第9回
SASUKE第9回大会を前に、2人で合宿を行った宮崎まりんと氷川結衣。場所は結衣の地元、埼玉県川越市。
初めて川越を訪れたマリン。
「結衣ちゃん、来たよー。」
「まりんちゃん、久しぶりー。」
「こんな風に2人きりで会うの、小学校でクラスメートだったとき以来だね。」
「うん、懐かしい。まあ場所は違うけど。」
小学生のとき、田舎の町でたった半年クラスメートだった2人。2人とも転校し、別離になった。
2人でお守りを交換し、これからも友達でいること、そしていつか再会することを誓った2人。
それでもまだ幼かった2人。お互いどちらも居場所がわからないまま、もう会えないのかと思った2人。
結衣「このお守りが、私たちをまた引き合わせてくれたんだね。」
マリン「お守りもだけど、SASUKEのおかげだよ。結衣ちゃんと再会できただけじゃなくて、結衣ちゃんと同じ目標ができたってことがとても嬉しいんだ。」
そして初めての2人きりの合宿。
「なんか部活みたいだな。私、結衣ちゃんと同じ中学や高校に行って、同じクラブに部員になれてたらよかったなって思ってたんだ。」
「それ楽しそう。」
「でも部活だったら2人じゃなくて、もっと部員がいて、賑やかだよね。もっとメンバー呼ぼうか?」
「それって誰?」
「神戸さんとか、長谷川さんとか。でもしばらくは結衣ちゃんと2人きりがいいかも。」
「2人きりって、なんか照れるな。」
「初めて結衣ちゃんの住んでる町に来たけど、なかなかいいとこだよね。でも私の住んでる街もいいとこだから、次の合宿は結衣ちゃんに私の住んでる町に来てほしいな。」
「うん、まりんちゃん家、行きたい!」
「それと、いつか2人の思い出の田舎町にも、また行きたいな。」
「結衣ちゃんの家って、SASUKEエリアのセットはあるの?」
「トランポリンと、クリフハンガーと、まだ行ったことないけど、パイプスライダーくらい。なかなか難しいな。」
「けっこう技術いるからね。」
「でも私には、神社の石段がある。毎日神社の石段を駆け足で登るトレーニングで、スタミナには自信あるんだ。」
「それ私もやろう。近所の階段で。」
「でも危ないから人がいない時間にね。」
「神戸さんってほとんど全エリアのセット作ったみたいだけど、すごいよね。」
「神戸さんって、仕事クビになった人だっけ。」
「神戸さんほどSASUKEに熱中してる人はいないと思うけど、だからって無職はちょっとね。私には真似できないな。」
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1stステージ
1.5段跳び
2.ローリング丸太
3.大玉
4.ジャンプハング
5.そり立つ壁
6.ターザンジャンプ
7.ロープクライム
制限時間77秒
9回目のSASUKE、今回も完全制覇を目指して全国から集まった100人の猛者が緑山に集結致しました。
1番から41番までが過ぎ、ゼッケン42番、おかまバー店主、マーガレットです。
マーガレットが行きます。一歩二歩三歩、対岸に届かず。五段跳びでリタイア。
居酒屋店長、倉持清史郎の登場です。
五段跳び、おっと三歩目で立ち往生か。四歩目行った。しかしここから距離があるぞ。居酒屋店長清史郎さん。おっと落ちた。
五段跳びはテンポよくいかなければ越えられない。動きが遅すぎた倉持清史郎。対岸に足がつかず、リタイアです。
50人の挑戦が終わり、クリア者はゼロ。
後半のトップバッター、ゼッケン51番の挑戦者は、7回目の出場、高校教師、中上新一郎です。
SASUKE先生、中上新一郎が行く。第4回大会で3rdステージ進出の経験がある中上、2人目の成功者なるか。
第1回大会から出場しております。
ローリング丸太、勢いがついている。しかしクリアしました。大玉、おっーと危ない。しかし越えた。
7回目の出場。しかし前回はジャンプハングでリタイアしているが…、成功した!鬼門のジャンプハングを成功した。
そり立つ壁、第5回大会ではここでリタイアした。おーっと1回目は失敗。2回目、成功したー!
さあ残り時間は十分。SASUKE先生、今日初めての1stステージクリアなるか。SASUKE先生、ゴールは目前、今フィニッシュ!
前回リタイアしたジャンプハングにリベンジ。第5回大会でリタイアしたそり立つ壁にもリベンジを果たし、SASUKE先生中上新一郎、第4回大会以来、5大会ぶりの1stステージクリア!
