第18回 後編
3rdステージ
1.アームリング
2.ボディプロップ
3.カーテンクリング
4.クリフハンガー
5.ジャンピングバー
6.センディングクライマー
7.デビルブランコ
8.パイプスライダー
緑山の夜も深まってきました。いよいよSASUKE第18回大会はファイナルステージ進出をかけて、7人が3rdステージに挑みます。
まず挑んでいくのがF1ドライバー、豊田麻里です。初めての3rdステージ進出です。
まずアームリング。ここは時間をかけずにスムーズにクリアしていけるか。左右で構造が違います。必要以上に疲労をためずにクリアしていきました。
さあ3rdステージ序盤の難関、ボディプロップです。初めて挑むボディプロップ。まず最初の空白がある。手の脂、汗が滲んで滑っていく。
…あーっと落ちてしまった!
続いては4大会ぶりの3rdステージ進出、大学生、水無月祐樹。
4大会前の第14回大会では最終エリア、パイプスライダーまで到達しながら、最後の最後、詰めのところで、ファイナルステージの切符を逃した。
今回は大会前に宮崎マリンの家でのSASUKE合宿にも参加し、万全の準備を施してきた。今回の第18回のSASUKEは、ファイナルへの切符を手のひらに握るために、水無月祐樹が行きます。
マリン「水無月君はクリアする可能性かなりあると思う。」
結衣「そうなの?」
マリン「合宿での水無月君の3rdステージの練習見たとき、かなり強いと思った。今回は水無月君は行くんじゃないかな。」
夏の終わりの緑山、秋に向かう緑山、虫の声が響いています。さあ初めてのファイナルステージ進出を目指して水無月が行きます。まずアームリング、右手と左手の構造が違うが、そこはうまくリズミカルに進んでいきました。
さあ今夜2人連続で脱落しているボディプロップです。今回が第12回大会、18回大会に続いて3回目の3rdステージとなります。過去ボディプロップでつまずいたことはありません。まず1つ目の空白を通過。アイドル水無月詩織の弟。姉がアイドルの水無月なら、彼はSASUKEの水無月。
耳をすませば虫の声が響く緑山。ボディプロップ、まもなく最後の空白を通過。残りはあとわずか、あとわずか、着地した。ボディプロップクリアしました。
さあ続いてはカーテンクリングだ。この白いカーテンを、足はほとんど使わずに、腕の力だけで進んでいく。いいテンポだ。あっという間にカーテンクリングもクリアしました。
続いては難関クリフハンガー。初めて3rdステージに進出した第12回大会ではこのクリフハンガーで池に吸い込まれております。第14回大会ではクリアした。そのあとに待ち構えるパイプスライダーにリベンジするために、まずこのクリフハンガーをクリアしたい。
水無月が行く。まず1つ目の段差、登りの段差30cm。さあリズミカルに体を振っている。下りの段差45cm、越えた越えた。難関クリフハンガーを学生の水無月がクリアした!
さあジャンピングバー、1本目、2本目、3本目つかんだ、4本目、5本目つかんだ!ジャンピングバークリアしました。そしてセンディンクライマー登っていく。センディングクライマーもあっという間に登っていった。
グリーンの休憩バーに足を掛けた。残りはデビルブランコとパイプスライダー。新星、学生の水無月祐樹が初めてのファイナルステージ進出まであと2エリア。
4大会前の第14回大会、このパイプスライダー、最後の最後で撃沈。ファイナルステージへの切符を逃した。さあリベンジなるか。4大会前と違うのは、グリーンのバーとパイプスライダーの間にデビルブランコが設置されております。ここも数多くの挑戦者を飲み込んだ鬼門だ。
さあデビルブランコ。グリーンのバーにぶら下がって、ブランコに反動をつけて、パイプスライダーに移行する。さあパイプをつかむ、これを離してはいけない。さあパイプスライダー、水無月進む、水無月が進む。さあファイナル進出はなるか。4大会前の雪辱なるか。あとは体を振ってゴールに飛ぶだけ。近くて遠いこの距離。さあ水無月飛んだー。
しがみついたー。やったー!水無月祐樹、3rdステージクリア!初めてのファイナル進出!
