第14回
その年のオリンピック、競泳100m平泳ぎ。
実況「さあ女子100メートル平泳ぎ、センター第4レーンに去年の世界水泳を世界新記録で優勝した海原愛が登場です。しかしその世界記録は、直前の大会で塗り替えられております。」
さあスタートしました。ここまで全員横一線。
まもなく50メートルのターン。海原がわずかにトップで折り返した。
後半の勝負。まもなく15メートル。海原がトップだ。これは世界新記録を狙えるペースだ。しかし隣との差はわずか。
残り10メートル。海原頑張れ、海原頑張れ。残り5メートル、海原がトップ、海原行け、海原行け!
勝ったー!世界新記録が出ました!海原愛、世界新記録で金メダル。
さらに数日後の200メートル平泳ぎ。
100メートル金メダルの海原愛が第5レーンで登場です。この種目去年の世界水泳では銀メダルでした。
さあスタートした。まず最初の50メートルのターンは海原は3位で折り返した。
続いて100メートルのターンを3位で折り返し。
さあ次は最後のターン。2位で折り返した。さあ残り50メートル。ここまで2位。
おーっとトップに出た。海原トップに出た。まもなく残り10メートル。今大会2つ目の金メダルに向けて海原がトップ。
やったー!また世界が微笑んだ!
実況「また世界が微笑んだ!」
海原愛、またしても世界新記録で2つ目の金メダル!
こうして2つのオリンピック金メダリストとして、海原愛がSASUKEに凱旋する。
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8月、今回もSASUKE夏合宿が行われる。
参加したのは宮崎マリン、氷川結衣、神戸勝樹、長谷川健一、中上新一郎、そして今回は新たに水無月祐樹が参加した。
合宿の夜、1年前に続いて肝試しが行われた。
組み合わせは勝樹と祐樹、健一とマリン、新一郎と結衣。
「今回は偶数だから余る人は出なかったけど、俺は男同士か。まあ水無月君とでよかったわ。」
「前回の俺よりマシじゃねえか。俺1人だったんだぞ。」
マリン「えーっと、長谷川さん。」
健一「なんだ?」
マリン「前回のSASUKEの話でもしませんか?せっかく私たち2人、前回のファイナリストがペアになったんですから。それとも、第4回大会のほうがいいですか?第4回も長谷川さんと私がファイナリストでしたよね。」
「前回でいい。前回がある意味一番の思い出の大会になったからな。」
「前回がですか。完全制覇した第4回大会ではなくて。」
「完全制覇したあと長く1stステージもクリアできなくて、そこから復活して再びファイナルまでいけた大会だったからな。そのことは完全制覇したときより嬉しかったな。」
「へえ、そうなんですか。」
「まあ、雨が降ってなくて、万全のコンディションでファイナルできてたらなって思いはあるんだけどな。」
「そうですね。」
―宮崎さんは、雨が降ってなかったら完全制覇できてましたよね、って言うのは残酷かと思い、言えなかった。
「私はだいたい3rdステージまで行けた大会は、全部思い出です。」
結衣「中上さん、SASUKEやっててよかったですか?」
新一郎「やってよかったよ。当たり前だろ。」
―そう思ってなきゃ、失業してまでSASUKEに出続けないですよね。
「私もです。でもときどき思うんです。これからもSASUKEやっててよかったって思えるのかなって。」
「失業してまでSASUKEに出続けようって、私にはそこまでは思えないんじゃないかなって。まあ私は家業なんで、失業することはないんですけど。」
祐樹「神戸さん。僕はいつか、必ずSASUKE完全制覇します。」
「でもそのとき、神戸さんと一緒にファイナルまで行きたいと思ってます。」
勝樹「そうか。そりゃ俺も常に目標は完全制覇だからな。」
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オリンピック金メダリストも交え、14回目のSASUKEが始まる。
オリンピックで日本を、世界を沸かせたアスリートと、名もなきアスリート。完全制覇をつかむのは…。
「まりんー、久しぶりー」
「愛ちゃん、久しぶり。オリンピック見てたよ。金メダルおめでとう。」
「ありがとう。」
「しかも金メダル2つでしょ。こんな人と中学校の同級生だなんて誇りに思うよ。」
「でもここではまりんのほうが有名人でしょ。4回もファイナルステージ行ってるんだから。5回だっけ?」
「初出場の第4回も入れると5回だね。」
「結衣も久しぶり。」
「私もオリンピック見てた。マリンちゃん、こんな人と同じ部活やってたってすごいね。」
「うん、でもそれは結衣ちゃんが私にいろんな人と交友関係を持つ勇気をくれたからだよ。」
今回の1stステージは史上最長94.2メートルのロングコース。
1.円錐跳び
2.バタフライウォール
3.三段ローリング丸太
4.クロスブリッジ
5.ジャンプハング
6.ねじれた壁
7.そり立つ壁
8.ターザンジャンプ
9.ロープクライム
制限時間は100秒
まず最初の挑戦者はゼッケン1番、不動産会社に勤務するOL、田中マリアです。OLの星となれるか。
新スタートエリア円錐跳び、やや時間はかかったがクリアした。
続いてバタフライウォール。おーっと着地に失敗したが再びウォールにしがみついた!
