステージ最終エリア、パイプスライダージャンプの着地は、最後の1ピースだった。それを手中にしていながら、痛恨のコース外転落。

力作は未完成に終わった。

そして最後のパズル、ファイナルステージへの挑戦権は神戸の手からこぼれ落ちた。


悲劇のSASUKE第7回大会後、神戸はさらに過酷なトレーニングを自らに課した。

その結果、オーバーワークで筋肉疲労を起こし、寝たきりにまでなるほどになった。

相変わらず再就職もせず、無職でトレーニングを続ける。


そして同じく無職でSASUKEに人生をかけてきた者がもう1人。

第5回大会の収録中に電話でリストラを言い渡され、1stステージと2ndステージの間に職を失うという前代未聞の結果を生み出した男、鎌田秋生である。

彼も再就職もせず、SASUKEのトレーニングだけに日々を費やしてきたが、その生活も経済面でとうとう限界に近づいた。

こうして鎌田は続く第8回大会、ある決断をした…。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

前回のSASUKEで痛感したパワー不足を克服するため、ウェイトリフティングのトレーニングを重ねるのは宮崎まりん。

船を2つ並べてボディプロップ、海の家の壁にクリフハンガーを自分で作って、3rdステージ用の練習もしてきた。

SASUKEの盟友、氷川結衣とはメールでやりとりをしている。だが普段は会えないことに物寂しさがあった。

結衣は東京、まりんは長崎に住んでいる。小さいころ田舎町に半年間一緒に住んでいたころと違い、今はSASUKEの開催日しか会えない。


「結衣ちゃんと一緒にトレーニングできたらいいのにな」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

SASUKE第8回大会は、1stステージスタートエリアと第3エリアがリニューアル。

1.5段跳び

2.ローリング丸太

3.大玉

4.ジャンプハング

5.そり立つ壁

6.ターザンジャンプ

7.ロープクライム

制限時間77秒


1stステージクリアは、第5回は3人、第6回は1人、前回は5人と、3大会で延べ300人中9人、クリア率3%の狭き門である。


「私は今回、登録名を変えました。」

そう語るのはまりん。

「今回から、『宮崎マリン』とカタカナの名前で挑戦します。」

アナ「それはまた変わった決意ですね。」

「それと今日はお母さんと、お父さんも来てるので、いいとこ見せたいと思います。」


「結衣ちゃん、また会えたね。半年ぶり。」

「もう4回目だね。早いね。」


かつて半年だけの友達だった結衣ちゃんは、今は半年に1度会える友達になりました。


「ねえ、結衣ちゃん、これ覚えてる?小学生のとき、お別れするとき、交換したお守り。」

「うん、私も思い出したよ。私も今日持ってきてるんだ。」

「まあ思い出の大切なお守りを水に濡らしたくないから、挑戦するときはバックに入れてるけど。」


「これから私とまりんちゃんで、新しい思い出を作っていこう。」



今回、ある男が引退を決意して望む。それは鎌田秋生。

第5回大会で仕事をクビになり、現在無職。再就職はせず、SASUKEのトレーニングだけに日々を費やしてきたが、その生活に家族から苦情が来て、とうとうその挑戦に終止符を打つことを決意したのだ。