春香「がんばれ…、やったー!」
勝樹「よし、1回こらえろ!よっしゃー!」
マリン「おお行ったー!」
一度は落ちかけたが、マットにしがみついたクリアを果たした。
水無月、見事第14回大会の雪辱を果たして、勝ち取った初めてのファイナルの切符!
アナ「おめでとうございます」
「ありがとうございます」
アナ「今のお気持ちは?」
「家族の前で夢をかなえられて、嬉しいの一言しかないです。」
アナ「次はいよいよファイナルステージです」
「まだパワーは残ってると思うので、全力尽くして頑張ります。」
神戸「おめでとう」
「ありがとうございます」
神戸「俺も一緒に行ければよかったんだけどね」
「次は3rd、そしてファイナル、一緒に行きましょうね、神戸さん。」
結衣「マリンちゃんすごーい。言う通りだ。本当に水無月君ファイナル行った。」
マリン「私、人を見る目はあると思うから。だから結衣ちゃんも、SASUKEの才能あるって信じてたよ。」
結衣「…いや、私は1度もファイナル行ったことないし。」
マリン「今日行くんでしょ!」
結衣「うん!」
そびえたつファイナルステージの麓を目指し、この人が挑んでいきます。3rdステージ6回目の挑戦、フィギュアスケーター佐藤静香が挑みます。
6回目の3rdステージ、しかしファイナルステージ進出はまだありません。初めてのファイナルステージ進出に向けて、まずアームリングをクリア。
さあ佐藤が行きますボディプロップ。歯を食いしばっている佐藤。あーっと佐藤!佐藤静香もボディプロップで落下!滴り落ちる無念の水しぶき。
さあ同じ事務所に所属する親友の弟、水無月祐樹が先ほど、目の前でファイナルステージ進出を決めた。
続いてはアイドル、小海春香です。今をときめく人気アイドルがどうしても越えたい壁は、クリフハンガー。
第1回大会、当時は最終エリアに設置されていたクリフハンガーの前身、スカイウォークでリタイア。その後第4回、第12回、第16回とこれまで計4度、クリフハンガーに阻まれている。
仕事の合間にSASUKEのトレーニング。自宅にはセットを作り、徹底的に指先を強化した。今度こそ、5度目の正直で初めてのクリフハンガークリアはなるのか。
まずはリングを滑らせるようにしてリズミカルに第1エリアのアームリングをクリアした。
さあボディプロップです。スタートしました。距離は5メートル、空白は3つ。2つ目の空白を足を大きく広げて通過した。半分来た、残りは半分。まもなく最後の空白。残りわずかだ、残りわずか。ボディプロップクリアしました。
この小海は第3回大会でファイナルステージ進出の経験がありますが、そのときはクリフハンガーがありませんでした。初めてクリフハンガーをクリアして、2度目のファイナル進出はなるか。
呼吸を整えて、挑んでいくのはカーテンクリングだ。リズミカルに横移動。いいテンポだ。カーテンクリングクリアしました。
さあ第1回大会から続く鬼門、因縁のエリアクリフハンガー。旧スカイウォーク時代を含めて4度阻まれている。持ち前の負けん気、なんとしても5度目の正直、過去3度の悔しさを晴らしたい。
さあ第1回大会からの雪辱を果たすことはできるか。さあクリフハンガー、アイドルの小海が行きます。まず1つ目の段差通過、そして2つ目の段差、5度目の正直、初めてクリフハンガーをクリアした!