もう一度バタフライウォールで回る。OL田中マリア、今度はしっかり着地。
さあローリング丸太。あーっとOL!バタフライウォールで奇跡の生還を果たしたが、続くローリング丸太でリタイアです。
ゼッケン4番、獅子舞師、倉田麻衣が行きます。果たして獅子舞史上初の1stステージクリアはなるか。
さあ獅子舞の倉田、獅子舞ー。円錐跳びで落ちたー。
あっという間におしまい!
前半50人は1人もクリアできず。続いての挑戦者が最初の1stステージクリアとなるのか。
前々回3rdステージまで進出した松本信治。SASUKE第14回大会、最初に1stステージの赤いボタンを押すことはできるのか。
前々回は3rdステージのパイプスライダーまで進出、しかし前回は1stステージリタイアとなった。
さあバタフライウォールを通過して、松本がローリング丸太に入ってきた。このあたりはお手の物、お手の物。
まだ今大会1stステージをクリアしたものはいない。この人が初のクリアとなるのか。
ジャンプハング、飛びついたー。上から行く、ここまではいいペースできている。
ねじれた壁をクリアし、そり立つ壁。まだ残り時間は40秒以上ある。余裕があるぞ。…おーっと、どうした。1回目は失敗。
さあ2回目、あーっとどうした?焦ってはいけない、まだ時間はある。松本どうした。またしても魔物が牙を向くのか。
松本登れるか。ダメか。10秒切った。松本信治、そり立つ壁が登れず、まさかのタイムアップ!
70人目の挑戦者は、前々回3rdステージまで進出。あの神戸勝樹にあこがれてこのSASUKEの舞台に足を踏み入れた。
学生、水無月祐樹です。4回目の出場になります。
第11回大会でSASUKE予選会を通過して初めてのSASUKE出場権を獲得。第12回大会で3rdステージまで進出。前回は2ndステージ。
バタフライウォールを通過して三段ローリング丸太。回った回った、水無月どうだ。行った、行った。
クロスブリッジを越えて、いよいよジャンプハング。水無月飛んだ。飛びついた。これは軽やか。いよいよSASUKE1stステージ、初のクリア者が出るのか。
学生、10代の水無月祐樹。ねじれた壁、つかんだ。170cmのそり立つ壁はどうだ。1回目で行きたい…。指先がかかったが行けず。しかしまだ時間に余裕がある。
2回目はどうだ、行った!さあターザンジャンプにさしかかる。残りは30秒。あとはロープクライム。
学生の水無月祐樹、今大会初の1stステージクリア!
71人目の挑戦者は前回1stステージをクリアした東京ディズニーランドダンスキャスト、市ノ瀬怜です。
東京ディズニーランドでパレードをしております。市ノ瀬が行きます。
ダンスで鍛えた三半規管を武器に、難関ローリング丸太も軽々と越えていった。クロスブリッジも難なく通過。
難関ジャンプハングはどうだ。飛びついたー!ねじてた壁、ロープをつかんだ。
さあ一気に2人目の1stステージクリアとなるか。そり立つ壁はどうだ。一気に登った!
まだまだ残り30秒、まだタイムに余裕がある。2人目の1stステージ成功となるか。ロープクライム登っていく。さすがだ。市ノ瀬怜、2人目の1stステージクリア!