実況「今回も日本中から、そして世界中から、このSASUKEを征服しようという猛者たちが100人集まりました。」


夫は完全制覇を達成しました。SASUKE唯一の完全制覇者、長谷川健一の妻、プロバレエダンサー、長谷川恵です。

元ジャパンアクションクラブの肩書を持つバレリーナです。さあ長谷川恵が行きます。

新スタートエリア五段跳び、さすがバランス感覚はお手の物だ。続いてはローリング丸太、滑るようにしていく。ローリング丸太がローリングしない。

続いても新エリア大玉、大玉の上をどう飛ぶか、おお越えた。

ジャンプハング、前回はここで踏み切りの位置を間違えてしまった。プロバレエダンサーの長谷川恵ー、つかんだー。ジャンプハングに見事リベンジを果たしました。

そり立つ壁はどうだ。おーっと転んだ。もう1度やり直し、全く届かない。高さ5m、しかし頂上は遥か遠い。またも跳ね返された。

警告音が鳴り始めた。しかし全く登ることができないー。バレリーナ長谷川恵、そり立つ壁登れず。


JR車掌、高山直樹です。

「第1ステージ、出発進行!」

出発進行だそうです。さあ高山直樹、JR車掌ー…


なんと五段跳びの1つ目に触れることすらできずに落水。


実況「出発進行できず!」

出発進行の掛け声とともに、飛び出していった高山。一歩目を踏み出す時に滑ってしまいました。



40人目のチャレンジャー、東京大学体操部、松本亮也です。前回リタイアしたそり立つ壁を徹底解析し、頭脳で攻略法を導き出しました。

東大理学部の頭脳でSASUKE攻略なるか。量子力学、統計力学、原子核の実験を学んでいる松本亮也、ローリング丸太クリアしました。

大玉、巨大地球儀を越えていった。ジャンプハングはどうだ、これも飛びついていった。

さあ東大理学部の頭脳で攻略法を導き出したそり立つ壁。さあどうだー。行ったー、研究の成果が出たー。

残り時間は十分あるぞ。東京大学体操部、松本亮也、残り時間は余裕がある。残り時間16秒を残して第1ステージクリア!

40人目の挑戦者で初のクリア!


続いてゼッケン46番は有力選手が登場。フィギュアスケートオリンピック日本代表、佐藤静香です。

フィギュアスケートの佐藤が行きます。まずは軽々五段跳びをクリアしました。ローリング丸太、ここは回転には慣れてる苦にしない!

ジャンプハング、フィギュアスケーターの跳躍力はどうだー、行ったー。さすがフィギュアスケート選手、トランポリンによる跳躍はお手の物。

そり立つ壁です。1回目はちょっと間合いを計った。さあ佐藤、手が届いたー!

初出場の佐藤、そり立つ壁成功。さあターザンジャンプとロープクライム、残り10秒切った、頑張れ佐藤、頑張れ、登ったー、そして押したー!

フィギュアスケートの佐藤静香、2人目の1stステージクリア。


日体大陸上部出身、クロネコヤマトセールスドライバー、佐川賢次です。お客様のもとへ一刻も早く辿り着くのができるのか。

クロネコヤマトドライバー佐川、おお早い。出身は日本体育大学陸上部。早い早い、さすが日体大陸上部出身。さあ陸上部出身セールスドライバー回転して行く、ローリング丸太、セールスドライバー、ここまで素晴らしいペースだ。

さあジャンプハング、セールスドライバー!行った行った、ジャンプハングクリア。

さあそり立つ壁、セールスドライバー!越えたー。ここからが腕の見せ所だ。日体大陸上部出身、セールスドライバー、お客様が待っている。

残り15秒、あと僅か、あと僅か、行ったー!