祐樹「よっしゃー!」
一度休憩地点の上で仰向けになる。鬼門のエリアの5度目の挑戦で越えたー。
しかしまだ次の難関がある。続いてのエリアはジャンピングバーです。この先に、15大会ぶり2度目のファイナルステージが小海を待っています。
さあ初めて挑むジャンピングバー、2つ目、3つ目、4つ目、あと1つ、5つ目行ったー。ジャンピングバークリアした。そしてセンディングクライマー登っていく。
残るはデビルブランコとパイプスライダー。第3回大会以来、15大会ぶりのファイナルステージが見えてきた。
先ほど同僚、同じユニットも組んでいる水無月詩織の弟、水無月祐樹がファイナルステージ進出を決めた。ファイナルステージに水無月祐樹が小海を待っている。
さあデビルブランコ。勢いをうまくつけることはできるか。さあどうだ、パイプに手を伸ばす。さあパイプスライダー、15大会ぶりのファイナルステージに向けて進んでいく。さあファイナルまであとわずか。距離はこれだけ。
ファイナルステージに水無月が待っている。体を振って、小海飛んだー。
…初めてクリフハンガーを倒したあとに、パイプスライダーにやられてしまった。
15大会ぶりのファイナルステージには、わずかに届きませんでした。
第1回からの積年の想いを遂げた小海春香。見事クリフハンガーを攻略。
パイプスライダーで惜しくもリタイアしたが、挑戦を終えたあとの顔は晴れ晴れとしていた。
アナ「ファイナルステージ目前でのリタイアとなりましたが、清々しい表情ですね。」
「はい」
アナ「それはなぜでしょうか」
「長い間どうしてもこのクリフハンガーが越えられなくて、絶対クリアしたいエリアだったので、本当に嬉しかったです。まあファイナルステージは行きたかったし、悔しくないと言ったら嘘になるんですが、自分の力を全て出して落ちたんで、今は清々しいです。」
アナ「わかります。やりきったんですね。本当に素晴らしいパフォーマンスありがとうございました。」
「ありがとうございました」
アナ「お疲れ様でした。」
オリンピックメダリストとアイドルが消え、残るはSASUKE完全制覇にすべてを捧げる無名アスリート3人。
巫女の氷川結衣。親友の宮崎マリンと誓った2人揃ってのファイナルステージ進出、そして完全制覇のために完璧に準備をして挑んできた。
しかし日中の気温35度、真夏の猛暑が氷川を襲った。
熱中症でダウン。一度は1stステージのスタート台にすら立てないかと思われた。
あきらめかけた夢。しかし彼女はあきらめなかった。再び立ち上がったこの人に神が舞い降りた。
1stステージ、2ndステージをクリア。今夜、初のファイナルステージに向けて、3rdステージのスタート台に氷川が立つ。
難攻不落のSASUKEは、いつしか挑戦者たちに絆を授けました。その絆の力で一度は熱中症でダウンしながら、不死鳥のごとく蘇った。
三たび感動を起こすか。巫女の氷川結衣が行きます。
さあスタートしました。早い!あっという間にアームリングを消化した。
これが14回目の出場で、3rdステージ進出はこれで12大会連続12回目です。出場すれば3rdステージ進出は当たり前という安定感。今回も一度は熱中症に倒れながらここまで到達した。
しかし氷川はまだ3rdステージクリアというものを味わったことがありません。なんとしても今夜、初めての3rdステージクリア、ファイナルステージ進出を果たすことはできるのか。まずはアームリングに続いて、ボディプロップもクリアした。
熱中症というアクシデントを乗り越えて、1stステージ、そして2ndステージもなぎ倒した。
さあカーテンクリング。まだここで落ちたことはない。早い早い。あっという間にカーテンクリングもクリアした。