続いて60人目。
フィギュアスケート日本代表、佐藤静香です。前回は初出場で見事第1ステージをクリアしました。
2回目のSASUKEもクリアなるか。ローリング丸太、さすがフィギュアスケート選手回転は得意だ。
大玉を通過してジャンプハング。どうだ、ジャンプ力にも優れている。網の一番上をつかんで、上に登っていった。
さあそり立つ壁、1回で登り切れるか。あーっと惜しい、僅かに及ばない。焦ってはいけないまだ時間はある。
もう1度、さらに助走距離を稼いで、行った-!残り時間は20秒だ。フィギュアスケート佐藤。
ロープクライム登っていく、ここでブザーが鳴った。佐藤が行く、初めてのクリアか。ボタンを押した!
2人目のクリアは、フィギュアスケート日本代表佐藤静香!
続いてはウズベキスタンのJさん。サングラスをかけたまま挑みます。
行きますウズベキスタンからの留学生。独特なリズミカルな動き。
ローリング丸太、あーっと真っ逆さまー。ウズベキスタンのJさん落ちた。
おーっとメガネがない。メガネを沼の中に落としてしまった。これの保証は番組が致しませんが。
※メガネはあとでスタッフが見つけました。
競泳日本代表、海原愛の登場です。まずは五段跳び、おっ軽やかだ。
さあ続いてジャンプハング、このトランポリンはどうだー。しがみついたー。おーっと足が危ない!着水したら失格だぞー!危なかったが渡りきった。
残り22秒、そり立つ壁は1回で登り切れるかー。おーっとつまずいてしまった。
競泳日本代表、海原愛、そり立つ壁を登れず無念のタイムアップ。
その後佐川賢次、松本亮也が1stステージをクリア。
続いてゼッケン94番は、柔道五段の市議会議員、埼玉県のKさんだ。
「がんばるぞー!」
まずは五段跳び、おーっと3歩目で撃沈!
出た!これは顔面ガンジス川と言ったところか。南インド出身、インドのBさんです。
大学院でSASUKEの研究をしてきた。さあ五段跳びはどうだー。研究の成果を出す前にダメだった!
ゼッケン96番。いよいよラスト5人、有力選手の登場となる。
SASUKE界最強兄弟。兄の中原武は前回ファイナリストになりました。しかしファイナルステージで左肩を脱臼、ドクターストップがかかり無念の引退となりました。
今回は弟1人での挑戦です。兄の分まで、兄の果たせなかった完全制覇のために。中原朋也が行く!
肉体のセンター試験第1ステージ。ローリング丸太、がっちり肉体を密着させていく。
さあ大玉、あーっと危なーい!中原朋也がまさか、大玉で沼地に吸い込まれたー!
赤と白の衣装がトレードマーク、5回目の出場、氷川結衣の登場です。過去出場4回中3回1stステージクリアと、この1stステージには抜群の安定感を誇ります。
ローリング丸太はさすがにお手の物だ。ジャンプハング、がっちりグリップ、今回は下から行く、今回は下から行く。
そり立つ壁はどうだ。一発クリア。ロープクライム、まだ時間はある。これは行ったも同然だ。
残り12秒を残して第1ステージクリア。見事5人目のクリアです。
マリン「さすが結衣ちゃんだね。では…」
「出発」
「「進行!」」
「発車」
「「オーライ!」」
ゼッケン98番、SASUKE第4回大会ファイナリスト、SASUKEの海猿、宮崎マリンが行きます。
現役のライフセーバー、SASUKEの日だけは海ではなく陸の障害物を越えて行く。
ローリング丸太、回っていく回っていく、全く離れない。ライフセーバーは三半規管も強い。
さあジャンプハング、ここも問題ないでしょう。あーっと!宮崎マリンがまさかの1stステージ、ジャンプハングでリタイア。
第5回大会でタイムアップによるリタイアはあったが、5回目の出場で初めて1stステージの池に落ちた。
「これは悔しすぎますね。1stステージの池に落ちるなんて初めてだ。
1stステージ99人目の挑戦者は、ただ1人最高峰を極めた人、長谷川健一。
しかし完全制覇者の肩書きを背負ったその後の挑戦は、まさかの4大会連続、1stステージリタイア。
さあこの1stステージをクリアしたとき、再び頂点が見えてくる。ガソリンスタンド勤務、長谷川健一です。5大会ぶりの第1ステージクリアはなるか…。
あーっと着水!左の足、つま先の部分!なんと完全制覇者長谷川健一がスタートエリアで消えた!