62人目で3人目の1stステージクリア。クロネコヤマトセールスドライバー、佐川賢次がやりました。


長谷川「今の人、足が早いですね。この人より早い人いないんじゃないですか?」


アナ「神戸さん、3人クリアしましたね。」

神戸「ああ、いい調子ですね。」

鎌田「俺も続かないと」


SASUKEはこれまでいろんな挑戦者を迎え入れてきました。続いてはゼッケン77番、延べ777人目の挑戦者は、なんと猿…

かと思いきや、猿の調教師の登場です。猿が挑戦するのかと思いきや猿の調教師、猿橋みゆきです。

調教師、猿橋が行きます。まず五段跳びはクリア。ローリング丸太、あーっと落下。猿の調教師猿橋はローリング丸太でリタイア。



途中通り雨により競技が中断。中断を挟んで、90人が過ぎ、次が94人目。

「出発」

「「進行!」」

「発車」

「「オーライ!」」


初出場でファイナルステージ。前々回はただ1人、1stステージをクリア、3rdステージまで進出した実力者。

SASUKEの海猿、長崎県のライフセーバーの宮崎マリンです。今回から登録名をつけました。下の名前をカタカナに改名。

カタカナの登録名で心機一転、ライフセーバーの宮崎マリン、新エリアの五段跳びを難なくクリア。

ローリング丸太、リボンが池に落ちた。リボンは落ちても己の体、本体は落ちず。

大玉を通過してジャンプハング。一瞬の一呼吸。見事な跳躍、今回は下から行く、今回は下から行った。

さあ最大の難関そり立つ壁、人間ねずみ返し。行ったー、一発OK、一発で行った。

さあ4人目のクリアとなるか。ロープクライム、残り15秒を残して登り切った。楽勝です。第1ステージはやはり宮崎マリンにとって通過点に過ぎないのか。

残り13秒を残して余裕のクリア。


赤と白の衣装がトレードマーク、埼玉県川越市の神社の巫女、氷川結衣。

初出場の第5回大会、2ndステージリタイアながら最優秀成績者。前回は初めて3rdステージに進出した実力者。

巫女の氷川結衣。上が白のTシャツ、下が赤のズボン、巫女型の衣装を身にまとう。

盟友のライフセーバー、宮崎マリンの1stステージクリアを目の前で見た。さあ宮崎に続くことはできるのか。

ローリング丸太も落ち着いてクリア。4回目の出場。過去3大会のうち2回1stステージをクリアしております。

大玉もクリアしてジャンプハング。しがみついた。上から行くか、下から行くか。上から行きます。

続いてはそり立つ壁。一発OK。これは余裕だ。ターザンジャンプ、ロープクライム、これを登りきれば6人目の1stステージクリア。


続いてはゼッケン96番、SASUKE史上初の兄弟同時3rdステージ進出を果たした中原兄弟、まずはその弟、中原朋也であります。

さあ兄の武の前に、この朋也が行くか。

ローリング丸太、ちょっと手こずっているが大丈夫だ。大玉も越えていく。

さあジャンプハング、軽々だ。今回は上から行く、前回の兄のように上から行く。

最大の難関そり立つ壁、おーっと手がかからなかった。さあもう1回、手がかかった。ここは朋也の意地が勝った。

ロープクライム、残り10秒、登っていく、登っていく、行ったー!残り1秒、やや危なかった。ギリギリながら1stステージを制しました。


徐々に日が落ちてまいりました。沈みゆく太陽がこの人を顔を茜色に染めていきます。アクション俳優、中原武の登場です。

さあ目の前で弟がクリア。それを見てからの挑戦です。ローリング丸太、がっちりとグリップ。

ジャンプハングはどうだ、一番を上に飛びついた。そしてもちろん上から行く、上に転がって行く。

そり立つ壁だ。一発で行ったー。まだ残り時間はたっぷりある。さあターザンジャンプ、ターザンになってそしてロープクライムを登っていく。

16秒を残して7人目の第1ステージクリア。


中原武の挑戦後、残り3人となったところでまた雨が降り、収録は中断。

雨のあと、スタッフによる念入りのセット整備が行われた。あたりはすっかり夜になって迎えたゼッケン98番。

過去7回のSASUKEで唯一、ただ1人このSASUKEをフルコースで料理した人の登場です。ガソリンスタンド勤務、長谷川健一。

ここ3大会は1stステージでリタイア。4大会ぶりのクリアを目指します。新エリアの五段跳びは難なく越え、ローリング丸太。かつてはここで落ちたこともあるが、回転していく回転していく。同じ轍は踏まない。