続いてはクリフハンガー。かつてはここで4大会連続で阻まれたことがあるが、最近はここではリタイアしていない。初のファイナル進出のためになんとしてもねじ伏せたい。そのためにはスピードが大事だ。まずは上りの段差、いいスピードだ、そして下りの段差。これは行ったでしょう。今回もクリフハンガーをクリアしました。
親友の宮崎マリンとの絆は実はSASUKEが始まる遥か前からありました。2人が小学生のときの転校した学校で出会った2人。そこから時が流れて、この緑山で再会した2人。親友と誓った2人でのファイナルステージ進出。今夜その夢を果たすことはできるのか。
続いてはジャンピングバー。前回はこのジャンピングバーで氷川は池に吸い込まれてしまいました。
さあ前回のリベンジなるか。ジャンピングバー、1つ、氷川2つ、3つ、4つ、そして5つー。ジャンピングバークリアしました。見事前回の借りを返しました。そしてセンディングクライマー登っていく。センディングクライマーもクリアしました。
グリーンの休憩バーに足をかけた。ここでつかの間の休息を取ることができる。
やはり神はこの人を選んだか。氷川結衣、悲願の3rdステージクリアまであと2エリア。
初めてのファイナルステージの切符をつかむことはできるのか。銀の山の頂きはあとわずか。初めてその22.5メートルの山を登る権利をつかめるか。
さあ前々回のSASUKE、あとわずかのところで涙をのんだデビルブランコだ。宮崎マリンが考案したというグリーンの休憩バーを使って、ブランコに反動をつける作戦。この氷川も成功するか。
パイプに手がかかった。しっかりとつかんだ。さあパイプスライダー進んでいく。さあ赤い絨毯、自分のカラーと同じ赤の栄光のステージまであとわずか。初めての3rdステージクリアはなるか。反動をつけ始める。距離はこれだけ。
初めてファイナルステージの切符をかけて、どうだー!
…ダメかー!落ちてしまった
またしても3rdステージのゴール目前で、落とされてしまった。またしてもあと一歩のところで、ファイナルの切符に届きませんでした。
体調不良を押して挑んだ今回のSASUKE。1stステージ、2ndステージをクリアし、初めての3rdステージまであと一歩のとこまで行った。
初めてのファイナルの切符はもう目の前だった。ゴール地点に両足がついていた。あと数センチ、いやあと数ミリ、体が前に進んでいれば、初めてのファイナリストでした。
しかし赤いマットのクッションに跳ね返され、沼地に吸い込まれてしまった。またしてもファイナルの切符は、氷川の手からこぼれ落ちました。
無念、これで12回目の3rdステージリタイア。
しかし氷川結衣、本当に1日よくやりました。感動をありがとう。
「今日は、1stステージもやれないのかなと思ってたんですけど、こうしてここまでこれたのは、支えてくれたマリンちゃんや愛ちゃん、選手のみんなとスタッフの皆さんのおかげです。順番を変えてまで挑戦させてくれてありがとうございました。」
「私のためにここまでしてくれた皆さんに、3rdステージクリア、ファイナルステージ進出という形で感謝のお返しをしたかったんですけど、本当に申し訳ないです。」
アナ「謝る必要はないですよ。むしろこちらこそ、本当に皆さんに勇気と感動を与えてくださいました。本当に今日は暑い中、お疲れ様でした。」
「ありがとうございました。本当に今日は、やめずに挑戦してよかったと思います。」
「ごめん、マリンちゃん。また約束果たせなかった。」
「謝らなくていいよ。本当によく頑張ったよ。あとは私がやるよ。」
「一緒にファイナル行きたかったよ。ぐすっ」
泣きじゃくる結衣を、マリンが優しく抱き寄せる。
自分の胸で泣く結衣を見て自分も泣きそうになるが、彼女にはこのあとの3rdステージ挑戦がある。
