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第12.5話(2025年5月追加)

第11回大会と12回大会の間、神戸、長谷川、中上で温泉に行った。


「長谷川君とプライベートで温泉なんて初めてだな」

「そうだな。前はガソリンスタンドで毎日会ってたのに。」

「SASUKEの第1回が始まる前から会ってたみたいだが、SASUKEがなかったら話することもなかっただろうな」

「へえ、2人はSASUKEが始まる前から出会ってたんですね。」


脱衣所で服を脱ぐ。長谷川がTシャツを脱いだとき、中上が言った。

「長谷川君、なんでブラつけてるの?」

「ブラじゃないよ。大胸筋矯正サポーターだよ。」

「そ、そうなんだ。」


前にメンズブラってのが流行ってるとインターネットで見たことがあるな。メンズブラに見えるんだが。


「神戸君も大胸筋矯正サポーターしてるんだ。」

「大胸筋矯正サポーターじゃないよ。デジタルブラだよ。」

「デジタルブラ?ブラつけてんの?」

「野球の大谷選手もつけてるだろ」

「ああ、あれか」


新一郎「宮崎さんたちとSASUKE合宿をすることになったんだってな。」

健一「今回は神戸君も参加することにしたんだな。」

勝樹「ああ、参加しないと宮崎さんに置いてかれるんじゃないかって危機感持ち始めたんでな。」


ということで、SASUKE合宿がこのあと行われる


新一郎「男3人の温泉回なんて、色気ないですね。」

健一「男性読者には需要は少ないだろうな」

勝樹「女性陣、宮崎さんたちの水着回や温泉回は『マリンドリーム』のほうでやることになってるそうだ」

健一「おお神戸君、ナイスメタ発言」



一方こちら

マリンと結衣が2人きりでのセット練習でのこと。

「あのね、私、たまにノーブラでセット練習やってるの。」

「えーーー!?」

「わずかに揺れるおっぱいが気になるけど、そのおかげで腕力とか指先とかすごい鍛えられるよ。そのあとブラつけてクリフとかやるとさっきよりやりやすいんだよね。」

「結衣ちゃんもやってみる?結衣ちゃんはその胸だともっときついと思うけど」

「おっぱいの形崩れちゃうよ!」

「私は崩れるほど大きくないし。なんなら今度はノーパンノーブラでセット練習やってみようかな。」

「おっぱいが垂れること気にしてたら完全制覇なんかできないよ。」

「マリンちゃん、神戸さんほどじゃないけど大胆だね。」

「まあさすがに仕事クビになってまでトレーニングはしないけどね。」



そして恒例となったマリンの家での合宿を行った。

参加したのは結衣、神戸、長谷川、中上、そして海原愛。

神戸はマリンの地元の海の家でアルバイトを行う。


「皆さん、この度は私の家での合宿にお越しいただきありがとうございます。」

「この合宿は第9回大会の前に、私と結衣ちゃんで始めたものです。第9回大会のときに他の常連出場者も誘ったんですけど断られてしまって、今回ようやく参加してもらえました。今回はSASUKE完全制覇を目指して、皆さんで意見や攻略法を出し合えたらいいなと思います。」


次に神戸がコメントする

「神戸勝樹です。俺は今まで誰かと一緒に練習するってことに消極的でした。自分の手の内を知られるとか、技を誰かに盗まれたら嫌だなって思ってて。ただ自分の昨今の成績で、そうも言ってられなくなってきたんで。今日はむしろみんなの技とか攻略法、盗めるものがあったら盗んでいきたいなと思います。」


「来週は神戸さんの家でも合宿を行うことになっているので、どうぞよろしくお願いします。」


次に長谷川

「ガソリンスタンド勤務、長谷川健一です第10回の大会で引退って言って、前回は出なかったんですけど、前回の神戸が引退を撤回してまた出てきたということで、俺も引退を撤回し復活することにしました。で今回神戸君もこの合宿に参加するということで、俺も参加することにしました。」