ここから一気にクリアラッシュになった。70番台のモブ男が1stステージクリア。
さらにゼッケン80番、中学校教師山下祐輔も1stステージクリア。
ここからラスト20人の戦い。
81人目はフィギュアスケーター、佐藤静香が挑みます。前回はまさかの1stステージリタイア。
まずは円錐跳び、軽やかに駆け抜けていった。バタフライウォール、飛びついていった。
さあ前回まさかのリタイアとなったローリング丸太はどうだ。1回、2回、3回転。今回は同じ轍は踏まなかった。
さあジャンプハングだ。フィギュアスケーター、ジャンプの女王佐藤!さすがここは全く問題ない。
ねじれた壁、ここも何も苦にせず。そしてそり立つ壁、一発で登った!
残るはターザンジャンプとロープクライム。残り20秒ちょっと。登っていく、登っていく、さすがの佐藤!
15秒43を残して4人目のクリア!
続いては競泳100メートル自由形の金メダリスト、マイケル・ハムが行きます。
競泳の選手ではありますが、このSASUKEでは水に飛び込んではいけない。水に落ちないように、この障害物を越えていかなくてはいけない。
ジャンプハング、飛びついた。お見事!
競泳金メダリスト、マイケル・ハムも1stステージをクリア。
さらに88番、山口県のKさんが1stステージクリア。
続いてもオリンピック金メダリストの登場です。体操団体及び個人総合、2つの金メダリストの白鳥寿が挑みます。
体操の金メダリストが行く。一瞬も目が離せない。
リズムよくあっという間にローリング丸太。さあ回転する、4回転、5回転。クロスブリッジ、バランス感覚もお手の物だ。
さあジャンプハング、飛びついた。さすがのゴールドメダリストだ。そしてねじれた壁。壁の向こうに下がったロープをつかめるか。行ったー。
さあそり立つ壁。1回で行ったー。体操個人総合ゴールドメダリスト、白鳥寿が登っていく。オリンピックに続いて、このSASUKEも1stステージを制した!
365プロアイドル、小海春香。
さあまずは新エリアの円錐跳びを行く。
―しかし小海春香はねじれた壁で落下。1stステージリタイア。
1stステージ95人目の挑戦者は、史上最強の無職、いや職業SASUKE、今は定職についている神戸勝樹です。
さあ神戸が行く。新エリア円錐跳び、ジャンプしていく。続いてバタフライウォール、飛びついていった。職業SASUKEここにあり。
かつてファイナルステージのクリアまであと30cmに迫ったこともあるこの人。まさか1stステージで落ちるわけにはいかない。
さあジャンプハングだ。どうだ神戸、飛びついた。下から行く、おーっと足!足!足が池についたら失格になるぞ。ここは危なかった。
さあそり立つ壁だ。そり立つ壁を登っていくー、1回目は失敗。そり立つ壁、2回目ー。足が進まない。
3回目、左手が一瞬届いたかに見えたがつかみきれず。残り10秒を切った。警告音が鳴っている。神戸勝樹、今回は1stステージ、そり立つ壁でタイムアップ。
第5回大会、初出場でわずか3人の1stステージクリア者のうちの1人となり、最優秀成績者になりました。第7回大会から、7大会連続の3rdステージ進出とトップクラスの安定感を誇るこの人の登場です。
これが10回目の出場、史上最強の巫女、氷川結衣が行きます。
新エリアは難なく越えて、バタフライウォール。ここも全く苦にしない。三段ローリング丸太、1回、2回、3回。いいスピードで来てる。これは最速タイムを狙っているのか。
ジャンプハング、高い!高く飛んで上から行く。ねじれた壁、1本下がっているロープに飛びつく。
そしてそり立つ壁、一気に登った!これはものすごいタイムが出そうだ。ものすごい最速タイムが出そうだ。巫女、氷川結衣、◯人目の1stステージクリア!
33.4秒残し。脅威の最速タイムが出ました!