2人の夢、ファイナルステージ。またもあと一歩届かなかった。
3rdステージ、残る挑戦者はあと2人。さあ唯一の完全制覇者、ガソリンスタンド勤務、長谷川健一が行きます。
5大会ぶり3度目のファイナルステージ、そして14大会ぶり2度目の完全制覇はなるのか。
アームリング、ちょっと苦しんでいるか。これは長谷川にとっては初挑戦のエリア。なんとか前に前に進んでいって、アームリングクリアしました。思った以上に手間がかかってしまったか。
―アームリングで思った以上に腕力を使い果たしてしまった長谷川。これが響いたか。過去1度も屈したことがないボディプロップで大苦戦。
2つ目の空白を通過したところで無念の落下。
実況「苦しんでる、長谷川苦しんでいる、あーっと長谷川…」
マリン「結衣ちゃんや、散っていったみんなの分まで頑張ります。必ずファイナル行きます。」
ナンバー100番、いよいよ3rdステージ最後の挑戦者を迎えました。
水無月祐樹がファイナルステージ進出。しかしそれ以外98人の夢が潰えました。
敗れた98人の想いを背負い、最後にこの3rdステージに挑むのは完全制覇に最も近いと言われる人。ライフセーバー宮崎マリンです。
果たしてファイナル進出は水無月1人なのか、それとも2人となるのか。
さあ宮崎の3rdステージが始まる。まずはアームリング、早い早い。あっという間にクリアした。
続いては今日3人の猛者を呑み込んだ難関ボディプロップ。しかし宮崎は過去にボディプロップで脱落したことはない。
さあ宮崎が歩み始めました。体をつっかえ棒にして歩んでいく。おお早い早い、今日3人を呑み込んだ難所ボディプロップをあっという間にクリアしました。
15回目の出場になります。かつて初出場でファイナルステージに進出。そのときは史上初の完全制覇を達成した長谷川とともにファイナリストになりました。
続いてはカーテンクリング、ここもスピードがある。さすが3rdステージ最強と言われる人、宮崎マリンだ。
第10回から第13回大会まで、4大会連続でファイナルステージに進出。第12回大会では完全制覇のボタンにあと数mmというとこまで行った。しかしその後4大会はファイナルから遠ざかっている。その間に続いての難関、クリフハンガーでのリタイアもあった。
さあクリフハンガーに手をかけた。上りの段差、30cmの段差もクリアしていく、続いては45cm、ここも難なく越えた。さすがクリフハンガーも難なくクリアしました。
4大会連続ファイナル進出のあと、4大会ファイナルから遠ざかっている。宮崎マリン、5大会ぶり6回目のファイナルステージ進出を目指します。
さあジャンピングバー、一気に行った、さあ2つ目、3つ目、4つ目、5つ目!ジャンピングバークリアしました。そしてセンディングクライマー登っていく。そしてグリーンのバーに足をかけた。
親友の氷川結衣との絆は実はSASUKEが始まる遥か前からありました。2人が小学生のときの転校した学校で出会った2人。それから約10年後、SASUKEの舞台で運命の再会。ともに誓った氷川ともにファイナル進出の夢はかないませんでしたが、今夜宮崎マリンの完全制覇で、この物語を完結させることはできるのか。
さあファイナルステージまであと2エリア。続いては前回苦汁をなめたデビルブランコ。前回はパイプスライダーを突き放してしまった。リベンジはなるか。宮崎が考案した休憩バーにブランコに反動をつけてパイプスライダーに移行するやり方で行く。パイプに手を伸ばす、今回はしっかりとパイプを掴んだ。
さあパイプスライダー、進んでいく、一気に進んでいく。さあファイナルまであとわずか。あとは天国と地獄を分ける最後の審判。反動をつけて、飛んだー!