初体験の大玉はどうだ。行きました。さあジャンプハング、ここで2回やられている。飛びついた、足が危ない、足がついたら失格だぞ。右足をかけて窮地に一生。

さあ長谷川にとっては初体験のそり立つ壁。1回目は失敗、残り25秒。2回目は・・・行けない。時間との戦い。次行かないと厳しくなってしまう。

残り18秒で3回目…行けない。そり立つ壁が完全制覇者長谷川を阻んだ。

今回はジャンプハングはクリアしたが、そり立つ壁を越えられませんでした。


ゼッケン99番の鎌田秋生、今大会限りでの引退を表明。泣いても笑っても、これが最後となるSASUKE。

かつて第2回大会、第3回大会と2度ファイナルステージ進出という輝かしい成績を誇る鎌田。

しかし第5回大会以降、成績は低迷。第5回大会では収録中に会社から電話がかかり、リストラを言い渡されるというまさかの事態。

そして第6回大会から2大会連続でまさかの1stステージリタイア。

再就職もせず、無職のまま1日のほぼすべての時間をSASUKEのトレーニングに費やしてきたが、その生活に限界を迎え、ついに引退を決意。

SASUKEラストトライ。


実況「かつて2大会連続ファイナリストを誇ったこの人は、このところ2大会連続で1stリタイアに沈んでしまった。」

第5回大会で会社をリストラされ無職。今回鎌田はこれを最後にしようと決意した。完全制覇かそれとも引退か。悲運のファイナリスト、鎌田秋生。

最後のSASUKE挑戦が始まる。悲願の完全制覇に向けて五段跳び、ここは問題なし。さあローリング丸太、ここも盤石だ。

新エリアの大玉を越えて、難敵ジャンプハング。これはお見事。下から行く、鎌田は下から行く。着水は免れなければいけない。両足がついた。

さあそり立つ壁。ここは一発で決めてもらいたい。おーっとどうした。滑ったか。2回目、届かない!焦ってはいけない、焦ってはいけない!

3回目、あーっと行けない。全く行けない。鎌田がそり立つ壁を全く越えられない。

残り10秒、警告音が鳴り始めた。鎌田秋生のSASUKEはここで終わってしまうのか。

タイムアップ。終わったー。鎌田茫然自失。そり立つ壁を越えられず。


最後にもう1回トライする鎌田。越えられた。

実況「今度はOK!あまりにも皮肉だー!」


そしてゼッケン100番

鎌田秋生は無念にもSASUKEへの挑戦に幕を下ろしました。1stステージで散った盟友の長谷川、鎌田の無念を晴らすことは出来るのか。

1stステージ最後のチャレンジャーは、完全制覇に最も近い人。史上最強の無職、神戸勝樹です。

前回は3rdステージパイプスライダー、最後の最後で悲劇の転落。なんとしてもあの悲劇のリベンジを果たしてもらいたい。

神戸にとってこのSASUKEが仕事、SASUKEを制することが職業。この人にとって1stステージは敵ではない。

ローリング丸太、どこまでが丸太でどこまでが神戸か、その境界線が分からない。一体化して見せましたこのパフォーマンス。

ジャンプハング、ジャンプハングは盤石。慎重に慎重に、足がついてはいけない。着水してはいけない。

残り30秒、一発で決めたいそり立つ壁。おーっとどうした。2回目も失敗。神戸もそり立つ壁に苦しんでいる。

3回目、届いた。しかし残り10秒。どうした神戸、時間がない。時間が襲いかかる。時間という魔物・・・。

タイムアップ!このSASUKEを制することがライフワークの神戸勝樹がまさか、神戸までもが1stステージで消えるとは。


1stステージ100人の挑戦が終わった。そして鎌田、神戸の挑戦も終わった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1stステージをクリアしたのは7人。