愛「結衣すごい」
マリン「1stステージは結衣ちゃんが最強だからね」
「まりんより?」
「私より上だと思うよ」
「まりんは第3ステージのほうが強いんだっけ」
「まあそうかな」
愛「目の前ですごいタイム出されたからプレッシャーだよ」
結衣「100秒以内にゴールすればいいから」
いよいよ今回出場するオリンピック金メダリストの中で、最注目選手の登場です。
前々回、SASUKE第12回大会でファイナルステージに進出した。オリンピック競泳平泳ぎ100メートル、200メートル金メダリスト。海原愛の登場です。
目指すはオリンピックとSASUKEの2冠。今大会の最注目選手と言ってもいいかもしれない。
バタフライウォールをクリアして、三段ローリング丸太。回転するローリング丸太。ここも問題ない。
これが4回目の出場となります。前回出場した第12回大会でファイナルステージに進出しました。
さあジャンプハング、飛びついた。海原は下から行く。続いてねじれた壁、ロープをつかんだ。
さあそり立つ壁、おーっと1回目は失敗。残りは30秒となる。2回目、今度は登った。
夏のオリンピックでは競泳平泳ぎ100メートル、200メートルで2つの金メダル。このSASUKEでも有力選手として、97番のゼッケンで挑んだ海原愛、クリア!
元SASUKE先生、中上新一郎は現在絵本作家を目指しています。ゼッケン98番、前々回ファイナリスト、中上新一郎。
前回は3rdステージパイプスライダー、最後の最後で着地地点が雨で濡れていた影響で滑り落ちた。あの悲劇のリベンジを果たせるか。
まずは1stステージ、こんなところでつまずくわけにはいかない。
―中上新一郎も11.3秒を残して1stステージクリア。
さあ残る2人は前回のファイナリストだ。まずは史上唯一の完全制覇者、ガソリンスタンド勤務、長谷川健一が行きます。
前回は雨のファイナルステージ。スパイダークライムを登りきれず、15秒が経過してボードが開いて落下してしまった。
今回こそは完全制覇、2度目の完全制覇はなるか。さあローリング丸太、ローリング丸太クリアした。
クロスブリッジ、おっと危ない!バランスを崩した。ヒヤッとしました。
さあジャンプハングはどうだ。つかんだ。ジャンプハングクリア。ねじれた壁はどうだ。あーっと、どうした!?
ロープをつかみそこなった。唯一の完全制覇者、そして前回ファイナリストの長谷川健一、ねじれた壁で無念のリタイア。
「帰ったらすぐに練習して、今まで以上にやって、次回は必ず完全制覇します。」
99番、完全制覇者の早すぎるリタイアは、100番のこの人にも重くのしかかるか。
「私が長谷川さんの分まで頑張ります」
「だよね。絶対来てね。」
「出発」
「「進行!」」
「発車」
「「オーライ!」」
初出場時の肩書きはライフセーバー志望。夢をかなえ、正式にライフセーバーという肩書きになったこの人が、次にかなえる夢はSASUKE完全制覇だ。
1stステージ最後の挑戦者、栄光のゼッケン100番は、ライフセーバー、4大会連続ファイナリスト、宮崎マリンです。
宮崎が行きます。まずは新エリアの円錐跳びをやすやすクリア。SASUKEの海猿と言われていますが、陸海空すべてを制することができるか。
まるで海の中を悠々泳ぐ魚のように、SASUKEの1stステージの難関を軽々越えていく。
ジャンプハング。ここも軽々越えた。さあねじれた壁、まず呼吸を整えて飛んでいった。
そり立つ壁も一発。宮崎にとって1stステージは通過点に過ぎない。目指すはファイナルステージの頂点、完全制覇だ。
残り35秒もある。さきほど氷川が33秒残したが、またもすごいタイムが出た。
残り時間30秒ジャスト。氷川結衣に次ぐタイムで、12人目の1stステージクリア。
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1stステージクリアは12人。オリンピック選手が4人も生き残った。
2ndステージ
1.ロープグライダー
2.スパイダーウォーク改
3.バランスタンク
4.メタルスピン
5.ウォールリフティング
制限時間65秒
制限時間が前々回より5秒短くなって65秒。新エリアのメタルスピンはどのような波乱を起こすか。
まず2ndステージ最初の挑戦者は、水無月祐樹。あこがれの男、神戸勝樹は1stステージで散った。神戸の分まで水無月祐樹が行く。
ロープグライダー、まずは1つ目。そして2本目、さあわずかなミスも許されない。タイムロスは極力避けたいところだ。
一気に登る、スパイダーウォーク一気に登っていく。そして一気に下っていく。
しかし次のバランスタンクは前回足元をすくわれた。今回は同じ轍は踏まない。
残りは25秒。新エリアのメタルスピン、飛びついた。残りはまだ20秒。余裕があるぞ。
ウォールリフティング、1枚目、2枚目、そして3枚目も持ち上げて余裕を持って行った!水無月祐樹2ndステージクリア!