5大会ぶりの3rdステージクリア!やりました、5大会ぶり6回目のファイナルステージ進出!3rdステージ最強の人、見事にその実力を見せつけた。
アナ「宮崎さん、おめでとうございます。」
「ありがとうございます」
アナ「どうでしたか今回の3rdステージは」
「結衣ちゃんがあと一歩のとこで行けなかったので、私はどうしても行きたかったので、クリアできてよかったです。」
アナ「いよいよ6回目のファイナルステージです。」
「今度こそあのボタン押して、上から見たいですね。」
アナ「頑張ってください。」
結衣「おめでとう」
「ありがとう。でもそれ言うのはファイナルをクリアしてからだよ。」
健一「余裕だったんじゃねえか」
「そうかな。けっこう緊張したよ。」
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ついに迎えたファイナルステージ。遥か頂きを極めるのは宮崎マリンか、水無月祐樹か。
第4回大会、ガソリンスタンド勤務の長谷川健一がただ1度の完全制覇。
だが以降7年、13大会。挑戦者たちを弄ぶかのように、その頂点は侵入者を拒み続けてきた。
それはまさに運命のいたずら。
あるとき(第8回)は突然肉体が悲鳴をあげた。
あるとき(第12回)はわずか0.06秒頂点に届かなかった。
あるとき(第13回)は天候の急変が行く手を阻んだ。
能力と努力だけでは届かない。ただ1人の完全制覇以降、実に延べ9人がファイナルステージに挑戦し、クリアなし。
スタッフ「いよいよこのファイナルの舞台に祐樹君があがります」
水無月父「ついに来ましたね。夢のようですね」
水無月母「まあ悔いの残らないようにやってくれれば」
詩織「ただただ、楽しんでもらいたいと思います。」
スタッフ「神戸さん、水無月さんがついにファイナルです。」
「どうでしょうね。初めてのファイナルステージなので、緊張してなければいいんですけど。」
スタッフ「水無月さんと宮崎さん、どっちが完全制覇すると思いますか?」
「うまく行けば2人とも行けるんじゃないですか」
スタッフ「小海さん、水無月さんがファイナルに挑戦です。」
春香「なんとなくだけど、やってくれるんじゃないかな。行ける気がする。」
ファイナルステージの前、祐樹は姉と会話する。
「ねえ祐樹」
「姉ちゃん」
「あの言ったよね。もし祐樹が完全制覇できたら、私に舞台に復帰してほしいって。」
「うん、だから必ず」
「私、戻るよ。明日からアイドルの仕事に復帰する。祐樹頑張ったから。ファイナルまで行けたから、もしファイナルはダメでも。」
「それは、俺はファイナルはクリアできないって思ってるってこと?」
「そうじゃなくて、もう今日の祐樹を見せられたら、私も負けてられないって思ったの。」
「姉ちゃんにそう思ってほしかったんだ。それがかなって嬉しいよ。でもファイナルに行けただけで十分なんて思ってないから。絶対に完全制覇する。ますます負けてられないって思わせてやる。」
「うん、頑張って。」
いよいよ始まる。SASUKE第18回大会のクライマックス、ファイナルステージ。
FINALステージ
1.スパイダークライム
2.綱登り
制限時間30秒
SASUKEの神は知っている。完全制覇の瞬間が訪れるのかそれとも否か。
誰が笑い、そして誰が泣くのか。
完全制覇に挑むのは2人。8回目の出場で初めてのファイナルステージ進出、水無月祐樹。
片や15回目の出場、6回目のファイナルステージ進出、宮崎マリン。
それでは地上22.5メートルのゴール地点にいるアナウンサー、どうぞ。
アナ「はい、こちら地上22.5メートルのファイナルステージゴール地点です。眼下には98人の夢を打ち砕いたステージが、まるで宝石箱のように美しく輝いています。ここにたどりつき、この絶景を見下ろすのは、学生でしょうか、それともライフセーバーでしょうか?」
今まで1800人が挑んできた18回に渡るSASUKEの歴史。完全制覇を達成し、頂きに立ったのはただ1人しかいません。
今夜史上2人目、あるいは3人目の完全制覇者誕生、果たしてなるのか。
さあまず挑んでいくのは大学生、水無月祐樹。
かつて甲子園、そしてプロ野球選手を目指してリトルリーグで野球をしていた。しかし小学生のとき交通事故に遭い、その夢をあきらめた。
その後SASUKE第3回大会ファイナリスト、神戸勝樹にあこがれ、SASUKEの舞台に足を踏み入れた。
プロ野球選手の夢をSASUKEの夢に変え、今夜、夢をつかむことはできるのか。
さあ水無月が挑む、水無月が行った。制限時間は30秒、30秒で22.5メートルを駆け上がっていく。まずはスパイダークライム。
さあ残りは20秒になる。残り20秒で綱登りに移行した。どうだ水無月、夢へあとわずかだ。水無月祐樹が夢を乗せて、体が登っていく。
さあ残り10秒となる。完全制覇、達成はなるか。夢にまで見たSASUKE完全制覇はすぐそば。史上2人目の完全制覇…
…達成ー!