2ndステージは第1エリアがリニューアル。スタート地点からロープにつかまって下へ滑り降りて行く、ロープグライダー。

ロープは2本あり、中間地点でロープを乗り換えなければいけない。

さらにスパイダーウォークに上下移動が追加された。


2ndステージ

8.ロープグライダー

9.スパイダーウォーク改

10.5連ハンマー

11.逆走コンベア

12.ウォールリフティング

制限時間70秒


筋肉のスクランブル交差点、2ndステージにまず最初に挑戦するのは東京大学体操部、松本亮也です。

出てまいりました新エリアのロープグライダー。まさにジャングルに生息する動物を思わせる。中間地点で2本目のロープに乗り換える。ちょっと手こずってしまったか。

マットに着地、続いてスパイダーウォーク。手足に滑り止めをつける。スパイダーウォーク、今回は上下移動が追加された。今度は下っていく、ここは危ない、急転直下があります。

5連ハンマー、ガリバーの日曜大工、難なく通過した。逆走コンベアを通過してウォールリフティング。残り10秒、3枚目の壁を持ち上げてクリア!

松本亮也、1stステージに続いて最初の2ndステージクリア。


フィギュアスケート、佐藤静香の登場です。

オリンピック日本代表の実績を引き下げて、まずはロープグライダーであります。

…ロープグライダーのロープの移行に手こずり、最終エリアウォールリフティング手前で無念のタイムアップ。


日体大陸上部出身、クロネコヤマトセールスドライバー、佐川賢次です。

まずは下りになってるロープグライダー、あーっと落下!

佐川賢次、勢いがつきすぎてふるい落とされ、リタイア。


続いては前回、ウォールリフティングが持ち上げられず、ただ1人の2ndリタイアとなってしまった宮崎マリン。

パワー系のエリアが自らの弱点だと気付いたマリンは、前回大会後、自宅の庭にウォールリフティングを設置してパワー強化を図った。

前回のリベンジなるか。SASUKEの海猿、ライフセーバーの宮崎マリンの挑戦です。

まずは新第1エリアロープグライダー、中間地点で乗り換えていく、スムーズに行った。

続いてスパイダーウォーク、ちょっとでも体が歪んだりバランスを崩すと急転直下。今度は下り、下りが難しい、上り以上に滑りやすくなっている。

たどりついた。残り時間は25秒、続いてガリバーの日曜大工5連ハンマー。そして逆走コンベア、マッチョな赤ん坊状態。

ウォールリフティング、残りまだ10秒以上時間がある。2枚目を持ち上げて、因縁の3枚目を持ち上げて、行ったー。

因縁に2ndステージに見事リベンジを果たしました!


盟友の宮崎マリンが先に2ndステージをクリアした。2人揃っての3rdステージ進出はなるか。神社の巫女、氷川結衣。

…前半のリニューアルをモノともせず、2大会連続の2ndステージクリア。

初めてマリンと2人揃って3rdステージ進出を決めた。


残るは2人、その2人は最強ブラザーズ中原兄弟だ。まずは弟・中原朋也が行きます。

前回はこの2ndステージをクリアした中原朋也にとっても未体験ゾーンのロープグライダー。

…中原朋也もリニューアルされたスパイダーウォークで手こずり、ウォールリフティング前でわずか残り8秒。

実況「ウォールリフティング、時間がない。残り4秒。最後の扉、どうだ、間に合った!」

残り0.1秒、90秒をフルに使ってクリア!


そして2ndステージ最後の挑戦者は中原武。前回はSASUKE史上初、兄弟同時3rdステージ進出を果たしました。

2大会連続兄弟で3rdステージに進出できるか。まずはロープグライダー、2本目に乗り移って、ちょっと時間を食った。

さあスパイダーウォーク。滑り止めをつけていく。まずは上り、平行移動、そして下り。これはテンポがいいぞ、しかし一瞬の油断で沼地に吸い込まれる。

5連ハンマー、難なく通過残り18秒。逆走コンベア、あっという間。

そしてウォールリフティング、このパワー、このパワーだ!中原武、5人目の2ndステージクリア。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