続いて東京ディズニーランドダンスキャスト、市ノ瀬怜。前回はウォールリフティングでタイムアップとなったが、見事リベンジを果たし、初の2ndステージクリア。
初めて1stステージをクリアしたモブ男は第1エリアロープグライダーで滑り落ちた。
中学校教師、山下祐輔も2ndステージクリア。
ここまで順調だったが、実は悲劇が始まろうとしていた。
フィギュアスケーター、佐藤静香。過去4度3rdステージに進出。
4回目の前々回は鬼門としていた3rdステージランプグラスパーを初めて越えた。
オリンピックも経験したフィギュアスケーターも、SASUKE3rdステージクリアに懸ける想いは誰にも負けない。
今度は初の第3ステージクリアに向け、こんなところで落ちるわけには行かない。
まずはロープグライダー、2つ目のロープに移っていく。
続いてスパイダーウォーク、登っていく。とにかくスピードがものを言う。スピード勝負の2ndステージ。
残り20秒で続いてはバランスタンク。おーっとうまく進まないか。15秒切っている、ジャンプー!半分切ったところでジャンプ。
そしてメタルスピン飛びついた。残り10秒を切った。さあウォールリフティング、急げ静香、2つ目の壁を持ち上げた。そして3つ目をあげた。どうだー。
…間に合わなかった!3枚目の壁に足を取られてしまった。
佐藤間に合わなかった。
続いてはオリンピック金メダリストの登場です。競泳100メートル自由形の金メダリスト、マイケル・ハム。
いよいよオリンピックの金メダリストが2ndステージに挑む。ロープに握って滑っていく。すばやく2本目に移行した。
スパイダーウォーク、ここは慎重だ。慎重に上に登っていく。初出場、すべてが初めてのチャレンジ。スパイダーウォーク今度は下り。時間との戦いになる。
残りは25秒。スルスルスルスル下っていったマイケル・ハム。アメリカからやってきたオリンピックの金メダリスト。
残り時間は15秒を切った。メタルスピン飛びついた。
さあ残りは10秒だ。行けるか行けるか。さあウォールリフティング1つ目、2つ目、5秒、4秒、3秒、2秒、飛び込めるか、飛び込んだー!
間に合ったー!
…間に合ったのか?クリアを示す煙が上がらない。
マリン「今ボタン押してないんじゃ?」
愛「押し忘れたの?」
結衣「煙があがってない」
なんとボタンを押し忘れ。勢いよく飛び込んで、ゲートは開いたが、煙があがらない。
マイケル・ハム、2ndステージ、リタイアです。
愛「こういうことがあるからSASUKEは怖い」
結衣「でもマリンちゃんよく気付いたね。ボタン押してないって。」
マリン「ボタン押さないでゴールゲートに飛び込んじゃったの見えたから」
この悪い流れを断ち切れるか。オリンピック体操団体&個人総合金メダリスト、白鳥寿が行きます。
勝負の2ndステージ、白鳥スタートしていく。制限時間は65秒です。
―白鳥寿はやや危ない場面があったものの、残り時間ギリギリでクリア。4大会ぶりの3rdステージ進出を決めた。
初めて1stステージをクリアした山口県のKさん、2ndステージもクリア。
続いては1stステージ脅威の最速タイム。史上最強の巫女、氷川結衣。
この2ndステージも11秒を残して余裕のクリア。
自由形金メダリストのマイケル・ハムは散った。ならばこの海原はクリアなるか。オリンピック100メートル平泳ぎ、200メートル平泳ぎの2つの金メダリスト、海原愛です。
ロープをしっかりと握りしめてぶら下がっていく。握力はどうか。
さあスパイダーウォーク、まずは登っていく。そして今度は降りる。競泳選手でありながら、このSASUKEでも前々回ファイナルステージに進出した。
バランスタンクに挑む。バランス感覚はどうか。ここも全く問題ない。メタルスピン、飛びついていった。
まもなく残り10秒になる。海原急げ、時間との戦いだ。これは早いぞ。間に合いそうだ。間に合ったー!