水無月祐樹、一番星。今宵、ついに魔城は陥落した!
7年間挑戦者を跳ね返してきた、鋼鉄の魔城、SASUKE、陥落!
夢をつかみました、水無月祐樹。史上2人目、14大会ぶり、7年ぶりの完全制覇!
水無月父「よっしゃー!」
水無月母「やったー!」
第4回大会の長谷川健一に次ぐ、史上2人目の偉業を達成。
それを果たしたのは、まだ学生、水無月祐樹です。
かつて甲子園、そしてプロ野球選手という夢を目指し、その夢を事故によってあきらめた少年は、今夜、別の夢をかなえました。
マリン「おお、行った。私が挑戦する前に(完全制覇)出ちゃったよ。」
勝樹「おめでとう!」
春香「おめでとう!」
「行ってしもうた!」
水無月の瞳に頂きの景色、眼下の宝石箱が広がります。
この眼下の宝石箱を見下ろしたのはまだ世界で2人目です。
アナ「おめでとうございます」
「ありがとうございます。自分でもちょっと、行けるとは思ってなかったです。」
アナ「見事SASUKE、完全制覇です。」
「夢でしたね。まだ夢の中にいるみたいですけど。」
アナ「現実です」
「はい。この風と、下から聞こえる声援は、夢じゃないとと思います。最高です。」
アナ「ゴールした瞬間の声援、すごかったですね。」
実況アナ「水無月さん、最後のボタンを押したあの瞬間の気持ちを教えて下さいよ」
「それは本当、自分でもびっくりしているだけです。」
実況アナ「残り2秒56です。」
「本当びっくりしてます。」
「この気持ちを今、一番誰に伝えたいですか?」
「それは家族のみんな、お父さん、お母さんですけど、一番伝えたいのは姉ですね。」
「僕、小学生のとき事故に遭ってしまって、体が動かなくなって、入院したんですけど、そのとき一緒にいた姉ちゃんがずっと自分を責めて、自分のせいで事故に遭ったって言ってて、本当は僕が注意してなかったのが悪いのに、姉はずっと責任を感じてて。」
「だから姉に夢をかなえたところを見せて、安心させたかったんです。自分は姉のせいで不幸になってない。今の自分は夢をつかめて幸せだと、結果をもって示したくて。」
「誰よりも僕のSASUKE挑戦を応援してくれた姉にも、そして父と母にも感謝してます。本当にありがとう。」
その言葉を下で聞いた詩織
詩織「こちらこそありがとうだよ。私がアイドルの夢、祐樹が応援してくれたからアイドルになれたんだよ。」
「水無月さん、本当におめでとうございます。」
「ありがとうございます。」
「それでは、史上2人目の完全制覇者、水無月祐樹さんに今一度盛大な拍手をお願いします。」
「ありがとうございます。」
これまでただ1人の完全制覇以降、延べ1398人を呑み込んだSASUKE。
SASUKEオールスターズと呼ばれる数々の猛者が幾度も挑んで果たせなかったSASUKE完全制覇の偉業を果たしたのは、新世代、大学生の新星、水無月でした。
見事水無月祐樹、史上2人目、14大会ぶりの完全制覇達成です。
家族に後押しされた彼は夢をつかんだ。次は親友に後押しされた彼女が夢をつかむ番。
18回目のSASUKEの奇跡は第2章、一夜で2人目の完全制覇へ。
マリン「水無月君がいい流れを作ってくれたので、私も続きたいですね。」