第4回大会で長谷川健一が完全制覇し、3rdステージがリニューアルして以降、合計5人が挑戦するもここで全滅。ファイナリストは出ていない。


3rdステージ

13.プロペラうんてい

14.ボディプロップ

15.アームバイク

16.クリフハンガー

17.パイプスライダー


アナ「3回目の3rdステージです」

マリン「初めて結衣ちゃんと一緒に3rdステージに来れて嬉しいです。」


「2大会連続の3rdステージです」

「今回はまりんちゃんと一緒に来れたので、心強いです。」


1stステージで降っていた雨はすっかり止みました。

3rdステージに進出したのは5人。さあまずは端を切って登場するのは東京大学体操部、松本亮也です。頭東大、体日体大と言ったところか。

東大生の頭脳で計算したSAUKE攻略法。この3rdステージではどう生きるのか。プロペラうんてい、2本目に移行して、おっと3本目への移行に失敗。1周回ったが今度は成功した。

続いてはボディプロップ。前に2個、後ろに1個の空白がある。さあ3つ目の空白を越えてもうちょっとだ。

頭東大、体日体大松本亮也。さあアームバイク、おーっとちょっと手こずっている、腕力の限界か。しかしもがくように進んでいく。このサイクルロードを少しずつ突き進んでいく。

アームバイククリアしました。続いては最難関、クリフハンガーであります。

さあ手をかけていった。あーっと間隔の部分で落下!アームバイクで腕力を使い果たした松本。1つ目の空白で力尽きたー。


続いてはSASUKEの海猿、宮崎マリンです。前々回、ただ1人の3rdステージ進出者となり、最終エリア、パイプスライダーで涙を呑みました。

登録名を名前を改名して、今回は絶好調の宮崎マリン。プロペラうんてい、タイミングはばっちり無駄がない、1回の無駄もなく、2本目、3本目とスムーズに移行した。

ボディプロップ、まず1つ目の空白、足の空白も難なく越えていく、まもなく3つ目の空白、ここも問題ない。宮崎、ボディプロップは問題ない。

続いてアームバイク、悶絶の糸巻き巻きだ。ここも難なく越えた。

さあクリフハンガー、またしても難所であります。さあ手をかけた。横移動、空白もクリアしていく。30cmの段差がある、段差は30cm。ここをクリアするとあとわずか。さあ行った行った。

いよいよパイプスライダーだ。腕力のブラックホールだ。さあパイプスライダー、前々回の雪辱なるか、まずは難なく中間地点にたどりついた。グリーンのバーに膝をかける。

もう腕力は限界寸前か。それでも前に進む。後半のパイプスライダー、さあここだ。かなりの距離がある。どう体を振っていくか。おーっとバーが後退。振りすぎるとバーが後退してしまう。

…あー、残念!宮崎、またしてもパイプスライダー、3rdステージゴール目前で呑まれた。


マリン「リベンジならずです。」

アナ「お疲れ様でした」



赤と白の衣装がトレードマーク、埼玉県川越市の神社の巫女、氷川結衣。

初めて3rdステージに進出した前回はボディプロップでリタイア。前回を越えることはできるのか。

第1エリアプロペラうんてい、前回はここで苦しみ腕力を消耗してしまいました。だが今回はスムーズに2本目に移行。3本目への移行は1周見送ったが、2周目でばっちり移行した。

さあ因縁のボディプロップだ。前回はこのボディプロップは氷川は涙を呑んだ。さあ出ていきました。まず第1の空白。第2の空白を越え、第3の空白、前回はここで力尽きた。どうだ、行ったー。