途中時間を食ったがウォールリフティングが早かった。
元高校教師、中上新一郎。現在は絵本作家を目指しており、まもなくデビュー作が発売される。
SASUKEに人生を懸ける人。前々回、ファイナルの味を知る人。
さあ中上新一郎がスタート。ロープグライダーまず1本目、そして2本目しっかりと握りしめていく。65秒間でこのステージを制覇しないといけない。
さあスパイダーウォークに入っていく。なんといっても前々回はファイナルステージまで行きました。そして前回は3rdステージ。この2ndステージは大丈夫だろう。
スパイダーウォークをクリアして、続いてはバランスタンク。あーっとなんと!中上新一郎、バランスタンクに落とし穴!
いよいよ最後の挑戦者です。ゼッケン100番をつけるのはSASUKEの海猿、ライフセーバー、宮崎マリン。
さあ真打ち登場だ。
―宮崎マリン、12秒残しで最速タイムで2ndステージクリア。
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3rdステージ進出は水無月祐樹、市ノ瀬怜、山下祐輔、白鳥寿、山口県のKさん、氷川結衣、海原愛、宮崎マリン
3rdステージ進出は8人。
前回新設されたジャンピングバーが下り方向にマイナーチェンジし、その直後に休憩を挟まず驚愕の新エリア、センディングクライマー出現。
さらにボディプロップは3つ目の空白が手の方と足の方、両側についた。
1.ランブリングダイス
2.ボディプロップ改
3.カーテンクリング
4.クリフハンガー
5.ジャンピングバー改
6.センディングクライマー
7.パイプスライダー
愛「これ終盤にこの新エリアってやばいでしょ。」
結衣「腕力残ってないよ。でもマリンちゃんならこれでも行けるんじゃない?」
マリン「どうかな。」
この3rdステージに最初に挑むのは水無月祐樹。前々回、初めて3rdステージに進出。クリフハンガーで涙を呑んだ。
さあ3rdステージが始まります。まずはランブリングダイス。四角形のダイスを転がしていく。鈍い音が夜の緑山に響く。まずランブリングダイスをクリア。
姉は365プロ所属アイドルの水無月詩織。彼は姉のファン第1号だったと話しております。
さあ進み始めましてボディプロップ。小学校時代は少年野球に所属しておりました。野球の経験がある水無月祐樹。
1つ目の空白は手、2つ目の空白は足の側。2つ目の空白を通過して、今回から3つ目の空白は手と足両方にある。どうだ、ここは慎重に行け。さあクリアした。ボディプロップクリアしました。
幼少期は姉にあこがれ、大きくなってからは神戸勝樹にあこがれて、この2人に人生の影響を受けてこのSASUKEに舞台にやってきました。
続いてはカーテンクリング。カーテンのシワにしがみつく。半分来た。うまくリズミカルに進んでいる。水無月が進んでいく。カーテンクリングクリアしました。
さあクリフハンガーです。前々回水無月はこの3rdステージ、クリフハンガーで跳ね返されました。肘の角度は90度、直角に曲がっている。1つ目の30cmの段差を越えて、2つ目の段差は45cm。
クリフハンガークリアした。見事前々回の雪辱を果たしました。
前々回は3rdステージ、しかし前回は2ndステージで撃沈した。2度目の3rdステージ、今回はファイナルステージ進出なるか。
さあ前回から新設されたエリア、ジャンピングバー。1.6mの間隔をバーからバーへ飛び移る。その先に新エリアのセンディングクライマーがある。
1つ行った。2つ目、3つ目、4つ飛んだ、さああと1つ。飛んだー!