結衣「ねえ、そう言いながらちょっと顔色悪いよ。大丈夫?」
マリン「え?そうかな?」
―マリンちゃん、プレッシャーかかってるんじゃないかな。
SASUKE第18回大会、99人の挑戦が終わりました。
水無月が史上2人目の完全制覇を成し遂げて、さあ今宵、夏の夜に完全制覇者がもう1人出るのか。
6大会前、鋼鉄の魔城の頂きに最も近づいた人が挑みます。ゼッケン100番、今大会最後の挑戦者となりました。
この人は第4回大会で初めてSASUKEに出場しました。あの長谷川健一が史上初の完全制覇を達成した大会で、初出場で長谷川とともにファイナルに進出しました。
そこからこの舞台に取りつかれました。第10回大会から第13回までは4大会連続でファイナルステージに進出。
しかしわずか0.06秒の差で、ファイナルのボタンから跳ね返されました。
なんとしても直前の水無月の成功体験に続いて完全制覇を達成したい。今夜、史上3人目の完全制覇を達成することはできるのか。
さあ宮崎の挑戦が始まった。6回目のファイナルステージチャレンジ。いいペースで登っている。
さあ残りが20秒となる。宮崎マリン、水無月祐樹に続いて完全制覇はなるか。水無月祐樹に続いて、史上3人目の偉業に向けて、体が登っていく。
まもなく残り10秒、行けるか宮崎、史上3人目、今夜2人目の完全制覇はまであと少し。がんばれ宮崎、宮崎がんばれ、宮崎…。
…最後まで懸命に綱をたぐりよせたが、30秒間、ここでタイムアップ。振り落とされた無念の宮崎。
結衣「がんばれー」
愛「がんばれー」
しかし無念のタイムアップで静まり返る。
祐樹「難しいですね」
6回目のファイナルステージ、宮崎完全制覇はならず。
しかし宮崎の人生にゴールなし。宮崎の挑戦は、宮崎マリンの旅は、まだ始まったばかり。
アナ「6回目のファイナルステージのチャレンジはいかがでしたか?」
「やっぱり難しいですね。水無月君が行けたので、自分も行けると思ってたのですが。」
アナ「目の前で出た水無月さんの完全制覇がプレッシャーになったということはありますか?」
「…いえ、水無月君がすごかっただけです。」
愛「これ目の前で先に完全制覇が出てプレッシャーかかったよね。」
結衣「私もそう思った。でもマリンちゃんはそれを言わないと思う。」
挑戦を終えたあとのマリンは、笑顔も涙もなく、ただただ呆然としたような表情だった。
こうして史上2人目の完全制覇に湧いたあと、最後はちょっぴり切ない結末で第18回大会、そしてSASUKE第2期が幕を閉じた。
次回、SASUKE、大リニューアル。
第18回大会結果
1位:86 水無月祐樹 完全制覇(残り2.56秒)
2位:100 宮崎マリン FINAL/綱登り(残り1m)
3位:95 氷川結衣 3rd/パイプスライダー(ジャンプ)
3位:94 小海春香 3rd/パイプスライダー(ジャンプ)
5位:98 長谷川健一 3rd/ボディプロップ(2つ目の空白後)
6位:90 佐藤静香 3rd/ボディプロップ(2つ目の空白)
7位:81 豊田麻里 3rd/ボディプロップ(1つ目の空白)