そして100人目、1stステージ最後の挑戦者を迎える。
孤独な挑戦です。今や家族の援助もないのか。無職、いや職業SASUKE、神戸勝樹です。
まずは五段跳び。今回は7kg減量してまいりました。ローリング丸太はそれが生きたか。余裕を持って大玉、冷静にクリアした。
さあ続いてはジャンプハングが近づいてまいりました。どうだ、がっちりグリップ、クリアした。
そしてそり立つ壁であります。おーっと1回目は失敗。ここで焦ってはいけない、ここで焦ってはいけない!2回目、今度は行った。
残り20秒、まだ時間はある。前回は1stステージ、ロープクライムで惜しくもタイムアップとなったが。今回は余裕で行った!
神戸第1ステージクリア!
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2ndステージ進出は中上新一郎、佐藤静香、佐川賢次、松本亮也、氷川結衣、神戸勝樹の6人。
8.ロープグライダー
9.スパイダーウォーク改
10.5連ハンマー
11.逆走コンベア
12.ウォールリフティング
制限時間70秒
日はすっかり沈み、闇夜の緑山。1stステージをクリアし、2ndステージに進出したのは5人。
端を切って登場するのは高校教師、中上新一郎です。1人切りの課外授業の旅。体を振り子のように振られたロープグライダー。
ここは空中乗換駅。ここで2本目のロープグライダーに移行する。
さあ出てまいりましたスパイダーウォーク。滑り止めを足の裏に入念に付着していく。そして手にも付着。まずは登り。そして平行移動。
そして下り、下りは滑りやすいぞ、慎重に行け。無駄なく行きます中上新一郎。
5連ハンマーを通過して、逆走コンベア、悶絶のハイハイだ。オギャーを言わない悶絶のハイハイ。
ここをクリアしたら残り15秒。ウォールリフティング、2枚目、そして3枚目を持ち上げたー!残り5秒ちょっとで2ndステージクリア!
佐藤静香、雪辱の第2ステージ。前回、初出場にして第2ステージに進出した佐藤だが、新第1エリア、ロープグライダーでタイムロスし、無念のタイムアップ。
フィギュアスケート日本代表、佐藤静香です。前回は最初のロープグライダーに手こずった。今回はスムーズに2本目のロープに移行した。
続いてスパイダーウォーク。まず上に登る、そして平行移動、そして最後は下り。ここはスムーズに行った。
ここまでは佐藤順調であります。恐怖の人間ゲートボール5連ハンマーもクリアして。
逆走コンベア、ここも得意だ無駄がない。前回はウォールリフティングの手前でタイムアップとなったが、今回は残り20秒、時間をたっぷりと残してウォールリフティング。
第1の扉30kg、第2の扉40kg、そして第3の扉50kgを上げれば2ndステージクリア!
これは早い!11秒を残して初の2ndステージクリア!
佐川賢次、松本亮也、氷川結衣も2ndステージをクリア。
水面に揺れるSASUKE2ndステージ。これまで5人が3rdステージのチケットを手にしておりますが、なんとしても6人目になりたいところです。
職業SASUKE、いや人生SASUKE、神戸勝樹の挑戦だ。まずはロープグライダー。制限時間80秒でこの2ndステージを料理できるか。
そしてスパイダーウォーク、過去2回ここで苦杯を舐めた。斜めにあがっていく。今回は完璧、危ないところはない。
5連ハンマーを越えて逆走コンベア。過激な一方通行だ。残りあと12秒。ウォールリフティング、マッスルアーケード、壁を3枚持ち上げて行ったー。
やりました!今大会2ndステージ6人全員クリアです。
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3rdステージは、第3エリアが新エリア、ランプグラスパーを導入。
13.ランブリングダイス
14.ボディプロップ
15.ランプグラスパー
16.クリフハンガー
17.パイプスライダー
いよいよ剛腕見本市会場、第3ステージが幕を開けます。
一部リニューアルされました。まず端を切っていくのは、中上新一郎であります。
まずは新エリアランブリングダイス。鈍い音、四角の鉄骨を転がしていく。まず初お目見えのランブリングダイスを制した。
続いてボディプロップ。ガリバーのシューキーパー。3つの空白がある。1つ目は手の方、2つ目は足の方、3つ目は手。まもなく3つ目の空白、そこを越えればあと僅かだ。
ボディプロップクリアしました。続いても初お目見え、新エリアのランプグラスパーであります。
この電球のようなものをどう握っていくか。こんな過酷な電球交換のようなシーンを見たことがない。ガッチリとグリップ、自分の握力のみで己の全身を支えている。初体験のランプグラスパーを制しました。
いよいよお馴染みのクリフハンガー。さあ進んでいった。一気にいくか一気に行くか。まず空白がある。そして30cmの段差がある。段差が苦しい、ここで数多くの選手が泣いたが。おーっと越えたか、もうちょっとだ、もうちょっとだ中上ー。
クリフハンガーをクリアしました。いよいよ最終エリア、パイプスライダーであります。ここは腕力のブラックホールと言われている。
さあ順手で持って、赤いパイプを進めていく。あーっと、中上ー!