そして新エリアのセンディングクライマー。1つ2つ、丸い突起をつかんで登っていく。さあ上がった。上がった上がった。足をかけて、新エリアセンディングクライマーをクリアしました。
グリーンのバーに座って一瞬の休息。
3rdステージに駒を進めた8人の中の先陣、1人目でいきなりクリア者が出るのか。残るはパイプスライダーだ。
神戸が見ています。リタイアした神戸が水無月を見ています。そして水無月も神戸を見ているのか。
さあパイプスライダーに出て行った。第3ステージ、栄光のファイナルステージまであとわずか。さああとはこのジャンプ。かなりの距離がある。さあどうだー!
…残念!わずか数センチ距離が足りなかった。
新エリアセンディングクライマーをいきなり攻略して見せた水無月祐樹。しかしファイナルステージにあと一歩、届きませんでした。
アナ「ファイナルまであと1エリアでした。」
「ちょっと悔しいですね。でも頑張りました。」
姉の詩織が迎え入れる。
「頑張った。かっこよかったよ!」
2人目の挑戦は東京ディズニーランドキャスト、市ノ瀬怜。
まずランブリングダイスを転がしていく。空中の大玉を二の腕で転がしていく。まずランブリングダイスをクリアして、1つ目の休息。
さあボディプロップ。途中3つの空白、今回から3つ目の空白は手と足の両方にあります。初めての3rdステージ、市ノ瀬怜がボディプロップに挑んでいく。まず1つ目の空白通過、続いて2つ目の空白。
まもなく手と足、両方の空白があるぞ。あーっと市ノ瀬…。今回からリニューアルされた3つ目の空白で足を滑らせた!
アナ「1stステージ、2ndステージ、ひょいひょいと行けてましたけど。」
「本当アスレチック感覚で楽しく遊べました」
続いて中学校教師、山下祐輔。
ー体をつっかえ棒にして橋を渡っていきますボディプロップ。…あーっと落ちた!
スタート地点にオリンピックの頂点に経ったこの人が立つ。オリンピック体操金メダリスト、白鳥寿です。
SASUKEの3rdステージ進出はこれが2回目。4大会前の第10回に続いて2回目。
体操を制したこの人が、SASUKEも制するか。さあランブリングダイス、ここで疲労の蓄積を防いでいきたいところ。まずはランブリングをクリアしました。
続いてボディプロップ、体操の白鳥、リズミカルに進んでいく。両手をしっかりと指先を反対方向に向け、さあどうだ、残り1メートル。究極のつっかえ棚。越えましたボディプロップ成功。
さあカーテンクリング。4大会前の第10回大会はクリフハンガーでリタイア。その前に前回から導入された新エリア、カーテンクリング。あーっと、危ない。立て直した。懸命にカーテンを掴む。白鳥懸命にカーテンをつかむがー!燃え尽きた。
体操の白鳥寿はカーテンクリングで力尽きた。
山口県のKさんの3rdステージは衝撃の結末に
最初のエリア、ランブリングをまもなくクリアしようとしていたそのとき。あと一歩回せたのだが、Kさんがその手前でジャンプした。その結果…。
あーっと転落!山口県のKさんはランブリングダイス、着地地点で落下!一歩早かったか。詰めが甘かった。
マリン「あーあ、もったいない」
愛「こういうことがあるからSASUKEは怖いよね」
ー氷川結衣、初めて3rdステージ成功はなるか。そのためにこのボディプロップ、つまずくわけにはいかない。まもなく3つ目の空白。
あーっと手が滑った!
氷川結衣もボディプロップでリタイア。
残る挑戦者はあと2人。登場するのは誇り高きアスリート。
競泳オリンピック金メダリスト、海原愛は1年前の前々回、SASUKEでもファイナルステージに進出。至高の頂にあと一歩まで迫った。
今夜、水泳に続いて、SASUKEを制することはできるのか。
人間の持つポテンシャルを最大限に発揮できるもののみがたどりつけるのがこのファイナルステージのゴールです。
さあ挑むは競泳オリンピック、100m平泳ぎ、200m平泳ぎ2つの金メダリスト、海原愛。
さあ始まりました海原の3rdステージ、ランブリングダイス。ちょっと斜めに傾いたが強引に戻した。そしてまず休憩地点に着地しました。
ボディプロップに挑みます。さあ海原愛、まさに日本競泳界の英雄、誇りはこのSASUKEでも英雄となるのか。さあ残りはわずか、まもなく3つ目の空白…。ボディプロップクリアしました。
わずかな休息時間を経て、再び次のエリアへ。第10回と11回大会は2ndステージ、そして前回出場した第12回はファイナルステージに進出。さあ初体験のカーテンクリング。海原つかんでいる。どうだあとわずか、カーテンクリングをクリアした。
今回も100人が挑んだSASUKE。残る挑戦者はあと2人。さあクリフハンガー、まず30cmの段差を登った、そして今度は下りの段差、詰めを誤るな。たどりついたー。クリフハンガークリア。
海原クリフハンガーをクリアしました。さあジャンピングバー。海原にとっては初体験のエリア。
さあ海原飛び出した、まず1本目、2本目行った、体を振って3本目、4本目、5本目、ジャンピングバークリア。
そして新エリアのセンディングクライマー、登れるか。おっと苦しいか。海原頑張れ、ここまで突破してきた。なんとか手をかけたい、手をかけたいが。海原頑張れ、海原頑張れ、あーっと海原ー!