ボディプロップクリアしました。前回のリベンジを果たした。

…難敵ボディプロップを攻略し、アームバイクもクリア。

さあ最難関のクリフハンガー。巫女の氷川が初めて難敵クリフハンガーに挑みます。入念に滑り止めをつけた。

さあ行きます・・・。あーっといきなり転落!20センチほど進んだところで腕力の限界だったか。


アナ「ボディプロップは見事クリアしましたが、クリフハンガーまでという結果でした。」

結衣「そこは練習の成果が出たかなと思います。次はまた、クリフハンガーにリベンジしたいと思います。」


続いて中原朋也が登場。前回ボディプロップで涙を呑んだ。

3rdステージ、3人目に出てくるのは中原朋也。兄の前にまずこの3rdステージをクリアすることはできるのか。

まずはプロペラうんてい。腕力のメリーゴーランド。おーっと2本目の移行に失敗。

…2回目で2本目に移行。だが2本目から3本目への移行にも手こずり、1回目、2回目とも失敗。握力を消耗し、落下。

中原朋也、今回はプロペラうんていでリタイア。


99人が散り、残るはただ1人。さあ行きます。アクション俳優中原武。いよいよ最後はこの人1人になりました。

99人無念、そして弟の無念を晴らすことができるか。まずはプロペラうんてい、筋肉の一期一会。全く無駄なく移行していった。

さあボディプロップであります。前回はボディプロップ、第4回大会クリフハンガーで涙を呑んだ。

まずはボディプロップに雪辱なるか。両手両足をつけて進んでいく。第2の空白、足を開いてクリアしていく。3つ目の空白が待っている。ちょっと表情が険しくなってきた。中原耐えろ。

ボディプロップクリアしました。まずは前回のリベンジを果たした。続いてアームバイク。早いぞ早いぞ。生身の箱根登山鉄道だ。

さあクリフハンガー。ここからの頼みは、指先の第1関節、第2関節。さあ第4回大会で苦汁をなめたクリフハンガーをクリアできるか。空白は越えた。30cmの段差が待っている。手をかけていった。越えたー。

クリフハンガークリアしました。いよいよ最終エリア、パイプスライダーであります。

さあ進んでいった。まずはグリーンのバーに足をかける。この止まり木から最後の料理の仕方であります。残りは後半のパイプスライダー。

第3ステージを制することができるか中原武。まだ余力は十分、余力は十分。さあここだ。下半身を振っていく、下半身を振っていく。どうだー…。

行ったー!中原武、初めての3rdステージクリア!4大会ぶりのファイナリスト誕生です!


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

第4回の長谷川健一の完全制覇以降、リニューアルされて初めて挑戦者が現れたファイナルステージ。

新ファイナルステージは、高さは22.5m。12mのスパイダークライムと、10mの綱登りで構成される。

制限時間は30秒、しかし15秒経過するとスパイダークライムは左右が開いてしまう。


このファイナルステージは前人未到人跡未踏でありました。前回前々回、第5回から第7回は3rdステージまでで全滅、人が入り込むのを拒んでしまいました。

未使用でありました新ファイナルステージ。いよいよリニューアルされて初めてのファイナルステージ挑戦者。

さあ今夜、第4回大会の長谷川健一に続く、史上2人目の完全制覇者は現れるのか?

中原武、悲願のSASUKE完全制覇に向けての30秒が今始まる。


実況「さあ始まりました。制限時間30秒の戦い・・・・」


だがしかし・・・


実況「あーっといきなり転落!滑った滑った。おーっと左の肩を抑えている。どうした、何があった中原武!?」


なんと中原武は左肩を脱臼してしまった。その影響で開始わずか4秒ほどで滑り落ちて、綱登りにたどりつくことなく挑戦を終えてしまった。

スタッフから手当をうける中原の姿がテレビには映し出されていた。

この大会で脱臼した中原武は本業のアクション俳優に影響が出るため、この大会を最後にSASUKEを引退した。

完全制覇目前での無念の引退となった。



第8回大会結果

1位:97 中原武 FINAL/スパイダークライム

2位:94 宮崎マリン 3rd/パイプスライダー(ジャンプ)

3位:40 松本亮也 3rd/クリフハンガー(空白部分)

4位:95 氷川結衣 3rd/クリフハンガー

5位:96 中原朋也 3rd/プロペラうんてい

6位:46 佐藤静香 2nd/ウォールリフティング(挑戦前タイムアップ)


この大会を最後に、鎌田秋生と中原武が引退。SASUKEから去った。

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