パイプスライダー、スタート直後にまさかの脱線!勢いをつけすぎたか。
勢いつけて飛び出したのが裏目。パイプスライダーが中上新一郎の行く手を阻んだ。
3rdステージ、続いてはフィギュアスケーター、佐藤静香です。初めての3rdステージ挑戦であります。
まずはランブリングダイス。腕力で回していく、肉体の観覧車ランブリングダイス。あと僅かだ。画竜点睛を欠いてはいけない。
ボディプロップ、まず第1の空白地点、横移動していく。一瞬の隙が命取り。さあ第3の空白を越えればもうちょっとだ、もうちょっとだ。
続いても新エリア、ランプグラスパー。入念に滑り止めをつけた。さあ行く…・。あーっといきなり転落!2つ目のランプに触れた瞬間、もう限界か。沼地に吸い込まれました。
続く佐川賢次はクリフハンガー、松本亮也はボディプロップでリタイア。
3rdステージ、残るは2人、埼玉県川越市の神社の巫女、氷川結衣が行きます。
ランブリングダイスをクリアし、ボディプロップへ。
ボディプロップには嫌な思い出があります。第7回のSASUKEはここで落ちた。足を伸ばしていく。第2の空白、まもなく3つ目の空白も越えていく。
ランプグラスパー、命がけの電球交換がスタートした。ちょっと苦しいか。あーっと危ない!踏みとどまった。一度ランプを掴みそこねた。まだ余力は残っているか。あと3つ、あと2つ。休憩地点に足をかけた。
さあクリフハンガーに到達しました。前回はここで氷川は落ちてしまった。
さあ意を決して出ていきました。腕を鍵型で横移動。まず空白をクリアしていく。まもなく30cmの段差がある。どうだ、あーっと氷川ー。段差のところで落下!
これで99人の夢が潰えた。残るは神戸勝樹、ただ1人。前々回の第7回大会、1度はゴール地点への着地に成功するも、バランスを崩し、ゴール地点から転落。そのリベンジに燃える。
相変わらず怪しげな光を照らしているあのファイナルステージ。あそこに到達する者は誰もいないのか。
SASUKE第9回大会、残るはただ1人。ゼッケン100番、史上最強の無職、いや職業SASUKE、神戸勝樹です。
さあまずはランブリングダイス。自宅の仮想SASUKEコースで日々トレーニングしてきました。1日のほぼすべてをSASUKEのトレーニングに費やしている。さあどうだ…
あーーー!着地に失敗!まさか神戸がランブリングダイス、リニューアルされた第1エリアがまさかの転落!
静香「えーっと、これで終わり?」
健一「終わりだ」
静香「今回エリアが変わったよね」
健一「選手は今までのエリアを研究して、成長していく。SASUKEという番組、競技の迫力が変わらないためには、SASUKEのエリアが変わり続けなければいけないんだ。それに応じて選手も変わり続けなければいけないんだ。」
健一「でも厳しいね。特に俺みたいに第1ステージも越えられなくなった人にとっては。」
マリン「まさか神戸さんが…。最後は呆気なかったね。100人最後の挑戦者がああいう形で終わっちゃうのは。」
結衣「でもこれがSASUKEなんだよ」
マリン「でも結衣ちゃんは頑張ったよ。」
神戸「カッコ悪…。俺一番手前じゃないですか。クリアできなくてすいません。」
第9回大会結果
1位:51 中上新一郎 3rd/パイプスライダー(1本目 脱線)
2位:97 氷川結衣 3rd/クリフハンガー(段差)
2位:66 佐川賢次 3rd/クリフハンガー(段差)
4位:60 佐藤静香 3rd/ランプグラスパー
5位:88 松本亮也 3rd/ボディプロップ
6位:100 神戸勝樹 3rd/ランブリングダイス