次に中上

「高校教師の中上新一郎です。次の第12回大会ではファイナルステージ進出、そして完全制覇を目指してます。今日は皆さんと一緒に頑張りましょう」


次に結衣の挨拶。

「巫女の氷川結衣です。この合宿は、マリンちゃんと私で始めたものです。私とまりんちゃんは小学4年生のとき、半年だけクラスメートでした。こういう形でまりんちゃんと再会できたのは嬉しいです。ただ今は私は埼玉、マリンちゃんは長崎と遠くに住んでるんで、メールとかで情報を交換することはあってもなかなか会えないんで、大会の直前に2人で合宿をするということを始めました。」


最後に愛

「私はSASUKEではそこまで実績ないのにここにいていいのかなって思ってるんですけど、私の住んでるとこの近くで合宿をやるってことでまりんに誘われて参加させていただきました。私とまりんは中学の水泳部の同級生で、高校でも大会のときとかたまに会ってました。よろしくお願いします。」


ここからマリンが主導のセット練習が始まる。

「クリフハンガーは、横に移動するように足も動す。腕や指先を強化しがちなんですけど、足の使い方も重要なんですよ。」

神戸「そうか。今までは指先だけの力でなんとか行けてたけど、足を動かすようにしたらもっと楽に行けるかもな。」


「パイプスライダーは片方を順手ともう片方を逆手でパイプを持つと、後ろに下がらずにうまく進めます。まあこれは既に多くの人が習得してると思いますが。」

「考案したのは俺です。」

「ですよね。私も神戸さんから教わったこともあるんですよ。」



合宿の別の日、マリン、結衣、愛は海でダイビングをした。


「愛ちゃん、相変わらず水泳選手は早いね。」

「まりんもライフセーバーでしょ。身体能力はいい方じゃない。」

「こうなってくると、私は2人についていくのも大変かもね。」

「今回は楽しめばいいんだよ」


「ダイビング回の詳細は『マリンドリーム』でやるよ」

「マリンちゃん、メタ発言で伏線貼るとはさすがだね」



海の家、ここでは神戸がバイトをしている。

「神戸さん、冷やし中華1つ」

「私もそれで」

「宮崎さん、ここで神戸さんと呼ぶのはやめて下さい。」

「いいじゃないですか。海の家で働く神戸さんもかっこいいですよ。」

「定職についてないんだからかっこいいものじゃねえよ」

「定職はSASUKEでしょ?」


勤務中にSASUKEのトレーニングをしたことで運送トラックドライバーをクビになり、現在定職についてない神戸は、合宿先でもアルバイトをして生計を立てている。


マリン「SASUKEの練習のしすぎて仕事をクビになった人、もう1人いましたよね。」

勝樹「鎌田のことか」

マリン「鎌田さん、引退して本当に出てこなくなっちゃいましたね。」

結衣「私が初出場のとき、一緒に1stクリアした人ですよね。今何してるのかな」

勝樹「さあ。俺も会ってないから知りません。」

マリン「神戸さんも引退してたら会えなくなってたのかと思うと、戻ってきてくれてよかったですよ。」


その後第12回大会のあと、もう1人リストラに遭い失業する人が出てくることを彼らはまだ知る由もなかった。



SASUKE合宿の第2部は神戸の家で行われた。愛を除く5人が前回に続いて参加。

そこではさらに充実したセット練習が行われた。


「私はセット少ししか持ってないので、神戸さんの家で練習できて嬉しいです。本当にありがとうございます。」

「それはどうも。しかし宮崎さん、セットそんなに持ってないのにファイナルまで行けてるってすごいですね。これは俺はますます負けてられないな。」


夜は肝試し。

組み合わせは勝樹とマリン、健一と結衣の組み合わせ。奇数のため新一郎は1人での挑戦に。


「愛ちゃんがいたら1人にならなかったのに残念でしたね、中上さん。」

「まあ仕方ない。」


マリン「神戸さんはSASUKEのトレーニングのしすぎで運送の職業をクビになったとのことですが、SASUKEにはそれだけ人生を犠牲にしてでも懸けるものがあるってことなんですよね?。」

勝樹「そうだな。君にもわかるんじゃないか。」

「まあ半分わかります。私は仕事をクビになるのは勘弁ですけど。」


結衣「長谷川さん、ファイナルステージの上からの景色ってどうでしたか?」

健一「最高だったよ。景色よかった。」

結衣「いいなー。私は初めて出る1つ前の大会で長谷川さんが完全制覇しちゃったせいで、難しくなったんですからね。」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