二の腕はもう限界だったか。オリンピック競泳金メダリスト、前々回のファイナリスト海原愛、新エリアのセンディングクライマーで力尽きました。
そしてついに残すところあと1人の挑戦者となりました。前回、前々回、そしてその前も、あとわずかのところで逃した完全制覇を今夜達成することはできるのか。
SASUKE第14回大会、3rdステージ最後の挑戦者。ライフセーバー、SASUKEの海猿、宮崎マリンです。
4大会連続のファイナリスト。99人の想いを乗せて、5大会連続のファイナリストなるか。さあランブリングダイス、スムーズに行っている。あっという間にランブリングダイスクリアしました。
これが11回目の出場、3rdステージは8回目、過去にボディプロップで落ちたことはまだありません。しかし今回はボディプロップはリニューアルされている。3つ目の空白が手の側と足の側、両方に空白がある。まもなく3つ目の空白にさしかかる。ここで今夜は数多くの挑戦者が苦しんだが、どうだどうだ、越えた。マイナーチェンジされはボディプロップ、しかし宮崎は全く問題なし。ボディプロップクリアしました。
小さく目を閉じた宮崎。呼吸を整えます。まだこの表情には余裕がうかがえる。さあカーテンクリング、白い光に包まれたカーテン。
どうだ、おーっと体が揺れている。風が吹いている、緑山に今風が吹いてきました。風がカーテンを揺らしている。うまくしわをつかむ。頑張れ宮崎、残りはあと少しだ。なんとかクリアしました。
一瞬危なかった。このタイミングで風が吹くという不運。しかしその不運を乗り越えた。
続いてクリフハンガーです。一気に体を左右に振りながら、まず30cm上りの段差。そして下りの段差45cm、…あーっと宮崎ー!
クリフハンガーでまさかの転落!
愛「よし、頑張れ」
結衣・愛「「ああぁー!」」
結衣「なんで!?」
宮崎マリン、クリフハンガーでまさかの転落。5大会連続のファイナルステージ進出はならず。この瞬間に第14回のSASUKE、100人全員が消えました!
アナ「今回もみんなの想いを背負っての挑戦者でしたが」
「はい、それは慣れっこです。」
「カーテンクリングで風が吹いてしまう場面がありましたが」
「はい、そこで腕力を消耗したみたいです。」
「それは不運でしたね」
「実力不足ですよ。悔しいですけど、自分としては楽しめたので最高でした。」
第14回大会結果
総合1位:70 水無月祐樹 3rd/パイプスライダー(ジャンプ)
総合2位:97 海原愛 3rd/センディングクライマー
総合3位:100 宮崎マリン 3rd/クリフハンガー改(下り段差)
総合4位:81 白鳥寿 3rd/カーテンクリング
総合5位:96 氷川結衣 3rd/ボディプロップ(3つ目の空白)
総合5位:76 市ノ瀬怜 3rd/ボディプロップ(3つ目の空白)
総合7位:77 山下祐輔 3rd/ボディプロップ(1つ目の空白)
総合8位:88 山口県のKさん 3rd/ランブリングダイス(着地ミス)
総合9位:82 マイケル・ハム 2nd/ウォールリフティング(ボタン押し忘れで失格)
総合10位:81 佐藤静香 2nd/ウォールリフティング(3枚目、タイムアップ)