第12回大会と13回大会の間の冬、今度は結衣の家で合同合宿。

お正月、神戸勝樹、中上新一郎、長谷川健一、宮崎マリンは結衣の神社でアルバイトをした。


マリンは結衣と一緒に巫女のバイト。長谷川はおみくじとお守りの販売所のバイトだ。


「巫女服かわいいよね。結衣ちゃんいつもこんな服着れていいな。」

「ライフセーバーの水着もかっこいいよ。」


「袴姿の長谷川さんもかっこいいですね。」

「それは…照れますね…。」

「いつもSASUKEでの衣装とガソリンスタンドの制服しか見たことなかったので新鮮です。」

「まあ俺は本業があるし、これはバイトというよりボランティアなんだけどな。」


そして神戸と中上は屋台のバイトをしている。

「氷川さん、バイトを紹介していただいてありがとうございます。」

「どういたしまして。」

「夏は宮崎さんに紹介してもらったんですよね。」

「神戸さんは本業がなくて大変ですからね。いや、本業はSASUKEなのかな。」

「SASUKEは職業じゃないよ。」

「そうですか?SASUKEが職業だと思ってそうですけど」


「中上さんは、こないだのSASUKEはすごかったですよね。完全制覇まであと1メートルくらいまで行ってましたよね。」

「完全制覇まであと0.06秒まで行ったマリンちゃんがそれを言う」

「お互いあと少しでしたね」

「俺も完全制覇まであと30センチだったことあるんだよな。」


「向こうでお守りの販売員をしてる男が完全制覇者か。うらやましいな。」

「ですね。でも長谷川さんはそれから苦労したこともあったみたいですし。」


「御三方はファイナルステージに行けただけ私よりすごいですよ。私、まだファイナルに行ったことない…。」

「次は一緒にファイナル行こうねって約束したでしょ。クリフハンガーはクリアできたんだから、次は結衣ちゃんもファイナル行けるよ。」


「中上さんは教師なのに副業していいんでしょうか?」

「あ、それは…」

「中上君は先日…」

「神戸君、俺が自分で言うよ。俺は秋に教師をクビになったんだ。」


「「えー!?」」

マリンと結衣が一緒に声をあげる。


「なんで?って聞かないほうがいいのかな」

「SASUKEのトレーニングに専念するために半年間学校を休んだら、校長にキレられた。まあ当然だろうな。そのおかげでこないだの大会はファイナル行けたわけだけど。」

「それで大丈夫なんですか?」

「大丈夫じゃないからここでバイトしてるんだ。」

「中上が教師をクビになったことを知って、俺がこのバイトに誘ったんだ。」


こうしてフリーターが2人になった今回の合宿。リーダーは神戸


「今回の合宿ではそれぞれの苦手エリアを重点的に対策しましょう」

「でも、俺はぶっちゃけ全部苦手なんだよな」

アハハハハ


「俺も1stステージのエリアはほとんど自信ない。」

前回は久しぶりに1stをクリアした長谷川だが、それまで8大会クリアから遠ざかっていた。


「宮崎さんは苦手なエリアあるんですか?ファイナルの綱登りくらいなんじゃ?」

「綱登りもですけど、2ndの最後にあるウォールリフティングですね。小柄なものでパワー系は苦手なんですよ。」

「ウォールリフティング苦手には見えないけどな。」

「初めて出たときよりはうまくなってます。」

「初出場の第4回は2nd最速タイムだけどウォールリフティングだけちょっと時間かかってたんだっけな。」

「長谷川さんよく覚えてますね」

「思い出の大会だから何度もオンエアの録画見てる。でも1stで落ちた大会もちゃんと見ないとな。」


「私は3rdステージを重点的にだね。特にクリフハンガー、そして前回落ちたパイプスライダー。」

「結衣ちゃん、こないだは頑張ったよね。あと少しでファイナルだね。」

「うん。でも新エリアとかできるかもしれないし。クリフもまだ苦手なんだよな。」


こうして冬のSASUKE合宿は過ぎていった。


結衣の神社でSASUKE完全制覇祈願

最後はマリンが指揮を取る

「みんな、お守り持った?」


「それでは。次のSASUKE、絶対に、完全制覇するぞー。」

「「「「「オー!!」」」」」


いざ、SASUKE第13回大会へ。

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